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Marcel Walldorfというドイツ人アーティストの作品を鑑賞する


ある土曜の夕方、とあるイベント一覧に含まれていたアートギャラリーの最寄り駅からたまたま地下鉄に乗ろうとしていたシマ子は、「しめしめ、まだ時間があるぞ、もう1軒行ってみるか」と梯子酒をするかのように、初めて目にするアートギャラリーのインターホンを押した。
(ちなみに、梯子ギャラリーはしょっちゅうしているが、お酒は年に片手で数えられるほどしか飲まず、梯子酒の経験は一度もない。こうなったら、セカンドネームを梯子ギャラリーにしようか…わかり憎すぎてダメですね…😂)

声が聞こえてくるまで暫く時間がかかったので、「これはもう、ピンポンダッシュかな」と思い始めた頃、少しばかりおかしな発音の女性の声が聞こえてくる。大通りに面していて、ただでさえ騒音が酷いのに、これは聞き取れないな、と思い、3度くらい聞き返して諦め、取り敢えず左側の入口を入った後、適当にエレベーターのボタンを押してみる。間違っていたら階段で降りればよいのだ、そういうアバウトさこそイタリアならではじゃないか、と開き直るシマ子。高い確率で、3階、と聞こえた気がするので、とりあえず3階で降りてみる。しかしそこにはギャラリーらしきドアはなく、下に降りていくと、アフリカ系の女性がドアを開けた。ドアがあるところは2階だったが、彼女は平然とした顔で私を中へ通す。一瞬、「彼女の国でも地上階が1階なのだろうか?それで3階と言ったのだろうか?」という疑問が浮かんだが(イタリアは地上階が0階だ)、そんなことより、様々な梯子日だったシマ子はささっと作品を見て帰りたかったので、挨拶も早々に展示の説明をしてもらった。

David Kroell(1985年、Xanten)とMarcel Walldorf(1983年、Friedberg)による「Capri Sun」を開催。
この展覧会では、太陽が作品の共同制作者となる空間的な探求と、剥製や小便器、曖昧な作品を含むイソピア的なイメージが組み合わされている。ドイツの洗練された観光の目的地である60年代のカプリ島の、その名を冠したジュースのタイトルの盗用や、その誕生にまつわる決まり文句など、不謹慎な流用ゲームの中で、2人のアーティストはユーモアと驚きの間の知覚を研ぎ澄ます独創的なコンセプトを披露する。

展示会案内より

気づきが早い方は既に、あれっ、と思われたかと思う。
展示会案内にはアーティスト名が2つあるじゃないか、と。

そうなのだ、実際には2人のアーティストの作品が展示されていたのだが、David Kroellの作品は、上に塗料か何かが塗られ、光の加減で色調が経年変化する木材の床のみで、撮影すべきものがなかったため、本タイトルはMarcel Walldorfに絞った次第だ。
とはいえ、David Kroellのインスタは見つけたので、それだけ載せておこうと思う。

序でに、「Capri Sun」なるジュースがどのようなものか気になったので、調べてみた。

Capri-Sonne(Capri-Sun)
ドイツの飲料メーカーであるヴィルドが発売している果実飲料。アメリカではCapri-Sunという商品名でクラフト・ハインツから発売されている。
ドイツ語では、Capri-Sonneは「カープリゾネ」と発音するが、日本では販売開始時にカプリソーネという商品名が付され、現在に至っている。
ドイツでは、2017年にアCapri-Sunに商品名が変更された。

特徴
容器に缶や瓶を使用せず、軟質のアルミパックに飲料が充填されている。
飲む際は先のとがったストローで、容器の上半分に表示されている点に突き刺し穴を開けてストローで飲む。
軟質のアルミパックを使用していることから、家庭の冷凍庫で凍らせ、シャーベットとしても食べられる。味は果実ベースである。

日本におけるカプリソーネ
1979年に江崎グリコがヴィルド社とライセンス契約を結び、1980年に近畿地区で販売を開始し、1984年に全国販売された。松田聖子などがCMに起用されたが、1989年に契約を解消し、販売終了となった。
その後、ライセンスは宝酒造に移譲されたが、宝酒造が製造したのは「ビタミンパーラー」など栄養成分を強化した果実飲料「パーラーシリーズ」で、アルミパックを取りやめ、缶やペットボトルが容器に用いられた。

Wikipediaより抜粋

つまり、この説明からすると、1983-4年頃までに生まれた方なら子供の頃にアルミパックタイプを飲んだことがあるものなのかもしれないが、北海道では一度も目にした記憶がなく、またイタリアでも普通のスーパーでは見かけないので、シマ子には完全に初耳・初見の飲み物だと判明した。

では、Marcel Walldorfの作品へ移ろう。
かれは彫刻家だが、動物をモチーフにした作品を多く手掛けているそうで、今回も、陶器に剥製もどき、と様々な動物をモチーフにした作品があった。

作品名: Donatella
まずは陶器の部分を作成し、その一部を壊して、内部に剥製を入れるのだとか。
Donatellaなのでメス犬ですね。
作品名: Jack of spades
作品名: Füchse sind gar keine Rudeltiere(訳: キツネは群れで行動する動物ではない)
3匹くらいいましたが、どれも鼻が可愛くて、くすっとなりました。
もし、梯子酒をした後、かなりの泥酔時にこんなのが小便器にいたら、果たして酔っ払いオヤジたちはどうするのか?どなたか、梯子酒をして泥酔されたことのある方、もしくはそういうご主人をお持ちの方、感想をお聞かせください😆
もう、この色からして、ちょっといやっ🤣
もよおしたものも引いていくのか、それとも酔いがさめるのか、どちらでしょう。。。
こちら、唯一、David Kroellの木材の床に光を当てている鏡です。
向かい側の建物が壁に写って、床より素敵だな、と…とても失礼な発言をするシマ子。でも、本当にその程度だったのだ。

このアフリカ系の女性には、勝手に顔の写真を撮られそうになったり、なんのダンスやってるの、と聞かれたり(レッスン帰りで大きめのリュックをしょっていたのだ)、インスタをフォローするかメールアドレスを教えるか、と2択で迫られるなど、あまり良い印象は受けなかった。
よって今後このギャラリーに行くことはないだろうが(7月から彼女が本格的に仕切るそうだ)、それでも今回の動物の作品にはほほえましさを感じたので、記念にNoteに残しておこうと思う。


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