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おにぎりのロー入試体験記(明中○早慶×)

こんにちは。僕は、明治大学法学部の4年です。
ロースクール入試を終えたので、勉強体験記を書きます。

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今回の僕の記事は不合格体験記ですが、合格体験記を渋谷くんが書いています。渋谷くんの合格体験記と再現答案はここから読めるので読んでください。

1.受験結果など

7月にあった予備試験短答は不合格(100点)でした。予備試験は今年初受験でした。
ロー入試の試験結果は以下の通りです。
明治ローⅠ期(既修):合格(免除なし)※明治学部生の免除もなし
中央ロー(既修):合格(免除なし)
慶應ロー(既修):不合格
早稲ロー(既修):不合格

各ローの再現答案はこちら
明治
中央
慶應
早稲田

2.勉強時間について

勉強時間は、2023.2~2023.9.4で1155時間です。



3.勉強歴

⑴ 大1~大2夏(資格スクエア6期受講期)

大学1年生の入学前に資格スクエア6期を受講して予備試験の勉強を開始しました。ちょうど僕らが大学1年生のはじめに流行ったコロナもあって、毎日大学のオンライン授業と資格スクエアの基礎講義を聴いていたので夏休みくらいで飽きてしまいました。そのあとは、大2の11月(2021.11)にアガルートを受講するまで、だらだらやったりやらなかったりを繰り返していたような感じです。

資格スクエアは、上3法の基礎講義の視聴と基礎問をやっただけでした。
大2当時のレベル感は、「第三者」(民法177条)の定義は覚えたけど、どう使うかわからない。物権的請求というものがあることを知る。こんな感じです。
大2の夏休みあたりで、民法の答案が請求→反論→再反論の構造になっている…?みたいなことに気づきました。民法が少しクリアになったのを覚えています。
ただ、刑法と憲法については全く分からないって感じでした。

⑵ 大2秋~大3冬(アガルート受講期)

大2の秋(2022.11)にアガルートの2023合格目標の予備試験パックみたいなものを購入しました。マネオプ付きの講座です。
今はシステムが変わっていますが、参考までにリンクを載せておきます。

アガルートを受講してからは、まずカリキュラムに沿って総合講義300の受講、そのあと重要問題習得講座(以下「重問」)をやりました。
たしか2022.1くらいからマネオプが始まって週2通の答案課題が課されました。
僕は、怠け者なので、結局マネオプをリスケすることも多く、答案を書くのも週1通だったことも多かったです。また、答えをそのまま書き写す答案ばかりでした。
そのため、本来2022秋冬くらいに予備過去問の答案を書いているはずが、重問の答案を書くだけでマネオプは終わりました。
アガルートの総合講義は難しくて、特に下4法は初めて講義を聴くこともあって、まったくわからず流し聴きになってしまいました。また、当然重問もまったく分からなかったので、最初の1周は問題読んで解説読むみたいな感じでした。
この辺で得られたものは、あまり覚えていないです(ほぼない)。

ちなみに、大3夏に友達を自主ゼミを組んで、憲法百選Ⅰをすべて読みました。答案を書けるようになったわけでは当然ないのですが、憲法判例ってこんなのがあるんだというのを知ったという点で悪くなかったとは思っています。

大3冬(2023.2※ロー入試半年前くらい)時点で、憲法の書き方はもちろん、窃盗罪の「窃取」の意義、構成要件、その他刑法各論の犯罪がどういうときに成立するのかとかは全く知らないって感じでした。訴訟法については言わずもがなです。
ただ、商法は論証集の使い方講座をスマホに入れて聴きながら論証集にメモを取っていたのでなんとなく論点と使う場面のイメージはついていたような感じです。

