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ICTの専門指導員に色々聞いてみた


平成29年の新学習指導要領のより、小学校は2020年度からプログラミングの授業が必修になりました。しかし、その学指導要領や資料に、どのようなプログラミングを学習するのかという具体的な内容はありません。
学習指導要領をもとに、各市町村の教育委員会が内容を決定するということになっています。

私の勤務校の市では、「ICT支援員」と「ICT指導員」の先生がいらっしゃる時があります。支援員の先生は、月、火のみ。指導員の先生は、ある一定の2週間。
今回は、指導員の先生に、さまざまなお話を伺うことができたので、ここで紹介します。

ICT支援員とは

まず、「ICT支援員」の仕事内容を文部科学省のHPを参考に見ていきたいと思います。

ICT支援員とは、
「学校における教員のICT活用(例えば、授業、校務、教員研修等の場面)をサポートすることにより、ICTを活用した授業等を教員がスムーズに行うための支援を行う。」
<ICT支援員の具体的な業務>
 ●機器・ソフトウェアの設定や操作、説明
 ●機器等の簡単なメンテナンス
●機器・ソフトウェアや教材等の紹介と活用の助言
●情報モラルに関する教材や事例等の紹介と活用の助言
 ●デジタル教材作成等の支援                等

文部科学省 ICT支援員について

さらに、「課題の発見と解決に向けた子供たちの主体的・協働的な学びを進めて行くためにはICTの活用が重要」とし、
そのために、

・ICTを活用した教育を推進するためには、教職員をサポートするICT支援員が重要な役割を果たす
・ICT環境整備状況や教員のICT活用指導力は自治体ごとに異なっており、自治体の状況に応じてICT支援員に求められる能力も多様化している

文部科学省 ICT支援員について

要するに、
「教職員のサポート」「ハード面の整備等」を行います。

実際、パソコンに詳しい教員は少なく、普段の業務に加えてパソコンの専門知識を身につけることは、なかなか難しい現状にあります。趣味や興味がある方は詳しいのですが、学校に1、2人ではないでしょうか。
 そこで、専門的な知識を持った支援員にサポートしてもらうのです。

私の勤務校では、「ICT支援員」に加え「ICT指導員」が勤務しています。

指導員は、「指導する」のです。
プログラミングの授業をする先生がいらっしゃるという事です。

今回は、私が実際に関わった3年生について詳しく見ていきたいと思います。
1年のうち前期の5時間(45分×5)をプログラミングの授業とします。

5時間の内訳は、

4時間(45分×3)で、「scratch」
1時間は、「情報モラル」

「scratch」では、
「お気に入りのダンサーを作ろう」という目標をたて、
キャラクラーを自分で選んだり、デザインをしていきます。
そして、動きを制御したり、音をつけたりしながら動きをつけていきます。
最後の1時間で、友達のダンサーを動かしたり、感想を書いたりします。

「情報モラル」では、
各学年によってテーマが設定されています。
3年生は、「著作権について」
とても難しいことを、さまざまな動画と共にわかりやすく丁寧に教えていただきました。の先生に詳しく聞きました。

ITC指導員になるきっかけ

勤務校に配置されているICT指導員の先生がどのようにしてITC指導員になられたのか。

教育委員会に行き、直接、「ICT指導員したいのですが、いかがでしょうか??」
と聞きに行ったそうです。

20代から、プログラミングに携わるお仕事を長年され、退職後、
2年ほど他の市でプログラミングの授業をご指導されていたと。
これらのご経験を活かし、ご家族がお世話になった市で何かできないかということで、教育委員会に出向いたそうです。
かつて、PTA会長をなさり教員や自営業の方々とのつながりもたくさんあるということで、貢献したいという想いが強く、直接でむいたといいます。

ITC指導員の仕事の内容

主な仕事の内容を聞いてみました。
主に2つ。

①年間スケジュールを組む


市内5校の小学校全学年の授業、前期5時間、後期5時間を年間スケジュールに入れ込みます。
行事や他のスケジュールに重ならないように隙間に埋めていく必要があります。
プールの季節は、着替えなどでバタバタしますし、
運動会の前、学芸会の前の1ヶ月なども運動会の練習で難しいです。
その他いろいろなことを考慮して、スケジュールを組みます。

5つの小学校✖️6学年✖️クラス数✖️年間2週間が2回

があり、ある程度まとまった2週間も必要です。

様々な学校のいろんなことを考慮して考える必要があるので、これがものすごく大変だそうです。

国語や算数のようにコンスタントにある授業ではなく、突発的に2週間の間に5時間、プログラミングの授業をすることになります。

 例えば、勤務校では7月の学年だよりに
「プログラミングの授業があります」と伝え、
7月のうち1〜4組の各クラス何日の何時間目に何時間行われるのかを伝えます。
「7月14日 3の1 1、2時間目にプログラミングをします」のようにと伝えます。計画通りに実施されることになります。

②授業

各学年の授業を受け持ち、実際に指導します。
教えるためには、準備が必要です。
学年の発達段階に合わせた内容を組み立てます。
教材研究から始まり、資料製作まで一人でこなします。

授業内容は?

私が実際に関わった3年生について詳しく見ていきたいと思います。
1年間のうち前期の5時間(45分×5)のプログラミング授業を行いました。

5時間の内訳は、

4時間(45分×3)で、「scratch」
1時間は、「情報モラル」

「scratch」では、
「お気に入りのダンサーを作ろう」という目標をたて、
キャラクラーを自分で選んだり、デザインをしていきます。
そして、動きを制御したり、音をつけたりしながら動きをつけていきます。
最後の1時間で、友達のダンサーを動かしたり、感想を書いたりします。

「情報モラル」では、各学年によってテーマが設定されています。
3年生は、「著作権について」
とても難しいことを、動画と共に分かりやすく丁寧に教えていただきました。
 高学年は、プログラミングによって実際にロボットを動かすことをするそうです。1人1台のロボットをとなると予算との兼ね合いがあり、
非常に悩んだそうです。


ITC教育指導員を配置するメリット

①教師の負担軽減

私は、これが1番と思いました。
授業を観ている限り、準備と知識の量が膨大です。
それと同等の質を保つために、担任が授業をするとなると負担がものすごく大きい。時間もかかるでしょう。
得意な人に任せた方がいいと思いました。

②専門家から専門的に教えてもらうことができる

専門家であるがゆえ、指導内容のレベルの高さを感じました。
子どもが分からないことに対しては、即座に的確に対応することができます。途中の機材トラブルに対しても冷静な対応。
専門家のよさを感じた瞬間でした。

まとめ

小学校では、担任が全教科を教えるという環境のイメージでした。

 しかし、学習指導要領の改正により、プログラミング、英語をはじめ、さまざまな学習を小学校で必修になっている今、専門家の先生は欠かせません。
担任が、いくら研修で勉強しても時間もかかりますし、負担が大きい。目の前にいる何10年も関わってきた方に知識には到底追いつくことはできません。
担任が、担任の仕事に集中するためにも、
指導員の先生は、欠かせないように思います。
実際に、担任の先生方は非常にありがたがっていらっしゃいます。

1つの事例にすぎませんが、参考にしていただけたらと思います。


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