若松英輔著「悲しみの秘義」は、創作者の魂を教えてくれました。
みんなのフォトギャラリーよりmiho様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。私は、若松英輔著「悲しみの秘義」の単行本を読んだのですが、単行本の間に、紺と紫を混ぜたような薄い紙がはさまっていたので、イメージの近いイラストを選びました。はさまれていた紙より、色づかいが、明るいですが、きれいなので、こっちも好きです。
喋々(ちょうちょう)です。
以後、よろしくお願いいたします。
今回は、読書感想文です。
私は「読書の秋2022」の記事をすべて読むという無謀なことをしているのですが、その記事を読む過程で、この本読みたい! と思った記事をマガジンに登録しています。
もちろん、マガジンに登録したすべての本を読むのは途方もない時間がかかるでしょうが、最近、少しだけでいいから読みたいなーと思いまして。一冊だけね読みましたので、記事にさせていただきました。
私が読むきっかけとなった記事はこちら↓↓↓
私の斜め上の視点で書かれたこの記事よりも、素直で心の奥をやわらかくなでるような素敵な記事です。言葉のたとえ方が、とても好き。
素敵な記事ですので、ぜひ、ご一読ください。
では、ここからは私の感想を。
「悲しみの秘義」は、多くの引用からなる構成となっています。いろいろなときに感じる不安を引用された詩や、文章で、ときほぐし、安らぎをあたえてくれます。
いろいろな人が、不安を拭ったり、折り合いをつけたり、つきあっていくときに、必要とする言葉が、この「悲しみの秘義」のなかにはあるような気がしてなりません。
個人的には、創作者における魂とはなにかをわかりやすく書いた本だと思いました。
創作者というのは、なにかをつくったりする人のことです。つくるものは、なんでもいいのですが、私の場合は小説です。
魂というのは、小説の登場人物が生きているようにみえることや、小説を生きているように魅せるものでしょうか。私もよくわかっていなかったのですが、この「悲しみの秘義」を読んで少しだけ、わかった気がします。
「悲しみの秘義」から学んだ創作者の魂とは、他人の体験をまるで自分のように感じられることだと思いました。
ほとんど共感できる体験でしたが、共感できないものがあっても、体験としては非常に有益なものだと思いましたね。
私が読んだのは単行本の方なので文庫本の方はわかりませんが、引用された本のリストが、わかりやすく掲載されていたのもうれしかったです。
人は体験できないものを体験したい気持ちが強いですが、体験したくないものを体験することでも、心が安らかになるのだなと思いました。
大なり小なり、人生は楽しいことだけでなく、苦しいことばかり。
でも、同じように苦しみを抱えていたり、想像を絶するような痛みを抱えた人がいて、辛い体験を共有するためにも、さまざまな詩や小説や創作物があるのだなと思いました。
とても、素敵な本でした。
髙松ゆい様、読書の秋2022で、この本を紹介してくださり、ありがとうございます。
読書の秋2022で紹介された本は、のんびりと読むつもりなので、また、次の読書感想文でお会いできたら、お会いしましょう!