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ヒッチコックの眩暈(VERTIGINE HITCHCOCK)という名のポスターの展示を鑑賞する

日本から戻ってきて久しぶりにギャラリーを訪れた。ギャラリーと言っても、普段訪れるような空間ではなく、主に映画にまつわるポスターを展示販売する空間である。8末から新しい展示を始めるギャラリーは珍しく、興味の有無にかかわらず、その展示しか見るものがなかったともいえるが、入ったことのない空間に足を踏み入れる喜びを感じたい欲が高まり、まだ残暑厳しいとある金曜の仕事帰りに、扇風機1つしかないカラフルな空間に汗だくで飛び込んだシマ子であった。


今回の展示のタイトルは「ヒッチコックの眩暈」という。
一応、いつも通り、展示内容の意訳を下にまとめてみたが、今回については必要なかったかもしれない。

※展示内容

50本以上の映画で「スリルの巨匠」の異名をとり、映画界に革命をもたらした英国人監督ヒッチコックへのオマージュとして、国際的なアーティストが制作したオルタナティヴ・ムービー・ポスターのセレクションから彼の代表作を振り返る展覧会。
ヒッチコックの影響は映画だけにとどまらず、あらゆるクリエイティビティの分野(ビデオゲーム、コミック、デザイン、アート、文学、ファッション)に及んでおり、彼が映画で描いたアメリカ社会の綿密で話題性の高い描写を忘れることなく、ポップカルチャーに忘れがたい足跡を残している。

展示会案内より抜粋・意訳

これまでにも何度か触れたが、私は19の頃からフランス映画にハマり、それから四半世紀ほど経った今でも観る映画の8割以上がフランス映画で、その後にスカンジナビアやポーランド、日本やドイツ映画等が続くため、英米映画は中韓ほどではないにせよ観た数が極めて少なく、それゆえ、恥ずかしながら、ヒッチコックの映画で観た&少し覚えているものは「鳥」と「サイコ」しかない。

だから、8末のまだがらんとしたミラノの街中で、水を得た魚のような勢いで細かく説明をしてくれるギャラリーの方に対して、表向きはふんふんと頷いてはいても、心の中では「本当は私、鳥くらいしか知らないんだよね、だから説明されてもよくわからないんだよな。このアーティストの作風が好きとかそうでもないとか、ただぼんやりと見たいだけなんだよな」と少しだけ、この展示を見に行ったことを後悔した。

そんなわけで、2人の中年男性の4つの目が私の一挙手一投足に釘付けなものだから、あまり多くの写真は撮れなかったが、お気に入りのアーティストも増えたので、彼らのHPやインスタと併せて幾つか紹介したいと思う。

※作品紹介① Mark Borgions

ベルギーのフランダース地方在住のイラストレーターの作品
上は「鳥(Melanie)」

展示案内に掲載されていた作品なので、このギャラリーの推しかな、と思い一番最初に載せてみた。気になる方は彼のHPをどうぞ。


※作品紹介② Max Dalton

ベルリン在住のイラストレーター、画家、ミュージシャン、作家として活動する方の作品
「鳥(Skull)」
「サイコ(Mother)」

個人的には雰囲気や色遣いがかなりタイプで、他の作品も追求したいので、早速、いつかベルリンへ行く際の『To do list』に加えてみた。

https://www.instagram.com/maxdaltonillustration/

※作品紹介③ Todd Alcott

ミッドセンチュリーのパルプ・ペーパーバックのカバーやイラストにDavid Bowie、Prince、Bob Dylan、Talking Heads等の名曲の歌詞をレトロフィットすることで人気を博しているイリノイ州出身のグラフィック・アーティストの作品。
「サイコ(Brain)」

ザ・アメリカンで私の趣味とは違うけれど、好きな方も多くいらっしゃると思うので、彼のインスタを下に貼っておこう。

https://www.instagram.com/toddalcott/

※作品紹介④

Utopian Moviesという名でやっているアーティストの作品で、各限定20部の販売。
全て鳥とサイコのシーン。

※作品紹介⑤ Veronica Chessa

画家の父のもとで育ち、父から「魔法のような」世界にどっぷりと浸かったToscana出身のアーティストの作品群。シュルレアリスム的なアプローチで、主に絵画、グラフィック、デジタル・コラージュ作品を手掛けている。

かつてゴスロリファッションにハマっていた方なら間違いなく好きに違いないテイスト。ドールハウスを作られる方も好きかもしれない。つまり、日本では結構ウケそうかな、と個人的には思う。

https://www.instagram.com/veronichessa/


※作品紹介⑥ Joseph Chang

モダニズム・グラフィックとオリエンタル・ミニマリズムを融合させた独特のスタイルで「レトロポップ」文化に合うアートプリント作品を手掛けるアーティストの作品。この方のHPは見つからないので、気になる方は各自で検索ください。

※作品紹介⑦ Adam Simpson

ロンドンの南東部、テムズ川沿いで活動しているアーティスト。日本の美術館での展覧会にも多数参加されているそうなのでご存知の方も多いかもしれませんね。
「三十九夜」


※その他

トトロやゴジラっぽいものなど、日本人に馴染みのある作品も飾られていたので、2枚だけヒッチコックとは関係ない作品群も載せておこう。

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