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初めて詠んだ短歌

見上げれば パステルカラーの 朝の空
  わたしも淡い 色になりゆく


読むばかりで、作ろうとは思わなかった短歌を
詠むようになったのは、いくつかのきっかけが
あります。

最初のきっかけは、前に勤めていた会社の
同期の女性。
私たちは出版社で働いていて、
彼女の旦那様は角川書店でした。
同時期に会社を早期退職した私たちは
時間に余裕があるようになり、
彼女はお茶を始めました。
お茶の先生は、短歌の雑誌で編集長を
務めた人だと聞いていました。

去年の秋頃、喫茶店でお喋りをしていたとき、
彼女が
「三好もお茶を一緒に習わない?」
と、ふと思いついたように言いました。
私は、お茶は礼儀作法の面でハードルが高く、
「お茶よりも、短歌を勉強してみたいな」
と、言いました。
彼女のお茶の先生が、短歌のプロという連想から
出た言葉でした。
「時々、始めてみようかと思うのだけど、
短歌って結社があるじゃないですか。
どの結社に入ればいいのか、皆目見当がつかなくて」
私がそういうと、彼女はそれじゃあ今度のお茶の時
先生に少し聞いてみてあげるよ、と言ってくれました。


その日、彼女と別れてから私は
(さぁ、とうとう言ってしまったぞ)
と思いました。

たびたび気になってはいたものの、
どこか及び腰になって手を出さずにいたものを
とうとう口にしてしまったぞ、と。

彼女は早速、旦那様に話しをしてくれて、
「確かにどんな短歌が好きかで、結社も違うみたい。
三好は歌人で言ったら誰が好きなの?」
とLINEをくれました。
好きな歌人は式子内親王で、と言ったら、
そこまで(遡る)かぁ。現代短歌では?と更に聞かれ
現代短歌をほぼ知らないことに気づきました。
現代短歌は俵万智さんと河野裕子さんくらいしか
名前を知らないのです。
あとはエッセイで穂村弘さんをおみかけするぐらい。

現代短歌を知らないといけないなぁ、と思いました。


そうして、ポツポツと今の歌人の歌を読むようになったある朝。
犬の散歩に出た時、空を見上げると、
そこには淡いパステルカラーの
やさしい空が広がっていました。

それを何気なく、Facebookで、短歌にして
呟きました。


見上げれば パステルカラーの 朝の空
  わたしも淡い 色になりゆく


すると、友人二人が、私の歌から想いが広がった、と
それぞれ短歌を詠んでくれて、
それが素敵な連歌になっていました。

あぁ、短歌って楽しいな。

そう思ったのが、私が短歌を始めたきっかけでした。

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