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【ミステリー】自由きままなレビュー第11回【屍人荘の殺人】

今回のレビューは「屍人荘の殺人」著者:今村昌弘 です。
オーディオブックで聞きました。

映画化もされていて、名前は知っていましたが、なぜか興味をひかれずにいました。
オーディオブックなら、ながら聞きできるしいいかと、気軽に聞き始めました。

聞き始めると、キャラが濃く、思っていた内容とは随分違い、面白い。

これは事前情報なしで読むのがいいですね。
ミステリーは大体そうですが、舞台設定が特殊な本作ではとくに新鮮な気持ちで読みたいという方は、事前情報なく読むことをオススメします。

僕が最近読んでいるミステリーに偏りがあるのか、主人公や、わき役に過去のミステリー作品に精通している人物が登場することが多いです。

その人物は、事件が起きると「ミステリーではこうなる」的なことを言ったり、助言したり、読者を目を別の方向に向けさせるなどの目的で配置されているだと思います。

さて、舞台設定が特殊でネタバレを避けるために詳しくは書けませんが、犯人にとっても異常事態の中で起こる殺人。

もし僕が殺人を計画していたとしても、こんな異常事態に見舞われたら、計画は中止にすることでしょう。

異常事態になる経緯も描かれているのですが、いまいちピンときません。
そっちの話で一冊本が書けそうなお話なのに、舞台設定の一部としてだけ使用するという贅沢ぶり。
しかも主要キャラだと思っていたら…という大盤振る舞い。
僕なら、せっかく考えたキャラをあんなことにするなんて…と思ってしまいます。

ミステリーやサスペンスはリアリティがある方がいいなんて言いますが、この本はその常識を打ち破りました。
創作の中にリアリティを作るというのは難しいものだと思います。

頭の中で思い描いたものを文章にするって難しいですよね。
アイデアがあっても表現できなければ意味はないのです。

創作とミステリーをうまく掛け合わせた作品だと思います。

普通のミステリーに飽きたというかたにオススメです。

最近、ミステリーやサスペンスばかり読んでいる気がする。
病んでいるのでしょうか。

トリックは過去の作品でもう出尽くしていると言われるミステリー作品。

作者は色々なトリックを組み合わせたり、舞台に特殊性を持たしたり工夫をしています。

読者を騙す為にアイデアを絞り出します。

僕もそんな作家になりたいもんです。

ではまた。


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