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ライトノベルの賞に応募する(1)

こんばんは。久しぶりの投稿です。
先月から小説の新人賞チャレンジを始めています。
先月は中編を2作書きました。その2作は公開すると応募できないので、公開できませんでした。
今月狙っているライトノベルの賞は、ウェブ公開していても応募できるので、公開してみようと思います。ライトノベルは小学生の時にティーンズハートという小学生向けの恋愛物のレーベルを読み漁ったくらいで、大人になってからは数えるほどしか読んだことがありません。ライトノベルの定義もわからず、小学校高学年から学生向けということしかわからないので、ライトノベルに当てはまらないかもしれません。小学校高学年からという縛りなので、主人公を小学校五年生の男の子という設定にしました。長い文章を書くのはモチベの持続が必要不可欠ですが、一人で戦っていると、今自分がどこに立っているのかわからなくなる瞬間があります。
なので公開して、ハート古事記をすることで、モチベをつなげたいと思っております。とりあえず最後まで読めたよ、という心優しい方はできればハードル低めにハート押してもらえると、ろうそくの火よりもささやかな、私のモチベが保てますので、ご協力いただけたらと思います。コメントしていただけるとさらに嬉しいです。区切りがいいところまで書きあがったらアップしていこうと思いますので、読んでいただけたら幸いです。
メンタル豆腐以下なので、意地悪しないでください🥲

