【創作の中毒×中毒の創作(4)】

この時、
「ビビビビビ」
 診察室のガラスにヒビが入った。
 ――精神科の病室から見えていた、青山霊園の景色も、粉々になった。 

「来たか」
 マッドサイエンティストの医師は、ニヤニヤ笑っている。

「来たって、何です? 何が来たんです?」
 俺は聞いた。 

「ノロイノロノロ、ノロノロノロイ」
 医師は、呪文のようなものを唱えた。

 すると壁から、ぬるぬるした人間の頭部が現れた。
 そのスキンヘッドの人間らしきものは、頭からつま先まで、身体全体を白塗りしている。

「ボトリ」
 白い人間らしきものは、病室の床に落ちた。

 そして、ナメクジのような動きをしながら、医師の隣に置かれたグロい人体模型のところに近づいていった。

(げ)
 俺は、言葉を失っている。

 すぐにでも、立ち去るべきだったのだが、あまりに異様な光景に、うまく反応することできなかった。

   



 


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?