怖い話　【階段】

これは私が昨年の２月に体験した話です。

その日は会社指定の健診センターで
健康診断を受ける日でした。

土曜日の朝一から予約していたので
早起きして電車で向かいました。

私は極度の方向音痴で
初めていく場所は必ず迷子になってしまうので
少し早めに出ることにしているのですが
結局その日も迷いました。

スマホのナビを使っても迷ってしまうので
近くにいた警備員さんに助けを求めて
なんとか健診センターに辿り着きました。

健診センターのビルは凄く綺麗で
大きなロビーをまっすぐ進むとエレベーターがありました。

エレベーターに近づくと、２基あるうちの１基は工事中でした。
エレベーター前には健康診断の案内の看板があり

『健康診断の受付には左手にある階段の方が早いですよ！！』

と書いてありました。

迷子になってしまったので時間がギリギリだったのと
確かにこの高層ビルにエレベーターが１基しか稼働していなくて
それを２階にある受付に行くためだけに
使用するのは気が引けるなぁと考えた私は
すぐ左手にあった階段を使用する事にしました。

その階段には大きな鉄の扉がついていました。

重たい扉を押して開けた瞬間
異様な空気が漂っている事にすぐ気付きました。

『うわぁ！看板に騙された…！！』

あまりの気持ち悪さに私は思わず心の中でそう叫んでいました。

(気持ち悪いよう…怖いよう…何も出ませんように…)

先程の綺麗な雰囲気とは打って変わって
とても古臭くて薄暗い雰囲気の階段で

私はその時ヒールを履いていたのですが
すぐに走って逃げられるように準備をしながら
恐る恐る階段を上がっていきました。

明らかに１階に何かが居て
私をずーーっと睨んでくる気配を感じていました。
その気配で下から何かが追いかけてくるのではないかと
冷や冷やしながら２階へ上がりました。

結局何も見る事なく無事に到着したのですが
帰りはその階段は使用せずエレベーターで降りました。

私は視覚的に見るというより
頭の中にイメージとして見えるというタイプなのですが

そこには貞子のような女性が居て
男性に対する強い恨みを持っているのを感じました。
私が何も見なかったのは、私が女性だったからだろうなと思います(多分)

---

ここからは余談ですが
今年の２月にもその同じ健診センターで
健康診断を受ける必要がありました。

健康診断を受けた後に友達に会うことがあって
去年体験した話を聞いてもらいました。

(その人は前に記事を書いた友達です↓)

『去年はその健診センターの階段で物凄く怖い思いをしたから、今年はエレベーターを使って回避したんですよ！！』
と謎のドヤ感を出しながら友達に話したら

『…まぁそもそも私なら、扉を開けた時点で引き返すけどね？』

と言われて
その時点でやっと引き返せば良かった事に気付きました😂笑

馬鹿正直に階段上らず引き返したら
あんなに怖い思いをせずにすんだのに…！
と自分のアホさに悲しくなりました😂笑