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自分を生きるとは

アメリカの図書館に吉本ばななさんの本が置いてあったので読んでみました。これが初めてのばななさんの本です。表紙が可愛くて惹かれました。

表紙

対談とエッセイの2部構成になっていて、対談の内容が宇宙マッサージとかいう訳の分からない内容で全く頭に入ってこなかったので読まずに全部すっ飛ばしました。(他の人のレビューを見ても、みんなスピリチュアル連呼してます)

目次

タイトルの違うことをしないことというのは、「したいことをする」というのと似ていて微妙に違って、「なんかいやだ」と思ったらその感覚をスルーせず自分に正直に生きるということらしいです。

それなら私はやりたいことをやって正直に生きてるよ!って思った私ですが、

何か誘いがあった時に、気が進まないと思っても「これは義理だから行っておこう」とか「いつか役に立つはず」ともっともらしい理由をつけて判断しようとするのが、違うことをしていて、本来の自分を生きていないと書いてました。

これはまさしく、自分の意見よりも他者にどう思われるかを気にしてしまう私にドンピシャでした。

アメリカ生活の中で、アメリカ人やメキシコ人等の多国籍の人たちと関わっていると、自分の性格が他人の目を気にする日本人特有の性格だと思うことがよくあります。ストレートに気持ちを伝え、ハグやキスを堂々と人前でする彼らは、自分に素直に生きていて、これこそが自分を生きるということなのかなと感じました。

日本人は世間体を気にするのも特徴です。コロナが第5類になった今でもマスクをしている人が多いのは異様ですし(アメリカでマスクをしている人は誰1人いない)、災害があったら国民全員が自粛ムードになるのは、アメリカ生活をしている今考えると少し過剰すぎると思ってしまいます。日本人はみんな「違うことをしている」んじゃないかとふと思いました。

心に残った言葉を紹介します。

自分を生きるって、むずかしい

自分の人生は、自分のものです。
どんな人であれ、自分そのものを生きることが大切。そのために、まず自分に正直であること。そして、他人と正直にコミュニケーションすること。

p6

お互いを無理に変えようとしない方が自然だし、健全です。
だから出会ったり、別れたりを繰り返しながら、人はそれぞれの幸せを生きていくしかないんだと思う。

p8

自分を納得させようとする時って、たいてい、本来の自分を見失っている。ごまかし続けていると、どんどん苦しくなるし、何かが立ちいかなくなったりする。本来の自分とズレているから、それがちゃんと現実に反映されるわけです。

p9

自分を生きるっていうのは、これをすれば幸せになれるとか、これをやめないと不幸になるとか、そういうことでもなく、自分を生きたからって、悲しみはなくなるわけではないし、つらさが減るわけでもない。
人生は、誰にとっても、基本的につらいものだから。
それでも自分を生きていけば、生きることはきっと豊かになる。そこから開けていくひとつひとつの景色は、ひとつ残らず、あなたにしか見えない、あなただけのかけがえのないものだから。

p165

現在は仕事を辞めてアメリカで生活中のわたし。これから何をしてどうやって生きたいのか、自分探しの真っ最中です。この本を読んで、これからやりたいことを決めるというよりは、まずは日頃の他人の目を気にする自分の性格を見直して、正直に生きてみようと思いました。

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