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【小児医療コラム】自律訓練法 不安緊張やストレスの緩和に有効なトレーニング


心と体をつなぐ神経と言われる自律神経。この自律神経は興奮したりストレスを感じたりした時に優位になる交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経からなります。ストレスに晒された状態が続いているとこの自律神経のバランスが崩れてしまい強いストレスにさらされます。交感神経が活発になりすぎて心身が疲弊するのを防ぐことが重要です。
自律訓練法は、心と体をつなぐ自律神経を自分でコントロールし、リラックス状態を作るための訓練です。マスターすることで様々なメリットがあります。今回は子どもの心身の緊張緩和に有効な自律訓練法について解説します。

■自律訓練法とは


自律訓練法とはドイツの精神学者シュルツが創始した訓練法です。その歴史は古く1911年に作られ、我が国では心療内科領域で特に活用され行動療法、交流分析と共に心理療法の3本柱とされています。今日では心身の健康を保つためにスポーツや産業領域にも広く取り入られています1)。
リラックスできる環境を用意し、リラックスした体制で、決められた言葉で自己暗示をおこないます。
この自己暗示によって自分の心と体に働きかけて自律神経のバランスととることをめざします。
瞑想などと近いものと考えるとイメージしやすいと思われます。

■自律訓練法のやりかた


自律訓練法は決まった言葉(これを公式と呼びます)を心の中で唱えることで暗示を欠ける訓練です。
自律訓練法を始める前にまずは準備を行います。
リラックスできる環境を用意します(できる限り静かで落ち着ける場所がよいです。)腕時計やベルトなど、体を占めるようなものは外してリラックスできる服装になりましょう。トイレもすましておき他のことを考えなくても良いように準備しておきます。
準備がととのったら自律訓練法を行うべく、姿勢をとります。椅子に座る場合は背中が自然に真っ直ぐ伸びる体制をとります。浅く座りすぎて体が斜めになったり、腰がそらないように注意しましょう。足の裏は床にしっかりつけましょう。
寝転んでやる場合には両足を肩幅くらいに開いて脇の下はテニスボールが入るぐらいに軽く広げましょう。
準備ができて姿勢をとったらいよいよ訓練に入ります。

自律訓練法には7つの公式があります。

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