⑶ 大3冬~ロー入試(過去問演習メイン)※ここから記録している勉強時間

大3冬(2022.2)から大学の友達5人で自主ゼミを組んでロー過去問の起案をしました。2,3月は刑事系、4,5月は民法,民訴、6,7月は憲法,商法みたいな感じで2か月ごとに科目を変えてやりました。
これ以外に自分で起案したものを含めて2020年度∼2023年度のロー過去問はほぼすべて起案しました。
あと、数年分予備試験の過去問も解きました。民法は全年度過去問を解きました。
起案後は、出題趣旨をみて確認したり、分からないところは基本書を読んだりしました。
予備試験短答は全くやらなかったため、100点でおちました。

その他にやったことは、民訴はBEXAの大瀧先生の講座を受講しました。あと憲法の流儀も受講しました。また、抽選で当たったので、基本講義憲法Ⅰも受講しました。基本講義憲法は最後まで見ていませんが、憲法の流儀は最後まで見ました。大瀧先生の民訴は、既判力や弁論主義などロー入試で頻出分野については何度も聞いて定義等の暗記をしました。
それに加えてこの時期くらいからともしび先生に個別指導をお願いして週1くらいで答案を見てもらったり勉強方法についての相談をしていました。

4.科目別ロー入試対策としてやったこと。良かった点と反省点

⑴ 憲法

憲法でやったこと
・判例百選Ⅰ1周読む(大3夏)
憲法の流儀 基礎編を視聴する
合格思考憲法を読む
・ロースクール過去問(明中早慶2020~2023)を解く

憲法の勉強をしていてよかったところは、憲法の流儀、合格思考を読んで財産権・生存権の処理手順判例を意識して勉強していたことはよかったと思っています(中央ローの憲法は財産権がでたので、他ローに比べてうまく書けたような気がします)

一方、憲法の勉強の反省点は一番は判例のインプット不足です。アガルートの重問の評判が悪いこともあってアガルート重問憲法にはまったく手を付けなかったのですが、今思うとアガルート重問は多くの判例を土台にした問題になっているので取り組む価値はあったなと反省しています。

ロー入試の再現答案を見ていただくとわかりますが、明治と慶應は南九州税理士会系の判例(「目的の範囲」)の問題がどちらも出題されているものの、どちらも書けていないです。

⑵ 民法

民法やったこと
・重問1周
・ロー入試過去問

よかったことについて民法は、資格スクエアのときや大学の授業等で請求→反論→再反論という形になることや、請求権としてどういうものがあるのかということについてわかっていたため、そんなにやっていないです。
債権の発生原因が契約、事務管理、不当利得、不法行為であることや、論文でよく出てくる条文の趣旨、要件を押さえていたことは良かったなと思いました。

一方、悪かった点として、慶応ロー入試で特に感じた反省ですが、論証のインプット不足であったために、論点に気づいただけなのに、条文→要件→要件充足性→論点という流れを無視した答案を書いてしまった(論点に飛びついてしまった)というものはあります。

⑶  刑法

刑法でやったこと
・重問2周
・論証暗記
・判例読む(大学の演習授業で)
・過去問

刑法をやっていて良かったことは、基本的な定義を覚えたこと、有名な判例(麻縄事件やクロロホルム等)についてその問題が出たときに書き始めから書き終わりまでどう論理構成をするかということを意識して判例を読んだ時間をとったこと。判例がどういう判断をしているのか(例:窃盗罪の「他人の」=他人の占有する他人の所有物であるが、占有の有無を判例はどう判断しているか)を読んだことで、考慮要素がインプットできて問題を読むときに問題点が見つかったことがあります。

一方、悪かった点はメリハリを効かせた答案を書く練習を怠ったことです。刑法はみんなができる分、そんなに差がつかないことが予想されるため他の科目に多くの時間を割きたいところです。そのため、練習段階で書くべきところをしっかり書いて書かなくて良いところをあっさり書く練習をするべきでした。
また、早稲田で出たと思われる防衛行為の一体性や共謀の射程について勉強が進んでいなかったために書けなかったというのは大きな失敗として反省です。

⑷ 商法

やったこと
・重問1周
・過去問

商法は、年末に重問を1周しただけで、あとは過去問を直前にやったのみとなってしまい最後まで憲法と並んでダメな科目でした。
良かったところはほぼないのですが、強いていうなら民法のように紛争類型別に使う条文をなんとなく意識していたことくらいです。

