家庭と仕事の両立

このキーワードが聞かれるようになってから久しい。最近は、ワークライフバランスなどどいうのだろうか。
この言葉は、決して対象が女性限定ではないだろうけれど、少なくとも私は女性のスローガンのように感じている。

「両立」の意味合いは、それ以前は家庭内の誰かが「家庭」か「仕事」のどちらか片方を担っていたけれど、一つだけではなくて、うまく折り合いをつけながら、二つの役割を頑張りなさいということなのだろうか。
例えば、「家庭(家庭内労働)」という仕事を担っていた人に、「仕事(家庭外労働)」という役割が増えた。
一人二役をうまくこなすぞ!「両立」が目標なのだ!と育休明けのママたち、あるいは、家事を担う女性たちは頑張るのだろう。

何をもって「両立できた」とするかは人それぞれで、女性でなくても、「家庭と仕事の両立」で悩んでいる方はいるだろう。力を注ぐ割合もそれぞれで良い。

とは言っても、「両立」の仕組みづくりは難しい。
何事も、自分のこととして主体的に考えるのは想像力と根気が要る。自分に関係のないことだ、と人ごとにしてしまうほうが責任から逃れられて楽で、放っておいても誰かがやってくれるだろうな、と思うのが人間心理である。

でも家庭を放っておいたら衛生管理が行き届かないし、生活に困るし、子どもなんて放っておいたら一人では生きていけない。
仕事は誰かに代わりを頼むことはできても、家庭はそうはいかないのである(外注できるケースは除いて)。

「誰のおかげで生活ができていると思ってるんだ!」と豪語する人がいたら、世の中の女性陣には間髪入れずに「私だ!」と胸をはって言ってもらいたい。「パパが働いてくれているから食べていけるのよ」という説得論調には、うんそうだね、と頷きつつ、「私が家事をしているから生活も整うのよ」と突っ込んでもらいたい。

「両立」は私には高すぎる目標だ。達成できる気がしない。
達成困難な目標は、いくら頑張っても疲れるのである。
こんなことを悶々と考えるなんて、我ながら本当に疲れているなあと思う。