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GOOGLEアナリティクス 分析・改善 11

5-2 ページより大きい単位でユーザー行動を可視化する

ECサイトのように商品ページがたくさんあるサイトや、宿予約サイトでエリアごとに一覧ページが存在するなど、役割は一緒だけどURLが違うケースもあります。この時に商品詳細の合計数値をみようとすると、毎回集計するために面倒になります。そこで複数ページをグルーピングして見る方法を紹介します。

ケース1
ディレクトリごとにコンテンツやページ群が分かれているときに、ページ単位ではなくディレクトリ単位で見たいというニーズがあるのではないでしょうか。ページレポートで絞りこみ機能を使って調べることも可能ですが、毎回作成するのは手間がかかります。

ディレクトリごとに基本指標を確認する方法

左のメニューから「行動→サイトコンテンツ→ディレクトリ」をクリックしてレポートを開くとディレクトリごとに集計された値を見ることができます。本レポートではページレポートと違い、表示される列は「ページビュー数」「ページ別訪問数」「平均ページ滞在時間」「直帰率」「離脱率」になります。そのほかの指標も見たい場合は、カスタムレポートを利用する必要があります。

デフォルトで表示されるのが「第一階層」になります。レポート内の第一階層をクリックすると、その中の「第二階層」を見ることができます。URLで見れば、ディレクトリはスラッシュで区切られていることがわかります。
http://test.com/content/2017/03/social.html

ケース2
URLがパラメータで分かれている場合です。例えば一覧ページの表示形式が3種類あり、それぞれURLのパラメータが違うとしましょう。
このようなケースの場合、ページのレポートではそれぞれ別のページとして計測されます。しかし、これら3つをまとめて「一覧」として指標を見たい場合もあるかと思います。

ケース2への対策:パラメータ付きのURLをまとめる方法

ページレポートでパラメータ前のURLを絞り込んで検索することも可能ですが、毎回設定が必要になります。また、複数のページがある場合は作業時間が増大してしまいます。そこでお勧めなのが「除外するURLクエリパラメータ」を設定する方法です。
注意点
・該当ビューの編集権限が必要です
・設定を行うとパラメータが除外されたデータが集計されます。元に戻すことはできません。
・設定を行ったタイミングからの反映となります
なお、本機能を利用する場合は、パラメータ単位でみることが今後絶対にない場合は同じビューに設定しても良いのですが、パラメータ単位でも見たいというニーズがある場合は、現在のビューはそのまま残し、新しいビューを作成してそこで設定を行いましょう。

「除外するURLクエリパラメータ」は管理画面から設定することができます。左のメニューから「管理」を開き、「ビュー」の欄にある「ビュー設定」にアクセスしましょう。その中に「除外するURLクエリパラメータ」を設定する箇所があります。

ケース3 
ディレクトリやパラメータに関係なく、URLに含まれる文字列などでグルーピングをしたい場合。

ケース3への対策 URLをグルーピングする
ディレクトリやパラメータに関係なく、URLに特定の文字列が含まれているものをグルーピングしたいというケースがあります。
例えば、以下2つのページに関しては、同じ「特集」としてグルーピングしたいといったケースがあたります。

・グルーピングしたいページの例
http://test.com/special/campaign.html
http://test.com/special/present.html

ディレクトリだと2つのページをまとめることができません。この場合、URLの文字列に「special」が含まれているという条件でグルーピングしたいという形です。この時に利用できる機能が「コンテンツグループ」という機能です。複数のルールを設定し、そのルールに基づいてグルーピングを行うという考え方です。

注意点
・該当ビューの編集権限が必要です
・設定を行ったタイミングからの反映となります
・最大5種類のコンテンツグループを作成することができます

「コンテンツグループ」は管理画面から設定することができます。左のメニューから「管理」を開き、ビュー欄にある「コンテンツグループ」を選択し、「新しいコンテンツグループ」をクリックします。

コンテンツグループを作成する方法は全部で3種類あります。
1、トラッキングコードの有効化
2、抽出を使用するグループ
3、ルールの定義を使用するグループ

「ルールの定義を使用するグループ」を活用する
「ルールの定義を使用するグループ」の「+」ボタンをクリックすると、条件を入力する画面が表示されます。
続いてルールの名称を決め、3つの条件を選びます。
条件の絞り込み
・ページ・・・ページ(URL文字列)、ページタイトル、スクリーン名(グーグルアナリティクスのアプリ版を使っているときの画面名称)から選択
・含む・・・抽出の種類を選択します
・入力欄・・・条件にURLの一部を入力します
その他複数の条件を「OR」あるいは「AND」で追加することが可能です。

ルールの入れ替え
ルールは複数作成することができます。また順番を入れ替えることも可能です。
例えば
http://test.com/2013/special/01.html
というページがあり、「2013」が入っているから「2013年の記事」の条件に該当し、かつ「special」が入っているから「特集ページ」の条件にも該当するとしましょう。順番が大切になってきますので、ルールを作成した後にどの順番で適用したいのかを選択しましょう。なお、どのグループにも該当しないページは「(not set)」として自動的に分類されます。

