見出し画像

【ADHD】無自覚だった頃のとある1日

寝たら大体悪夢を見た。五感を伴う夢ばかりだった。いつも切羽詰まっていて、リアルな家のトイレが出てきて用を済ませる夢、
海の上の橋から、大の字で後ろ向きに海面に吸い込まれるように落ちていって、背中が海に叩きつけられる寸前でビクッとなって。起きる夢。
リアルな匂いや味のするうどんを啜る夢。
夢なのか現実なのか正直わからない。目が覚めたということはあれは夢だったのだろう。下着も確認したが漏らしてはいなかった。いつも大抵夢を見ていて、すっきり起きられたことがなかった。

→発達障害との関連は謎だが、わたしの場合よく五感付きの夢を見た。とてもリアルな、現実を反映した夢で、どちらがこの世なのかわからなくなりそうだった。夢うつつ、という言葉そのもので、まるで魂と身体が分離してしまったような感覚だった。お恥ずかしい話だが、トイレの夢を見た日は、たまに漏らすこともあった。

onemu解説

起き上がってからも、視界に常に白いモヤがかかっている。霧が深い山に覆い被さっているような、その霧は重くてなかなかどかなくて、鬱陶しい。けれど、何をやっても、どんな日も晴れたことがない。これが通常モード。
ベッドから立ち上がったら立ちくらみがした。視界がブラックのモザイクで掻き消される。頭を下げてうずくまっていると母の「いい加減に起きなさい!!」という怒号が聴こえた。

さっさと朝食を食べろ、とせっつかれる。お腹すいてないのに。残すと怒られるので仕方なく胃に入れる。濃いめのブラックコーヒーを淹れて温まる。やっと動けるようになってくる。

→脳内のノルアドレナリン、ドーパミンが少ないため覚醒度が低く動きがのろい。睡眠リズムも夜型なので朝に非常に弱く、気を抜けば眠れてしまいそう。朝はカフェイン必須で、珈琲やエナドリ中毒になりがち。だんだん目が覚めてきて、1番元気になるのは15時以降。

onemu解説


毎日ティッシュとハンカチ持ち歩け、身だしなみをきちんと、と言われても… それどころではない。寝ぼけ眼をこすりにこすって、なんとか起きている状態でできることには限度がある。いつも通学カバンにスペアを忍ばせている。あのハンカチ、いつ洗濯したのが最後だっけ…?
かろうじて歯磨きを済ませ、顔が冷えるのが嫌なので顔を水でちょろっと流した。前髪だけヘアアイロンを通して整える。
あー今日は5限の家庭科でエプロン必要なんだっけ。必ず持っていかないと。
バタバタカバンを取りに行って、弁当と水筒を持って家を出たら、エプロンを忘れていることに気付いてまた家に戻った。遅刻寸前なのでダッシュで学校へ急ぐ。

→朝は起きているだけで精いっぱい。不注意、ワーキングメモリーが弱く大事なことを思い出してもすぐ忘れてしまう。二度手間でよくタイムロスが発生。いつも時間の余裕がない。

onemu解説

授業は退屈でぼんやりとしていればいつの間にか放課後だった。部室へ急いでウェアに着替える。みっちり練習してくたくたになって家に帰る。HPはマイナス。お腹空いたので我慢しきれずコンビニでピザまんを買い食いした。

→家が近くても我慢できない。そのとき思ったこと、やりたいことをすぐしたい!という考えでいっぱいになってしまう。家に帰ってから夕飯を食べればいいのに、それまでの15分ですら我慢ができない。

onemu解説

口角のピザソースを舐め取って何食わぬ顔で家に帰ったら、わたしの嫌いなメニューの夕飯だった。食感が気持ち悪くていつも残す。だが母は食事を粗末にするなとキレる。歯触りがどうにも気持ち悪くて食べられないが、わがまま言うなと怒られるだけなので何も言わない。淡々と怒りを受け流してお風呂に浸かる。つい湯船のなかでうとうと居眠りしてしまい妹に怒られる。だるいけど立ち上がって頭を洗おうとしたらまた立ちくらみがした。危なかった。頭を洗って乾かすのは面倒だから、ショートカット以外できないや

→感覚過敏で液体じみたにゅるにゅるしている食感・しっかりと噛みきれない噛みごたえのない食べ物が苦手だった。
眠気が強いために危ないところでも寝てしまう。一度お風呂に入っても浴槽から出るのが億劫で時間がかかってしまう。また、ドライヤーの音も耳元で大音量で鳴るし、うるさくて苦手だった。髪の毛は乾かす時間を短くできる、管理しやすいという理由でいつも短くしていた。

onemu解説

来週までの課題どこまでだったっけ。友達にLINEして聞かなきゃ。
現代文面白すぎてもうワークの最後のページまで解いちゃってつまらないな。
でもまだ物理基礎と数学Bが残ってる。最悪。やる気起きない……
先に好きな英語からやっちゃおう。あーこの表現面白いな!日本語とまるで違う!じゃあ似た表現ってどんな感じだろう。ググったら楽しすぎて40分もネットサーフィンしてしまった。
いい加減に課題終わらせなきゃ。もう日付変わっちゃうのに、苦手な数学Bが全然終わらない。どうしよう…と思っていたら机に突っ伏して寝落ちしていた。首が痛い…起きてベッドで寝なきゃ。
毎日いっぱいいっぱいで、あっという間に過ぎていくなあ。

→好きなものには過集中。勉強だけでなく、創作や仕事に打ち込むことでドーパミンを出しているひとも多そう。ワーカホリックが行き過ぎてそれが問題にならなければとても生産的。上手に活かせれば素敵な長所だなと思う。

onemu解説

〜1年後〜
勉強についていけず、おっちょこちょいが直らない自分に嫌気がさして、彼女は不登校になった。彼女には、精神科で「不注意がやや優勢だが衝動性も見られる混合型のADHDだ」、との診断が下りた。
いつも当たり前だと思っていただるさや眠気は、脳内の異常のせいだったのだ。サボりでも甘えでもなく、そもそも十分な量の神経伝達物質が出ておらず、そのせいで起きていたことだった。

もしあなたが彼女と同じような感覚があるならば、精神科や心療内科で発達障害疑いだと思うと相談してみることをおすすめする。
おそらくなかなか予約が取れないから、待たされる期間が長いかもしれない。そんなときに、もしよければ、ADHDに関して他にも色々お助け情報があるのでわたしの記事も読んでいってください。マガジンのADHD関連という項目にまとめてあります。

発達障害で苦しむ人が1人でも多く減りますように

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?