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原タツノリな話

「ダジャレをいうのは、誰じゃー」といいながら満面の笑顔の娘。長男も同じ5歳の頃にダジャレを覚えていたので、これは言語を習得した人類が必ず経験する一種の通過儀礼なのかもしれない。おやつの時に「ほし組さんだっけ?、果汁グミさんだっけ?」という冗談をいってみたら、それは違う!幼稚園はそのグミじゃない!と、ちゃんと突っこんでくれる。こういう甘やかしによって新米パパ達は、ギャグをいうオヤジになっていくのか。

「じゃあ、あとはどんどん電話しまくり千代子でお願いします」と言ってしまったことがある。演歌歌手の島倉千代子と「しまくり」をかけた会心のダジャレであるが、部下の20代女子には伝わっていない。というか元ネタが分からないから、いきなり登場した「千代子」にただ戸惑っているご様子。というか、もはや存在しない千代子さんへの軽いセクハラの空気である。

「よっこいショーイチ」は、どうしても言いたかったので説明してしまった。むかしむかし、戦争が終わった事を知らずに島に残っていた横井庄一さんという方がいたんだよ、それで、ヨッコイショという掛け声にかけて……。思ったより反応はよくなかったな。そういえば、私も新人の頃、マジで?という時に「マジンガー?」という上司に出会ってしまい、毎回リアクションに困った気がする。

その一方で、いまだにラップは若者たちの間で花形の文化である。リズムに乗って早口でちょっと毒が入っていれば、ダジャレであってもオシャレになるのか。上流文化人だって同様に、難解な言葉の中で常に巧いことを言おうとしている。海外のセレブも同様である。彼らはウィットに富んだジョークが大好きだ。ダジャレは偉大だ。何かと何かがくっつく体験をすることが、人間は好きなのである。

それにしても、ダジャレを解説しているときほど、寒い思いをすることはない。いやー寒い。サミーサミー、サミーソーサって言ってしまう方は同世代ですね。「そんな事ないよ」って言った時に、「そんな事ナシゴレン」というワードが思いついているけど、言えない事も告白しておきます。いやはや、WBCの熱狂の中で野球の写真を掲げたくせにダジャレの解説ばかりするなんて、ほんとに朝から腹タツノリな話ですいません。あ、これは「腹が立つ」と、巨人の原辰徳を……。

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