1トラッキングコードの有効化を活用する
「コンテンツグループ」の設定のうち、1番目の「トラッキングコードの有効化」についても見てみましょう。名前の通りトラッキングコードに記述を追加して、グルーピングを行う方法になります。
利用するためには「有効化」をオンにしましょう。インデックスに関しては、1-5を指定します。
インデックス番号は「コンテンツグループ」の設定画面トップで確認できます。作成順に番号が割り当てられるので、初めてコンテンツグループを作成する場合は「1」になります。
そして後はグルーピングしたいページに直接記述を追加する形になります。
ユニバーサルアナリティクスを利用している場合は、以下のような記述を追加します。
データを送信する「ga('send','pageview')*」の記述の前あたりに入れると良いでしょう。
・ga('set', 'contentGroup1','My Group Name');
・ga('send','pageview');

コンテンツグループ1は対象インデックスになるので、インデックスの数値によって記述の数値も変わります。「My Group Name」とあるところは分類したいグループ名を記述してください。(例:特集ページ、一覧ページ、キャンペーンなど)画面で表示される名称になります。
トラッキングコード方式を使うメリットとしては、URLに依存しないグルーピングが可能というのが一番大きいです。

5-3 それぞれのページのコンバージョン貢献を探る

ページを評価する上で、閲覧回数や離脱率・直帰率などを見ることは大切ですが、最も重要なのはそのページが成果に貢献しているかを知る事です。
複数の特集記事のうち、どの記事が一番コンバージョンや収益が高いのか。それがわかれば、高収益のページに集客や誘導を増やすといった決断ができるようになります。

ページ経由のコンバージョン数やコンバージョン率を確認するには?
ページレポートで「ページの価値」を見ることはできますが、ページ経由のコンバージョン数やコンバージョン率をみることはできません。
そこでそれらを確認するための方法を紹介します

1 ランディングページのレポートを利用する
ランディングページのレポートでは、ページごとのコンバージョン数やコンバージョン率を見ることができます。
左のメニューから「行動→サイトコンテンツ→ランディングページ」をクリックして、レポートを見てみましょう。
右側の列に「コンバージョン率」「コンバージョン数」「値」が表示されます。このレポートを見ればコンバージョンに貢献しているページを特定することが可能です。このコンバージョン率はあくまでもランディングページで見たときの評価となります。

5-4 「ページの価値」を利用してページビューあたりの貢献を見る

ページ価値の定義
ページごとの評価を行う方法として、「ランディングページで代替する」という方法があります。しかし、もう一つページの価値を測るための方法があります。それが「ページの価値」という指標です。

「ページ価値」は該当ページの「ページ別訪問回数が一回あったときに期待できる売り上げ」という考え方になり、この数値はGoogleアナリティクスの「すべてのページ」のレポートで確認ができます。
「ページの価値」を計測するためには、売り上げに関する情報を取得しておく必要があります。

オンラインで商品を購入できるなど直接収益が発生する場合に利用する「eコマース」という機能を利用します。こちらはサイトへの実装を伴います。

もう一つの方法は「目標」設定をするときに「値」を設定する事です。
目標の設定は「管理→ビュー→目標」で該当目標に対して値を設定する
この値を設定しておくと、コンバージョンが発生したときに(疑似的な)売り上げが発生したとして記録されます。


セッション1
ページA→ページB→ページC(目標の値=100円)→ページB→ページE(300円の商品を購入)
セッション2
ページB→ページD→ページF→ページC(目標の値=100円)
セッション3
ページF→離脱

ページAはセッション1にしか存在せず、該当セッションで合計400円の売り上げが生まれました。この場合のページAの価値は「400円÷1訪問」で400円となります。
ページBは両方のセッションに存在します。2つのセッションで生まれた売り上げの合計は500円です。この場合のページBの価値は「500円÷2訪問」で250円になります。セッション1でページBは2回表示されていますが、単位はページビュー数ではなくページ別訪問になるので、同一セッションで南海みているかは関係ありません。
ページCは250円、ページDは100円、ページEは400円、ページFは50円になります。

ページの価値はどのように活用すればよいのか?

ページの価値を利用する際に大切なのは、同じ種類のページを比較する事です。ページの価値は「コンバージョンページそのもの」あるいは「コンバージョンの際に(必ず)通るページ」の価値が高くなります。
カートのページは必ず商品のページより価値が高くなります。
そこで特集ページ同士の比較など、似たページ同士の比較を行いましょう。

コンバージョン率を出してくれるわけではないので、少しわかりにくい点はありますが、メリットとしては成果に重みづけができている指標であるということです。コンバージョン率でみるとコンバージョンの種別関係なくコンバージョン回数は1としてカウントされますが、ページの価値であればコンバージョンの種類によって100円や3000円、あるいは実際に購入した金額をもとに算出が行われます。

どちらの指標もページを評価する上では欠かせないので、チェックを行い改善に活かしていきましょう。














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