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素直になれなかった父

こんばんは。ちょこれいとです。

最近妹と会う機会が増えたので
何となく昔の事を思い出す事が多くなったのですが

妹は父の事を恨んでいました。

今現在はどう思っているのか分かりません。

もう昔の事だからとあまり気にしていないのか
私が〇〇なのは父のせいだといまだに思っているのか。

私は父に対して可哀そうな人だと思っているので
たとえ同じ環境で育った実の妹でも
父の悪口や恨み言はあまり聞きたくありません。


『お前らの事なんてどうでもいい。俺はお母さんさえ居れば良い』

確か私たちはこんな風に言われました。

なぜこんな話になったのか、この後はどうなったのか
もう一切思い出せません。

ただこの一言はとても印象的だったので
きっと一生忘れる事はないと思います。

こんな言葉を父親から言われたら
私たち姉妹は穏やかに楽しく過ごせるはずもなく
お互いに気まずい思いをしながら
まだしばらくは一緒に暮らしていました。


もう20年近く前の話なので記憶も朧気ですが

私は『将来〇〇になりたい』という話を母にだけしており
母はその話を知人に話したようでした。

そして
『お前らの事なんてどうでもいい』発言以来
あまり話すことがなくなった私たちでしたが

ある日突然父が

「お前は〇〇になりたいのか?」
と話しかけてきました。

『えっ……うん…。(急になに?…気まず)』
「そうか……。」
『…』
「人づてに聞いたけど、お父さん全然知らんかったわ…。」

その言い方があまりにも寂しそうで

あぁ、この人は本当は私たちの事どうでもいいんじゃない

仕事に行きたくない、しんどい事はしたくない、楽したい
人や何かのせいにしたい、責任を負いたくない
色んなことから逃げたい

そんな風にしか生きれなくて
どうしたらいいかわからなくて
自分の子供にもあんな言葉しかかけれない位に
心が幼いんだと気付きました。

父の寂しそうな様子に
居たたまれなくなった私は無言で部屋に戻りました。


当たり前ですが父の方が年齢は上です。
でも精神的にあまりにも幼すぎて
ただただ可哀そうな人としか思えませんでした。

私は父に【父親】としての役割を求める気持ちは一切ありません。

それは、幼い子供に【大人になりなさい】と言っている事と同じだからです。
私の父には【父親】になれる程の器はありませんでした。

年齢を重ねればみんながみんな大人になれるわけではありません。

自分で自分の心を成長させる気持ちがなければ

身体だけが老いていき
心は幼いままなんです。


あの時父が私に将来なりたいものを聞いてくれなければ
もしかしたら妹のように父を恨んでいたかもしれません。

このことが無くても父の事は恨まなかったかもしれません。

何年も苦しみ続けましたが
今はこの両親のもとで生まれてきた事に
感謝の気持ちを感じます。

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