流れゆく水
【記録◆2024年7月5日】②
当初の目的地へ向かう前、ふとおもいついて『龍王ヶ渕』に寄ったため、「行く予定ではなかった瀧が道中に現れるかも」と感じました。
宇陀市の北方には初めて行くので、幾通りもある道筋はわかりません。
ナビに行き先を入力して進みます。
とはいえ、わたしの行きたい所はたいてい入力できません(行った先には携帯の電波が届かないことも多い)。
今回は、近くの公共施設を目印にしました。
通ったことのない道を進んでいると、「右を見たほうがよい」という気がしました。フェンスに囲まれた広場が、後方へ流れていきます。
二車線の県道ですが、後続車も対向車も無いので、車を戻しました。
駐車場所は無いという情報を得ていたのに、広場入り口には車止めの跡が残っているだけで、そのまま入って行けます。
突き当りの鳥居の下は、きっと瀧でしょう。
「滝見広場」に車止めが設けられたのは、狼藉を防ぐためだったはず。
新しい鳥居が、その代わりになっているのでしょうか。
人間が居る所を流れる川は穢れを負っています。
(源流の地を守ろうとするひとびとが住む流域は、清らかですが。)
便利な道の近くだと、よそ者が穢れを投げ込むのです。
そういう場所に、五感を閉じて近づきたいとはおもいません。
けれども、梅雨の晴れ間だから、「大雨が洗い流したかも」というふうに考えてはいました。
そのとおり、『笠間川』にかかる瀧は、ただ美しいだけでした。
◇◇青葉神社(あおばじんじゃ)の青葉瀧(あおばたき)◇◇
『宇陀川』の近くには「青葉寺(せいようじ)の青葉の瀧」があるけれど、本日は「滝行体験」の日らしいので、そちらには行きませんでした。
(お寺で滝行というのが、実に日本らしい混じり合い方。)
最初から決めていた目的地『青葉瀧』は、『青葉神社』の奥にあります。
この神社の御祭神は、調べても判りません。
施錠された拝殿の向こうには階段が見えるだけ。
瀧のほうへ上りながら振り返ると、山の高い所に鮮やかな社があります。
境内にもふたつ、鮮やかな祠があるけれど、そちらの御祭神も不明。
どちらも明るく可愛らしいので、迷わず手を合わせました。
「こういう灯篭を、大和盆地を挟んで反対側にある『稲蔵神社』でも見た」と感じました。車で90分かかる距離でも、想いは瞬時に飛べます。
水量が少ない滝だというので、梅雨の晴れ間を待っていたのです。
足が置ける所を杖先で探りつつ、流れの中の砂地に下りました。
対岸の近くまで行けそうです。
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