見出し画像

「問う力」を鍛えよう。「正しく答える」から、「答えを作る」授業へ

「考え方」を学ぶ新しい問題解決型の授業「X(cross)Ⅰ・Ⅱ」

「1+2の答えは?」「鎌倉幕府が誕生したのは何年?」これらはよく学校の授業で先生が投げかける「問い」です。この「問い」に正しく答える子どもを育てることが、これまでの学校教育で求められていたものでした。

しかし、時代の変化とともに世の中も複雑になり、私たちの身の回りには、「LGBTの方々の人権を守るために何をすべきか」「パレスチナ問題を解決するためには」といった「答えのない問い」も増えてきました。

このような問いに正しい答えはありません。しかし、私たちは答えのない問いに向き合い、自分なりの答えを出さなくてはいけません。こんな、難しい時代を生き抜くために、「自分なりの答え」をつくる面白い授業がクラーク国際にあります。クラークスマートの「X(cross)Ⅰ・Ⅱ」というオンライン授業です。

「自分なりの答え」をつくることに必要なのは「問う力」

この授業の目的は、「考え方」を学ぶこと。今回、「X(cross)Ⅰ・Ⅱ」の授業を設計した安曇先生に話をお伺いしながら、「X(cross)Ⅱ」の2回目の授業を覗いてみました。

アセット 1@2x-100

「X(cross)Ⅰ・Ⅱ」は、クラークスマートの軸となる授業です。この授業では、4つのシーズンを経て、自分の課題を発見し、自ら選んだテーマで論文を作ります。一連の流れを通して、自律した学習者になれるよう設計されています。

授業では「考え方」を学ぶため、とことん「問う力」を鍛えます。なぜなら、問いそのものが「考える力」に繋がるからです。「問い」がなぜ、「考える力」に繋がるのか?そんな疑問を持っていると、授業の導入である写真が提示されました。

アセット 3@2x-100

「赤い服を着た男の人がカメラを持っている」「青い水玉のシャツを着た女性が左にいる」そんな感想が思い浮かびます。しかし、この写真を拡大すると驚くべき事実に気づきます。

アセット 4@2x-100


実はこの写真はモノクロ写真。色のついたグリッド線を入れることで、白黒写真がカラーに見えてしまう「色同化グリッド錯視」によって、カラー写真に見えていたのです。このような体験を通して、生徒たちは「問われることによって初めて事実を認識する」「思いこみによって事実を正確に捉えていない」ということを学びます。(出典:𝑝𝑖𝑝𝑝𝑖𝑛 @hodefoting )

無意識の思い込みを取り払い、「問う力」を高めると、ものごとを多角的に捉えたり、仮説を立てられたりするようになります。こうした様々なワークを重ねていくと、ものごとに対して疑問を持ったり、自分なりの意見を持つようになります。これが、論文の「テーマ作り」に繋がるのです。

授業で大事なのは生徒が自由に発言できる雰囲気づくり

授業では、生徒たちが思ったことを次々に発言している場面が目立ちます。安曇先生が「どんな意見がありましたか?」と尋ねると、「私からいいですか?」と次々と意見が発表されました。授業には失敗を歓迎し、どんな発言も受け入れられるような雰囲気があります。お互いの感情が見えにくいオンラインだからこそ、授業の雰囲気づくりはとても大事。はじめにマインドセットを提示し、毎回チェックインを行うなど、生徒が授業に集中し、発言しやすい雰囲気づくりを心がけているそうです。

アセット 8@2x-100

「なんとなく大学進学をする生徒を減らしたい」そんな思いでこの授業を設計した安曇先生。「クラークスマートでは様々なプロセスを通して、自分自身のやりたいことやテーマを明確にしていきます。これまで正解を教えられてきた生徒にとっては、難しい授業だと思います。だからこそ、シーズン4までたどり着いた生徒には自信を持って進路を決めてほしい。自分のやりたいことを明確にすることで、進路先での生活もきっと充実したものになるはずです」とクラークスマートへの意気込みを語ってくれました。

クラークスマートは今年度から始まったクラーク国際の新しいコースですが、前身となるネットプラスコースで「X(cross)Ⅰ」を受講した生徒が上智大学へ進学するなど、早くも結果が出ています。生徒自身が自らこの授業を選択して参加しているので、授業に対する意識も高いと安曇先生も手応えを感じています。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
とっても嬉しいです!
5
「学びのタネを探す」をテーマに、クラーク記念国際高等学校の広報室が発信する教育コラムです。キャンパスを訪ね、先生や生徒のインタビューを通して、新しい教育のあり方や可能性について考えます。