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名作を見るときの胆力と贅沢と後悔と

日頃から映画をよく観る。
現実逃避のアイテムとして最優秀賞をあげたい。
でも観る映画によっては心の準備が必要だ。

え?
意味不明?
いつも現実逃避でみる映画はだいたいB映画を中心に ながら見をしているのだ。
だから名作や超大作をみる時には気合を入れる必要がある。

さぁ これから見るぞ と胆力を込めるのだ。

名作に失礼がないようにしないと。
伏線を逃さないように テーマを逃さないように 映像美を見逃さないために。

そうやって胆力を込めてみる映画はとっても贅沢だ。
名作は何度みても面白い。
故に名作といわれる。

僕は何回でも同じ映画を楽しむことができる。
楽しいって知っているから。
だからこそ、楽しまないとって胆力を必要とする。

もし、楽しくなかったら?
今ままでその名作を見た時間がかすんでしまうような気がする。これから見なくなってしまうかもしれない。

そんな言い知れぬ恐怖が襲う。

現実逃避にも胆力が必要とは、我ながらめんどうくさいヤツだ。

さて、そんな贅沢な名作映画時間を堪能する為には追加アイテムが必要だ。
コーヒーとチョコだ。
これで完璧。

さてさて、映画が始まる。
物語に引き込まれる。
僕は映画に集中する。
あっという間に90分~120分程度が経過する。
ふぅ満足。

映画だけに全集中するというのは現代では贅沢な時間の使い方といえる。

映画を楽しむために観る から知る為に観るというふうに変わり、重要シーンだけを切り出したファスト映画がもてはやされるようになって久しい。

倍速で映画を観たことはないが、そういう文化も受容しつつ倍速で観ると何か発見がある そんな映画もこれから出てくるかな。

通常バージョンと倍速バージョンの違いで盛り上がる。
そんな発展のしかたも面白い。

本を読むとき、僕たちは心の声で音読している。

その心の音読はきっと話すスピードよりもずっとはやいはずだ。
だから映画を倍速で観ることはそんなに矛盾した行いではないのかもしれない。
時間はないけれど、映画の内容 情報をはやく仕入れたい。

わかる。

僕は音楽や小道具などもじっくり観たいので、倍速では観ないけれど 否定はしない。
観ないよりも遥かにマシだろう。

でもそういう倍速世代にも、贅沢な映画時間を堪能してほしい。

そして、時間をたっぷり使ってしまった と後悔してみたらいい。

心地の良い後悔という矛盾。


それが現代の名作映画の楽しみ方。
じっくり映画鑑賞に慣れていない人は僕以上に胆力を必要とするだろう。
後悔も大きいだろう。
でもハマるよ。
凝縮した時間があなたを包む。
もう離さない。

さぁまずは名作映画と出会うところから。
胆力と贅沢と後悔のための長い道をいけ。

ではまた。

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