見出し画像

【怖い話】からかわれる

これは私が高校生の頃に体験した話です。

私が生まれてから住んでいた家は
物凄く気持ち悪い不気味なマンションで
写真を撮れば当たり前にオーブは写るし
変な声や光・影を父と同時に見るなど
色々な現象がありました。

生まれた時から住んでいて
その不気味さも当たり前で
しかも父と一緒によく見聞きしていたので
幼い頃はあまりわからなかったのですが

高校生の時に両親が家を購入して
新築の綺麗なマンションに引っ越す事になりました。


そのマンションは新築だったので
当たり前ですが物凄く綺麗で
キラキラしていて住むのが楽しみだったのですが

7階の角部屋で景色が良く見えるので
ベランダからは近くの大きな川も見えて
その川がすごく気持ち悪くて嫌でした。

(この川についてはまた別で書こうと思うのですが
私の友達で霊感が強いМちゃんは
この川で真夜中に遺体が浮いてるのを発見したそうです)


引っ越してから気付いたのですが
私の部屋としてあてがわれた場所は
物凄く不気味な部屋で
あまりの怖さに夜一人では寝れなくて
和室で寝ていた母の隣で寝るようになりました。

高校生で思春期・反抗期真っ只中でしたが
そんなことよりも恐怖が強すぎて
母に隣で寝させてほしいとお願いしました。
(当然ですが怪訝な顔をされました)


その和室はダイニングのすぐ隣にあったのですが
和室の方が玄関に近い位置にあったので
その和室の襖は全て外した状態にしてあり
移動しやすいよう廊下の延長のような形にしていました。

ただ廊下に面した所に襖1枚分の壁があり
そこだけは外せない構造になっていました。


ある日の夜
私はなかなか寝付けず何度も寝返りをうっていました。

隣でスヤスヤ気持ちよさそうに寝る母は
ドラえもんののび太くん並みの寝つきの良さなので
お母さんは良いよなぁ…なんて思いながら

何とかして寝ようと目を瞑って頑張っていた時に

バキバキバキ!!

と人が床を踏み外したような物凄い音が
襖1枚分ある壁の向こう側の
廊下から聞こえてきました。


(…えぇ…ちょっと待って何なん突然…怖すぎやろ…!)

と私はあまりの怖さに固まってしまい
見に行くことも出来ずに
気付いたら朝になっていました。


翌朝私は音の原因を確かめるために
その襖1枚分の壁の廊下側に立って
全力で何度かジャンプしてみました。

でも当たり前ですが
新築マンションなので
床が割れそうになる音なんてする訳もなく
あんなに激しい音が何故鳴るのか
全くわかりませんでした。


その日の夜
前日の事はすっかり忘れていた私は
携帯を触って遊んでいました。

隣では母が相変わらずスヤスヤと
気持ちよさそうに寝ており
私もそろそろ寝るか…と思って携帯を閉じたときに

バキバキバキ!!

と昨日と同じ場所から
同じ音が聞こえてきました。

(…!!またあの音や…!)

私はまた怖くなって布団の中にくるまって
私は何も聞いていないと言い聞かせて
何とか寝る事に成功しました。


翌日
私「ほんまやねんて!夜になったらこの廊下で物凄い音鳴るねん!」
母『ここ新築やのにそんな音鳴るわけないやん』
私「ウソじゃないもん!今日はちょっと起きててよ!」
母『はぁ…わかったわかった…』
私「ほんまやもん!」

なんてやり取りを行い

夜になりました。

私「ちゃんと起きててよ!」
母『あーはいはい』

そんなやり取りをしていたのですが
ものの3分程で母は寝てしまいました。

(起きててって言ったのに…!)
なんて思いながらも
疲れてるんだろうと起こす事も出来ずに

何だかんだで自分もウトウトしてきて
そろそろ寝れそう…というタイミングで

バキバキバキ!!

とまたあの音が鳴りました。

一瞬で覚醒した私は
携帯で時間を確認しました。

私は幼い頃から怪談が大好きだったので
稲川淳二さんの怪談で
『夜中〇時ちょうどになるとー』
みたいな話があって
起きる時間に何か意味があるのかもしれないと思い
音が鳴った時間を確認していました。

でも3回とも時間はバラバラでした。

そこで私はある共通点に気付いたのですが、それは
(この音、お母さんが寝て私が起きてる時にだけ鳴る…)
という事です。

その事に気付いた瞬間に
私はこいつにからかわれていると感じて
(ふざけやがって…!)と
イラっとしました。

恐怖が怒りに変わり
音が鳴るたびにイラっとするだけになりました。

しかもただ音が鳴るだけで
何か見えるわけでもないし
明らかに意図的にからかわれてる感だけあり

段々と怒りも感じなくなり
(またこの音か…うるさ)
位の感情にしかならなくなりました。


数日続いた音に対しても段々と気にならなくなり
母に聞いてほしいという気持ちも薄れてきた頃に
母がウトウトして寝る直前位の時に

バキバキバキ!!

という音が鳴り
母もハッキリとその音を聞いたようでした。

母『ほんまに音鳴ったなぁ…』
私「だから言ったやん。しょっちゅう鳴ってるよ最近」
母『ふーん。そうなんや…』

そんなやり取りをして
二人とも特に気にもせず寝てしまいました。


不思議な事に
母と同時に音を聞いた翌日から
その音はしなくなりました。

あんなに続いていた音が
突然なくなった事が当時不思議で仕方ありませんでしたが

今考えると二人とも大した反応もしないし
からかいがいがなくなったんでしょう。


この音がなっていた廊下は
ベランダから見える大きな川に対して
ちょうどT字の形になっていたので
川があるベランダから反対のベランダにかけて
その廊下が霊道のようになっていたのではないかと思います。
(その方向でよく何かを見たので)

たぶん反対側のベランダから出て行っていたので
そこまで強烈な体験はありませんでしたが
何かが溜まりやすい構造の家になっていたら
悲惨な事になっていたのではないかと思います。


人が住まない方が良い家はあると私は思っていますので
少しでも違和感を感じたら
住むのは考え直した方が良いかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?