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畑という小さな世界で全てを循環させる「自然農法」

ずっと都会で暮らしてきたので、野菜はスーパーか八百屋さんで買うのが普通。キュウリもナスも小松菜も、みんな同じ大きさできれいにビニール袋に入れられて、お行儀よく並んでいる。価格も変動はするけど概ね安く、1パック100円~200円が私の中では平均値。野菜売り場の一角に「有機野菜(オーガニック)コーナー」がある店もあり、こちらの野菜はお値段が2倍~3倍。品数は少なめだし、売れないせいか鮮度も悪そうで葉がシナシナ。そもそも「有機野菜」ってホントに有機だけで育てているのか、ちゃんとチェックしてるの? 言ったもん勝ちなんじゃないの?

そんな猜疑心で殆ど「オーガニックコーナー」のお高い野菜を買う事はなかった私。今回、記事を書くに当たりちょっと調べていたら、やはり怪しい。そもそも「有機認定マーク」をつけて良いか許可する団体が64団体もあり、その中で違反したことがない団体は数件のみ。アメリカやヨーロッパの認定システムに比べると日本は全くお粗末で信頼性も低いのが現状。にもかかわらず、今日も有機でもない有機野菜に高いお金を払っている人がいるかと思うと気の毒というか、何というか。居た堪れない。

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そんな私がひょんな事から長野に移住し、4枚の畑で野菜を作る事になりまして。自分で食べるなら安心安全な野菜を作りたいと思いますよね。どうせやるなら「自然農法」でやりたいと思い、連日連夜YouTubeで自然農法を行っている諸先輩方の動画で勉強、そして実践。ここで少し曖昧な自然農法と有機農法、オーガニック、無農薬農法などの違いを簡単にご説明します。

①有機農法(オーガニック)

化学肥料は使わず、有機肥料(牛糞、鶏糞など)を使う。JAS規格においては、農薬を使わず2年以上経過した土地であることなど、様々な規定があるが、この検査が怪しい。科学的に合成された農薬は禁止だが、全ての農薬が禁止という訳ではないらしい。

②無農薬農法・減農薬農法

その名の通り、農薬を使わない農法。ただし、認定機関もなく、土壌に農薬が残っていたり、隣の畑から飛んできたりする為、現在は「無農薬」という表記は禁止されているらしい。同じく、減農薬農法についても認定機関がなく、実際に使われている農薬の量や成分が分からないので、「減農薬」という表記も禁止。肥料については何でもあり。

③自然農法

農薬、肥料を与えず、自然の力だけで栽培する。除草、駆虫はしない。人によって細かい部分が違うが、可能な限り自然に育てるという点は共通。

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自然農法は人によって少し違いはありますが、畑の中だけで全てを循環させる農法で、「持ち込まない、持ち出さない」が基本です。畑の外から肥料や農薬を持ち込んだり、畑に生えた雑草を捨てたりしないという事。ただ、収穫をすれば「持ち出す」ことになる訳で、その分を「補い」と言って畑で取った雑草を発酵させて作った「ぼかし(肥料)」等で土の栄養分を補ったりします。爆発的な栄養を与えないので、作物の育ちは遅く、虫も付きます。肥料代や殺虫剤、除草剤を使わない分、経費は安くなりますが、その分、手間が掛かります。作物もなかなか形よく、同じ大きさにはならないと思いますが、それでも「自然農法の野菜」は需要が高く、店頭に並ばず、農家さんから直接販売されているようです。

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私は営農と言うより、自分と当店にいらしたお客様に食べていただく分が作れれば良いので、収穫量が少なくても、形が悪くても、安全安心で自然に育った野菜を作りたいと思っています。もしも食べきれない程、収穫できたら、みんなに分けるか、店頭で販売するかです。消費者にとっては結局、どうやって育った野菜なのか、店頭で見ただけでは確認のしようがありません。なので、うちの畑でどんな風に野菜が育っているか、こまめにネットでアップしていきたいと思っています。「クラシコの野菜」を食べて頂ける日が来るのが、今から楽しみです。


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