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まったりウィーケン ~平松愛理さんの『素敵なルネッサンス』~

「応募する」の音楽枠に「はじめて買ったCD」というお題がある。

既にタイトルに書いてしまっているが、実は私がはじめて買ったCDは平松愛理さんの『素敵なルネッサンス』という曲である。

しかも、計画的にこのCDを選んだというより、偶然、この1枚になった、、、というご縁に導かれたような1枚でもある。

皆さん、この愛理姐さんのこと、ご存じであろうか?
あの『部屋とYシャツと私』の姐さんであると書けば、分かりやすいかもしれない。

因みに、上に「実は」と書いたが、何が「実は」なのかと言うと、これまで特に平松愛理さんの話も書いておらず、それどころか邦楽の話も特に書いてこなかった。

やれ小学校2年生の頃からブルース・ブラザーズが好きだとか、ジャズがどうしたとか、R&Bがどうしたとか書いてきたが、「はじめて買ったCD」がこれまで書いてきた「好きな音楽」系の記事とあまり関連性がない。

というわけで、いきなり意外なアーティストの名前を出したがゆえの「実は」である、、、わけだが、ヒマつぶしに私の記事に遊びに来ていただいている各位は、およそそんな細かいことは気にしておられないだろうということも知りつつ、こういったことをイチイチ書かずにいられないという、こちらはなかなかに面倒な性分なのである。


私の家にCD・ラジオ・カセットテープを聴くことができる「CDラジカセ」なる文明の利器が導入されたのは、確か私が小学校6年生くらいのときであったと思う。

私が洋楽のCDを買い始めたのは、中学生のときからであり、中学・高校時代は、海外に対するぼんやりとした憧れみたいな感情も出てきて、洋楽を多く聴いていた。

だが、小学生のときに初めてお小遣いでCDを買うと決めたとき、何と言うか、クラスメートが誰も知らないようなマニアックな曲を買うと、とても恥ずかしいという気持ちになったのを覚えている。

その頃、周りで「ウチもCDラジカセ買ったぞ」みたいなことを言い始める友達がだんだんと増えてきて、それがステータスみたいになってきたのだが、我が家のCDラジカセ登場はかなり遅れを取っており、子どもだった私は友達の間で焦り始めた。

「オレはブルーハーツ『リンダリンダ』のCD買った」とか「オレなんか『BUST WASTE HIP(バスト・ウエスト・ヒップ)』のアルバム買ったぞ。キューティーパイかっけえ」なんて、周りの友達は誰もが知ってるような曲のCDを買ったことを自慢する中、私は「オレだって、そのうちCDラジカセ買ってもらって、〇〇のCDとか、△△のCDとか買うつもりだぞ」とか必死に応戦していたのを覚えている。

そんな環境の中で、ついに「涙のCDラジカセ」が我が家にも導入されたときは、「時は満ちた! オレもついに誰もが知っている曲のCDを買ったことを周りに報告(自慢)せねば!」と既に「よい曲を聴きたい」よりも「スクールカーストの恐怖に脅かされる日々から抜け出したい」という気持ちが勝っていた。

これが逆に「周りが日本のポップミュージックとか聴いてる中、英語の歌とか聴いてるオレってちょっとカッコいいの? ねえ、どうなの?」みたいなチャラい気持ちが出始めるのは、思春期を迎えるわずか2年後あたりである。

「正しくCDを買って、クイーンビーを射止めようぜ」なイラスト


いよいよ「CD買いデビュー」となるわけだが、さて何のCDを買おう?

その頃はちょうど、あの「カンチ!」の『東京ラブストーリー』が大ヒットしていたときであり、子どもだった私もすっかり鈴木保奈美さん演じる赤名リカの可愛さにハートを奪われた(保奈美さんは夢にまで出て来てくれた!)

(話が通じない恐れがあるが、その直前までは『予備校ブギ』渡辺満里奈さんにハートを奪われていたばかりである。いつも誰かのもとにハートが行ってしまい、手元にハートが有った試しがない。もちろん今もだぜ、へへへ)

間もなく本格的な思春期を迎えることとなる私や友達の多くも『東京ラブストーリー』を毎週観ており、私は家では少し照れながらも母や姉の後ろからコッソリと「オレはあなた達ほど興味はありませんがねぇ」みたいな雰囲気を醸し出しながら、興味深々で観ていた(親父は自営業で、運よく?その時間帯はあまり家にいなかった)。

そんなこんなで、私の初CDは小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』(※ 『東京ラブストーリー』のオープニング・テーマ曲)に決まった。

これだと友達にも自慢できるし、何か母にも「よし! お主は良い買い物をした!」と褒めてもらえそうな気もしたのである。

いざ、レコードショップへ !


、、、

しかし!

浅はかにもクラスにおける上位ランキング入りを目指す私は、ここで世の中の厳しさを思い知らされることになるのである!

上記のとおり、
小学生のときにスキだったのが、渡辺満里奈さんと鈴木保奈美さん。
高校生のときは、ずっと森高千里さん。
中学生のときが、、、不思議と覚えていない。。。

実は、買う気満々でいた『ラブ・ストーリーは突然に』のCDなのだが、、、

、、、人気があり過ぎて品切れ状態だった!

これはかなりショックであった。

確かお店の人に、地元のCDショップではだいたい売り切れ状態であるような説明を受けた(発売直後の『ドラゴンクエスト』シリーズとか、『SLAMDUNK』のコミックみたいなものである)。

しばし放心状態の私であったが、初CDを買いたいテンションが上がり過ぎていたので「手ぶらで帰宅」というのも悲しすぎる、、、と、ふと俯いた先に目に入ったのが、、、

(やっとここで、本記事のタイトル)

平松愛理さんの『素敵なルネッサンス』!