sederi@eripo.net

コメント欄に残すのは恥ずかしいけど、感想くださる方はメールまでお待ちしております。
それでは第一章開幕です。

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 4時までサッカーの練習をすると、一旦家に帰り、ランドセルを置いて、洗濯機を回してしまう。風呂の湯も張る。サッカーの練習で汚れた衣類をほかの洗濯物と一緒に洗うことはできない。練習が明日もある。それまでに乾燥させなければならない。家計用の財布を持って、ミワのお迎えに行く前に買い物を済ませる。ミワの幼稚園の延長保育までは、5時までである。最長6時まで面倒を見てくれるが、友達が少なくなる一時間はミワにとって苦痛らしい。今日はトイレットペーパーを買わなければならない。野菜売り場から順番に見ていて、今日のメニューを考える。ミワが喜ぶメニューにしないといけないし、父の晩酌を何品か用意しなければならない。自分の体格には少し大きいが、一番座高の低い電動自転車を与えられている。裏にはみわの座席が設置されている。
「今日はハンバーグにしたよ」
とミワに告げた。
ミワは喜んでいる。
人参も玉ねぎも、色がわからないように少量の豆腐も混ぜる。みじん切りにして中に混ぜると違和感なく完食する。ミワと一緒に夕食を取る。食事が終ると、ミワとお風呂場に向かった。明日も朝から幼稚園なのだ。洗濯機に入っていた自分の練習着を出して、みわの制服、部屋着をもう一度選択する。帰宅した両親と祖父の洗濯物をして1日3回の洗濯をする。洗濯している間に終わった洗濯物は即座に物干しをする。ミワはもう一人でパジャマに着替えることができる。1年前におむつも外れた。幼稚園の入園の条件におむつが外れていることがあったので、一緒にトイレに行って、トイレで排泄を済ませることも僕が教えた。玉ねぎと人参をわからないようにみじん切りにしてにハンバーグを仕上げる。みわは幼稚園で今日楽しかった事をしきりに話した。母親のみようようを料理を学んだ。僕は母親の勤務先についている保育所で小学校入学まで過ごした。でも年の離れた妹には幼稚園に行かせたいと母親がしきりにいうので、3歳から幼稚園に通っている。送り迎えは必然的に僕の仕事になった。いつの間にか食事の支度も、洗濯も、妹をお風呂に入れて寝かしつけるのも僕の仕事になった。母親は看護師で、朝も帰りも遅い。父親は不動産の自営業をしているが、大体家で酒を飲んでいる。僕はまだ小学生で、酒やたばこを買いに行っても、コンビニで販売してくれることはない。だからカクヤスで配達を頼んでいる。金銭的に困窮しているわけではないが、家事全般は僕の役目になっている。この生活がいつの間にか当たり前になり、ほかにする人は居ない。認知症がはじまった祖母は、送り迎えのついたデイサービスに通っている。毎日の荷物の準備も僕の仕事だ。徘徊は始まっていないが、同じことを毎日毎日聞いて、全部初耳のように対応するのも骨が折れる。というわけで、ミワと母の僕の食事と、父親のつまみ、祖母の口に合う料理を三食3種類毎日作らなければならない。もう慣れたけど、それでいて母親はあの子と付き合うな、あっちのグループと仲良くしろとかどの権限があって言ってるんだと思う。スクールカーストの上位に居て欲しいくだらない母親の価値観に付き合うのは嫌気がする。中学受験の準備をしろ、サッカーは休むな、ピアノの練習は続けろ。できるだけかなえてやりたいとは思うけど、僕にだって1日に24時間しかない。どう考えても足りないのだ。学校が終るとそのままサッカーの練習に行くけど、4時で帰らなきゃいけないから、練習の後の片付けも、練習後みんなが買い食いしたり遊んだりしてる輪には入らない。入れない。それでもみんなは気の毒そうに許してくれるけど、それで友情関係を作れという方がどうかしてる。サッカーの汚れた衣類を自分で洗濯しているのは、僕だけだと思う。みんな母親が翌日の登校までに揃えてくれてると聞く。自分で洗濯して準備していると言ったら、みんな揃ってぎょっとした顔をしたから、僕はその話をそれからしてい居ない。できるわけがない。妹の迎えに行くことだって、同情のまなざしで見られるくらいなのに。みわを買い物に連れて行くと、いつの間にかいなくなってお菓子売り場であれこれ選んでいる。買ってやらないこともないが、小学生の僕とミワの組み合わせはスーパーの中で目立つ。だから僕はミワを迎えに行く前に買い物を済ませる。トイレットペーパーは前かごに入らなかった。仕方なくハンドルに通しミワを乗せて帰路に帰る。ミワには帰宅したらすぐに風呂に入るように促す。おやつを食べてからとか、見たいテレビがあるとかでスムーズにはいかないが、ミワの服を洗濯してしまわない事には、予定通りに物事が進まない。夕食前にお菓子を食べさせてしまうと夕飯が進まない。そうこうしてるうちに祖母がデイサービスの車に送られて帰宅する。デイサービスではお風呂に入れてくれるので助かる。汚れた衣類の袋を受け取り、それも洗濯機に放り込む。毎日する必要はないかもしれない。でも溜めればあとで辛くなるのは自分だ。洗濯物がでたらすぐに洗濯機を回す。夜に洗濯すると外に干しても乾かない。空き部屋になっている一室、ピアノがある部屋が物干し部屋だ。風を流す大きめの除湿器は常にフル稼働だ。溜まった水も定期的に捨てる。そのままにしておくと、除湿器はその機能を果たさないし、カルキ汚れもつく。ミワは早めに寝かせる。絵本を読むのは毎日の日課だ。両親がしないからと言って、ミワを寂しがらせるわけにはいかない。ミワはテレビを見た後毎日3冊ほどの絵本を手にして、僕のところにやってくる。絵本は定期的にミワの月例に合った本が届く契約をしている。母は僕たちに金銭的に不自由をさせないことが母親の勤めだと思っているらしい。ミワが寝てからがやっと僕の時間だ。と言っても勉強をするか、ピアノを弾くかなのだけど、あまり遅い時間にピアノを弾いては近所の人からも家族からも顰蹙を買う。ミワがテレビを見ている時間にピアノを弾くののもミワにとってはストレスになるだろう。ハノンのアルペジオをゆっくりとしたテンポで優しく弾く。1時間ほど集中してできるだけ小さい音でゆっくりと指を動かす。全部を通して引くと2時間はかかるのだが、一時間で終わりにする。大丈夫。今日も指は動いている。それから勉強だ。学校の勉強は授業中に済ませている。中学受験用の問題集を開いて没頭する。学校の勉強とは違う、中学受験用のテクニックの問題だ。中学受験なんてきっとこれまでにその問題に出会っていて、応用が利くかを試されるテストだ。だから数多くのパターンに触れる必要がある。母親は塾に行くように促すが、塾に行ったらミワの送り迎えは誰がする? 誰がミワの食事を、家族の食事を作る? 洗濯は誰がする? 起きたら翌日の着替えとサッカーのユニフォームが揃っている生活のことを夢見る。算数の問題集に向かいながら僕はそんなことを頭の中で思い描く。中学受験組は学校が終るとそのまま塾に行って帰宅は深夜になるのだという。本気で中学受験に取り組むのならそれをしたって間に合わない。どうせ僕がしてるこの問題集だって、そんな生活をしてる奴らにはかないっこない。気休めのことだってわかってる。それでも僕は母の希望を叶えたいと思う。家庭教師をつけたらどうかとも言われた。その時間ミワはどうする? 僕はミワの生活を守らなきゃいけない。ミワは僕にとって家族から守る対象だ。何があってもミワには普通の幼稚園児をさせてやりたい。この家族に浸食され、僕のような生活を送るミワの姿は見たくない。だから僕はミワのことが第一なのだ。24時を回ると母が帰宅した。大きくため息をつきながら、僕の作った夕食をレンジで温めている。酒に酔った父親が部屋から出てきて、母に小言を言うのが聞こえる。この時間が1日の中で一番つらい。僕は勉強する集中力を欠き机に向かうのをやめた。ベットに潜り込み、父親の声と母親の声を遮るように布団にくるまり、なんとか眠りにつく。父親の声が次第に大きくなるのがわかる。眠りはすぐにはやってこない。父親の怒号と、それに応じて母の声も大きくなる。それでも僕は明日6時には起きて、ミワのお弁当と皆の朝食を作らなければならない。父親と母親には顔を合わせたくない。だから僕はこの時間になるまでにすべての用事を済ませ、部屋から一歩も出ないようにしている。いつものこと、いつものこと。僕は自分に言い聞かせてなんとか眠りについた。


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