悪かった点はとにかく演習不足で事例問題と問題になる点のリンクが全くなかったことが課題でした。

商法は重問の評判が良いので重問をやりつつ、論証集の末尾にある紛争類型別チェックシートを自由自在に使えたら良かったのにと思いました。

⑸ 民訴

民訴やったこと
・大瀧民訴(bexa)を視聴
・ロー入試過去問をやる
・重問を1周読む

民訴の良かったところは、ロー入試過去問を通してよく出る範囲を学び重点的にそこの定義を覚えたことです。

民訴の反省は、他の科目ほどはないものの、最後の入試だった早稲田で大きく間違えたので演習(重問?)をもっとやればよかっなたと思いました。

⑹ 刑訴

刑訴やったこと
・重問1,2周
・過去問

刑訴で良かったことは直前期に論証をおさえたことで大外しはしなかったことです。
一方、悪かったことは正確な暗記が不足していたことです。

5.ロー入試を終えて各ローの合格レベルの予想

⑴ 明治ローⅠ期(普通合格)

明治ローの難易度は肌感として低めだと思います。

具体的には、再現答案を見ていただければわかりますが、民法が壊滅(途中答案)、憲法は判例無視で合格できています。

そのため、三段論法の徹底と4/6科目をまずまずの出来、残り科目を白紙にしなければ合格可能性はあると思います。時間制約も慶應ほどはタイトではないです。

⑵ 中央ロー(普通合格)

中央ローは普通合格だったので、僕の答案はまさにボーダーあたりの答案だろうと思います。

中央ローは基本的なことをしっかり書きつつも、1,2科目くらいなら白紙同然の答案を書いても周りとのレベル感次第では大丈夫(今年の商法)だと思いました。
基本的なことをしっかり書くというのは、大筋は外さず、しかし規範は多少曖昧でもみたいな感じです。そして、今年は刑法途中答案でも合格しているので1,2科目のミスの挽回は全然いけると感じました。

⑶ 慶應ロー(不合格)

慶應ローは、時間が非常に厳しいです。過去問演習をすれば分かりますが、のんびり答案構成をする暇はなくガリガリ書く必要があります。

また、明治中央とは異なり、1科目論外なことを書くと他科目での挽回はかなり困難になると思いました。
そのため、僕は明治と同じように憲法の判例無視をしたことに加えて民法の条文要件の検討の甘さや刑訴の規範あてはめのミスが積もって不合格になってしまったと思っています。

よって、慶應ローを目指す方は(明治中央もそうですが)典型問題について悩まずに最初から最後まで書けるようにすること、規範を正確にインプットすることを徹底する必要があると思います。
問題の難易度でいえば、慶應が特別難しいということはないので、完成度で差がつくと思いました。
あと、時間がタイトなので時間内に一定の答案を書き切る力も練習しておくべきです。

6.これからロー入試をする人へ

ロー入試は、周りのレベルが最後まで分からず、自分が出来ているのか不安だと思います。
ただ、僕のように出来ていない人は多くいますし、そもそも継続して勉強することが難しいのでそれが出来ているだけでも上位にいると思います。

その上で、重問等を使って基礎論点をインプットした後は過去問演習を何も見ずに行い、自分がどのレベルの答案を書けるのかというのを意識すべきだったと反省しています。
「まだ書けないや」と思って見ながらやる過去問演習は、見ずに時間測って答案書いた演習に比べて効果半減くらい勿体無いです。

過去問演習は、ロー過去問が良いですが、解答解説が手に入りにくいので考えものです。
ただ、最近はネットに再現答案も充実していますし、ロースクールタイムズ作成の答案が無料公開されています。こういうのを使うのがおすすめです。

最後になりますが、僕の書いた勉強歴や失敗したこと(結局勉強してなかったということにはなりますが)を活かして来年以降みなさんが良い結果を得られることを祈っています。

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