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【医療コラム】尊敬する指導医との出会い。そして小児科へ・・。

■完璧…尊敬できる指導医との出会い


 私は産婦人科開業医の長男です。ですから、医師の道を考えるうえで、産婦人科医になることが選択肢に入っていました。ただ、産婦人科は不眠不休の仕事なうえに、体力も必要とします。私は大病を患ったことがあり、体力の面で産婦人科は難しいのではないかと不安がありました。そこで肉体的な負担が少ないであろう老年病科を選ぶことにしたのです。

 大学を卒業した当時は、スーパーローテート方式が採用されていました。私は老年病科を希望していましたが、人数の関係から最初に小児科で研修を受けることに。そのため、初めての指導医は小児科4年目の先生でした。

 若い頃は、1年の差が大きく感じられるものです。4年も上の先輩といえば、当時の私からすれば神のような存在でした。

 先輩は小児科外来・小児科入院病棟・NICU病棟・PICU病棟で獅子奮迅の働きをしながら、研究・論文も完璧にこなしており、非の打ち所がありません。そんな先輩に対して、私は深い尊敬の念を抱いていました。

 また、先輩のすごいところは、仕事ぶりだけではありません。当時から医師の仕事は大変でした。例えば、当直の際は、コンビニ受診の対応で眠ることができません。さらに、不規則な時間で働くことになり、疲労困憊になりやすい環境です。加えて、患者のご家族の中には、無理難題や難癖をつけてくる人もいました。

 そんな中でも、先輩は自分を見失うことがありませんでした。先輩は飲み会などでストレス発散し、自分を取り戻しておられたようです。大変な中でも荒れることやつぶれることのない安定した仕事ぶり、そういったメンタルの強さも尊敬できる先輩でした。

■先輩との出会いが医師人生を変えた


 3か月の小児科研修が終わり、私はいよいよ所属する老年病科のローテートに移りました。しかし、小児科で出会った素晴らしい先輩のことが忘れられず、体力面での不安はありましたが、所属を小児科医局に変更しました。

 現在、その先輩は大学医局の准教授です。さらに、周りからの評判もよく、「いずれ教授になるだろう」と言われています。やはりあの先輩はすごい人だったということです。

 当時のことを思い返すと、「よい先輩と出会い、その人についていくこと」が、自分を成長させる一番の近道だなと思います。私は一生尊敬できる先輩と出会えて、本当に幸せな小児科医です。

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