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夜森蓬
2024年6月1日 20:49
6月になりましたねー。雨の時季ですが、noteを創作したり、インドアを充実させて乗り切りましょう☺️今年2月より連載中の『1番目アタール、アタール・プリジオス』ですが、「連載もう1本」という以外に、特に何の説明もなく始めました。今回少しだけ紹介をさせていただきます。まず、ヘッダーに使っておりますイラストの全体図の掲載とちょったした解説をいたします。まずは、イラストです。ほぼ全
2024年6月13日 21:27
*夜のうちに、レッカスール大寺院のある教区域を抜けて、隣りの教区域ウラブレル村に入った。小さな村だが、霧が薄らぐと、のどかな田園の風景が静寂の中にだんだんと現れる。更に奥へ進んでいくと、山肌に面した切り立った場所に古い教会が見えた。ここまで来れば、即座に身の危険に晒されることもない。聖剣『時空』が懐中時計に変化してしまった為、剣士は仕方なく、聖剣ではない普通の剣を腰に下げ、懐中
2024年6月17日 21:38
*自分の呼吸と鼓動が、どんどん速く激しさを増していく。部屋に駆け込んだ少年は、もうすぐ自分は内側から破裂して弾け飛んでしまうのではないかと思った。導火線が…爆弾へと繋がっている導火線が…刻一刻と短くなっていくような感覚だ。黴のにおいの籠もる白い枕に顔をうずめて、自分を落ち着かせようと深く息を吸い込もうとするが、逆に咳き込む。加えて、声を押し殺そうと幾ら堪えても、嘔吐のように苦し
2024年6月30日 17:21
*静かな夜だった。暗躍する闇の獣を冬の三日月が支配の鎖に繫ぎ、その冷たい光の鞭で、猛る咆哮を鎮めているかのようだ。「アーリェ…!」階段を一段づつ、ふらつきながら降りてくる虚ろな顔の少年が目に入るなり、彼は声をあげた。声のほうに、徐ろに視線を向けた少年は、うっすらと微笑んで、そのまま階下の床に降りた。「…ごめんね、さっきは。驚かせて」かすれた声を発した途端、少年はくらっ