Clara

claraは、「光」という意味です。車椅子ユーザーですが、車椅子ダンサーではありません…

Clara

claraは、「光」という意味です。車椅子ユーザーですが、車椅子ダンサーではありません。衣装の下に12個の補装具を着けて、踊りたいから踊ります。「足こぎ車いす」とともにどこへでも、ひとりで行きます。『note』記事は、テーマごとに「マガジン」の形にもなっています。

マガジン

  • 車椅子から立ち上がって

    「COGY(足こぎ車いす)」が増やしてくれた脚力で「行けるはずがなかった場所」へ行ってみようと決め、「これが最後かも」とおもいつつ、意外にも多くの場所へ歩み入っています。

  • テレビ番組のための対話

    2020年にテレビ放映されたドキュメンタリーに関する記録をまとめます。番号のついた記事は⑮まで続く予定です。

  • COGY(足こぎ車いす)

    「COGY(足こぎ車いす)」関連の記事をまとめました。

最近の記事

龍門

【記録◆2024年9月4日】  大和盆地から南東を眺めたとき、空と接しているのは竜門山地の山々。  最も高いのは『龍門岳(904.1m)』ですが、見えているのは、その手前の「熊ヶ岳(904m)」でしょうか。  コルクボード(高さ90cm幅60cm)の枠内におさめるため、大きな地図の余白を後ろに折り込んで、奈良県全域を見渡しています。  行った所に差していく透明な丸ピンは、光が入ると輝いて、各地に小さな灯が点っているよう。  本日の行き先は『龍門岳』ですが、ピンの無い所を

    • 龍と桜実

      【記録◆2024年8月28日】  大和盆地から東の山々が近く見える日には、 「三輪山の山肌を、指先で撫でられそう……」とおもいます。  そんな日に、三輪山の正面を通ると、円錐形となる山稜を見分けなくてはなりません。それが、多くの稜線に紛れてしまうため。 「奥大和に続く道」を進んで南側へ入っていくと、手前の低い山頂に視界が占められ、「どれが三輪山だったか」と迷うときもあるのです。  きょうも、そんな日でした。 『大神神社の拝殿正面には、ご神体である三輪山の山頂がない』と

      • 八ツ房杉の臥龍

        【記録◆2024年8月16日】  奥大和へ行くときは常に、複数の行き先を考えておきます。落石や崩土で通行止めになった場合には、違う道を通って別の場所へ行けるよう。  この日も、出かける間際に行き先を変えました。  当日の朝、「昼すぎから雷雨」と予報が出たため。 ◇『櫻實(さくらみ)神社』の八ツ房杉◇  行き先がナビに入力できないから、道の先に現れるバス停の名を見ながら南へ進みました。バス停の標識に「桜実神社」とあれば、そこで右折です。  桜の意匠が可愛らしいので、「

        • 流れ着いた先で

          【記録◆2024年7月29日】②  本日の行き先として考えていたのは、『仏の小屋瀧』。  ふだんは水量が少ない、という情報があったため、目的は観瀑ではなく、地図では判りづらい場所を確かめることでした。  また、『伐った樹に道を塞がれ、瀧まで行けない』という情報は現在でも変わらないのか、そこまで行って見ておこうと考えもしたのです。  通れるようになっていたら、水量の多い日に再び訪えば良いので。  先に別の滝へ行ったのは、『仏の小屋瀧』に水がない場合にも、きょうを「瀧で過

        マガジン

        • 車椅子から立ち上がって
          99本
        • テレビ番組のための対話
          8本
        • COGY(足こぎ車いす)
          31本

        記事

          択びつつ進む

          【記録◆2024年7月29日】①  宇陀市には、「青葉瀧」と「青葉の瀧」という似た名の滝があります。  月初めに行った『青葉(あおば)神社』の『青葉瀧(あおばたき)』は、以下の記事。  本日の行き先は、『青葉寺(せいようじ)』の『青葉の瀧』です。  10代の頃、『敦盛の最期』という話が教科書に載っていて、そのときに、『青葉の笛』という歌を覚えました。数え年17歳の若武者が持っていた笛は「青葉の瀧」近くの藪にあった竹で作られた、と言われているそうです。  気温の高い日

          択びつつ進む

          杖で歩いた先に

          【記録◆2024年7月17日】  遠くへ行く予定でしたが、家を出る1時間前、ふと気になって道路状況を調べると、そちらへ走らないほうがいいと分かりました。  滝へ行くなら、渇水期ではないほうがいいけれど、水量が多い時期には、崩土、落石、倒木で道が塞がる可能性もあるから、慎重に判断します。  先天性の身体障害が進行した先に、おもいがけない贈り物がありました。 「COGY(足こぎ車いす)」が、立ち上がって受け取る力をくれたから、 『マガジン:車椅子から立ち上がって』の記事数

          杖で歩いた先に

          流れゆく水

          【記録◆2024年7月5日】②  当初の目的地へ向かう前、ふとおもいついて『龍王ヶ渕』に寄ったため、「行く予定ではなかった瀧が道中に現れるかも」と感じました。  宇陀市の北方には初めて行くので、幾通りもある道筋はわかりません。  ナビに行き先を入力して進みます。  とはいえ、わたしの行きたい所はたいてい入力できません(行った先には携帯の電波が届かないことも多い)。  今回は、近くの公共施設を目印にしました。  通ったことのない道を進んでいると、「右を見たほうがよい」と