この曲は、フジテレビ系の『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』という人気バラエティ番組のエンディングテーマともなっていた(※ この番組も当時クラスでかなり人気があった)。

そこで、私の脳内で安易に浮かんだのが「ウンナンのやるやらも人気番組。これのエンディングテーマなら、何とか一応『箔が付く』かも!」、、、という愛理姐さんとそのファン各位には全くもって失礼なシナリオである。

そんな不埒な理由で同CDを購入し、帰宅するや否や、『ラブ・ストーリーは突然に』を買えなかった気恥ずかしさみたいなのを母や姉に弁解しつつ、「『素敵なルネッサンス』歌ってる人も、きっと素敵な姐さんっす!」(ちょっと厳しい ^^;)みたいなことも言ったか言わずか、いよいよ私の初CDをプレイ!

言わば本当に偶然に買ったCDであり、「オレのラブ・ストーリーがぁ。。。」と少しガッカリした気分の私の耳にイントロが流れた。。。

しかし、愛理姐さんの歌い始め直前の「ダッダ ダンダン♬」というリズムを聴いた瞬間、素直に「アレ? 何か、、、このCD買って良かったかも、、、」と感じたのを覚えている。

ありがたいことに、Youtubeに平松愛理さんのオフィシャルのチャンネルがあるので、とりあえず『素敵なルネッサンス』を貼る。


私のテンションが上がった「ダッダ ダンダン♬」は8秒あたりである。

この曲、ちょっと切ない感情を元気に振り切るような世界観を歌い上げており、私は「いい曲」だと思う。

結局、2枚目のCDとして本命の『ラブ・ストーリーは突然に』を買った後も、何だかんだで気に入って、このCDも結構何回も聴くこととなった。

この偶然の出会いがなければ、恐らく自分の中で平松愛理さんのインパクトもさほど大きくなく、「あー、あのYシャツの歌の人ね」くらいで終わっていたかもしれない。

ただし、この一件により、その後も私は愛理さんのことが結構気になっており、ラジオでたまに愛理さんの新曲を聴くと「頑張って~!」みたいに応援する気持ちが芽生えたり、もちろん『部屋とYシャツと私』がヒットしたときは嬉しかった。

愛理さんはシンガーソングライターでもあり、「毒入りスープ」の歌詞とか、音楽的な面が取り上げられがちだが、気付けば、なかなかの、、、というかかなりの美人でもあるように思う(なぜか10代の頃、この方のルックス的な面にあまり目がいかなかったのは不思議)。

顔も何となく「ぽわ~ん」と呑気そうな表情であり、歌声も緩~い、全体的に実に「まったり姐さん」という印象で、正に私にとって「素敵な姐さんっす」なのである(「毒入りスープ」と「まったり」が両立するかはさて置き^^;)。

『素敵なルネッサンス』がきっかけで、その後も愛理姐さんのCDは何枚か買った。

『部屋とYシャツと私』だけの姐さんではないことを知っていただきたく、私の特に好きな2曲をオフィシャルのチャンネルからご紹介する。


『マイセレナーデ』

ラテン調のノリのいい曲で、体を揺らされる。

サビの部分で出てくる「タンタン! タンタンタン!」という「2・3」のクラップも心地よい。

JPOP系のライブとラテン系のコンサートに呼ばれたときなどで、「2・3」と「3・2」のリズムを使い分けているみたいな裏話がyoutubeの愛理さんチャンネルで語られていて、カッコいい!と思った。

全体的に好きで、サビの部分も好きだが、特に「あこがれジャラジャラ  ネックレスみたいに」という歌詞が粋な感じがして好きである。
あと3分26秒あたりからの「ドゥブドゥブドゥブ」の部分も好きである。


『君にしとけば良かったなんて』

この曲、『素敵なルネッサンス』のB面曲である。

どうせなら、ほかの1枚から紹介したかったのだが、この地味にも思える曲がとても好きなのである。

この曲、正に「まったり姐さん」である愛理さんの「まったりの極致」みたいな曲であり、実に癒されるのである。

詩の内容は、昔好きだった男性が彼女と別れ、「君にしとけば良かった~」なんて言ってるけど、その言い方ってちょっと失礼じゃないの?プンプン!おこだよ! みたいな感じで始まるが、だんだんとからかうような心境に変わってきて、、、みたいな話である。

最後の方に出てくる「私は浮かぶ島のままで 高い波 ここへ泳ぎ着くあなたを待ってる」という歌詞が大好きである。
私もこんな詩を書けるようになりたい。


上にご紹介したyoutubeの"SLOWROOM"という平松愛理さんのチャンネルに歌う愛理さんだけでなく、喋る愛理さんがいる。

愛理姐さん、間もなく60歳になるのか。
今も何かカワイイ ^^;  デレデレ
(たまにキャラが広瀬香美さんっぽくなるが)

さて、今回は「はじめて買ったCD」への応募記事として平松愛理さんの魅力をご紹介した。

全くの偶然によって、初めての1枚となった『素敵なルネッサンス』

「あの日 あのとき あの場所で 君に会えなかったら、、、」
おっ! ここでついに『ラブ・ストーリーは突然に』が降ってきた!

「偶然は計画されたものである」みたいな、私が以前記事に書いたような要素も含んだ話かもしれない。

もし本記事を読まれた方の中に、意図的にでも偶然にでも「あっ! 私も『素敵なルネッサンス』が初めての1枚です!」という方がおられたら、実に面白い。

そのような方が本記事に辿り着いたとすれば、それはもはや「計画的な偶然(プランド・ハップンスタンス)」(※ 私の好きな言葉 ^^;)である。

(完)


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