          天を映す水

          【記録◆2024年7月5日】① 「晴耕雨読」という言葉があるけれど、大和盆地に住みはじめた頃には、 「70頭の乳牛とともに在る毎日は農繁期」で、休みの日はなく、 「田植えと稲刈りの時期は、超農繁期」で、休み時間はありませんでした。  過去に書いたとおり、自由時間は日に15分。その15分間で荷を仕分け、「命を未来に運ぶ力」を取り返していったのです。  自分の分が無いのは、残らず奪われているということなので。  当時、似た立場の女性が、「次の世代には少しでも軽くして渡したい

          千杉白龍大神

          【記録◆2024年6月25日】② ◇千杉白龍社(ちさんはくりゅうしゃ)◇ 「雨の日にも行きやすい場所」として、こちらを先に考えていました。  地図を見て、『龍王ヶ渕』にも同じ日に行けそう、とおもったのです。  近くの郵便局の電話番号をナビに入れ、次は、「信号」を目印にします。 「山奥のハイウェイ(信号の少ない国道や県道)」では、「点滅信号の先」といった情報が貴重。 「かみさま、撮らせていただきます」と、お願いをしました。  入ってはいけない神域には入りません。  古

          千杉白龍大神

          龍宮

          【記録◆2024年6月25日】①  梅雨の晴れ間には、「他の時期だと、ひとの多い場所」へ行きます。  そういった場所は、ひとの多い季節が最も美しいのでしょうけれど。  美しい所へ続く道は一車線であることが多く、対向車とすれ違えません。  待避所に差し掛かると同時に、曲がり角の向こうから対向車が現れたら、「わたしは運がいい……っ」と、いちいち快哉を叫ぶのです。  かつては、「神さまに呼ばれないと行けない」と言われた多くの場所が、現在は新しい道によって、近くまでは行きやすい

          水辺の小径

          【記録◆2024年6月12日】  雨があがると、大和盆地を取り巻く雲が現れて、山の麓だけを隠します。まるで、大きな白い龍が、平野部との境に身を横たえているよう。  地の龍は、三輪山が頭、龍王山が胴体、桃尾の瀧が尾で、天川に眼差しを向けているから、陰陽のように白い龍は寄り添っているのかもしれません。  ひとの眼差しも遠い山稜に一瞬で着くのに、晴れた日でも、山中に入ると行き先を見失うことがあります。  盆地から見えている所へ行くには、いったん大阪側に出なくてはならないと知

          水が流れる白瀧

          【記録◆2024年6月4日】② 『黒瀬瀧』からの帰り、『白瀧』に寄ってみました。  前回には、「水が無い……っ」と叫んだ所です。  車から出る前に滝音が聴こえてきたけれど、 「目で見るまでは期待を持たない」と呟きました。 『白瀧』の正面に架かる橋まで歩くと、すぐ水の流れが目に入り、わたしは踊り出しそうになるほど大喜び。  前に来たときは雨が続いた後だったのに、流れる水が無かったのです。  今回は晴れ続きだった気がするけれど、そういえば大和盆地でも前々日に激しい雨音がい

          水が流れる白瀧

          南へ向かう道

          【記録◆2024年6月4日】① 『川上村』に立ち寄ると、最初の店も、次の店も、「臨時休業」でした。  南へ向かう道が、春から通行止めになっているためでしょうか。  先月、『大台ヶ原』へ行く途中で車を止められ、「通り抜けできません。どちらまで行かれますか?」と訊かれ、「大台ヶ原なら、大丈夫です」と、教えていただいたのでした。  その先へ行けないのなら、『前鬼川』にも『不動七重の瀧』にも、いまは行けないのでしょう。  それらの手前の『深瀬瀧』には、行ったことがありません。

          南へ向かう道

          龍王の神域

          【記録◆2024年5月21日】  春には3万本の桜に覆われる『吉野山』の傍で、『高瀧(たかたき)』に近づいていくと、「不動明王」が彫られているのかとおもった古い石碑に、「八代龍王」と文字が彫られていました。 「八大龍王」ではなく「八代龍王」だったため、帰宅後に違いを調べると、 「大和盆地」を斜めに横切った北西の方に、「八代龍王大神」を祭神とする『八代龍王 神感寺』があると判りました。 「代」なのは、ここだけ。  神示で授けられた文字を使っているそうです。  車と徒歩で

          空よりも高い所

          【記録◆2024年5月9日】 「空が目の高さにある……」と、声に出しました。  それから、「空が、目の高さより下にある……」と。  近畿で最も高い所を通る『大台ヶ原ドライブウェイ』で。 (最初の写真は、帰りに撮った最後の1枚です。「行き着くこと」に体力を充てるため、「帰りに余力があれば撮る」と決めています。)  植生の豊かさに驚きました。  いつもだと、「山奥のハイウェイ(信号も対向車もない道)」と名づけた道路を走り、「秘境」と名づけた山懐に入り込んでも、立ち並んでい

          空よりも高い所

          岩神

          【記録◆2024年5月1日】②  ようやく、当初の目的地に着きました。  ここに来るつもりで家を出たのでした。  見えている部分が約14mで、その後ろは22m30cmの高さがあるそうです。 (段瀑でも、滝壺まで近づくと上段が見えなくなります。) 「神が岩を押し分けて出てきた」とされる亀裂が裏側にある、とのこと。  記紀には、この国つ神に尾があった、と記されています。このあたりも、ここより上流でも、「尾のある神々」の名が地名となっています。  ふと思い出しました。わ