サッカー分析の肝はコレ!
あなたは試合の分析をどうしていますか?
小学生年代の試合をどう見たらいいかわからない。この質問をよく受けます。サッカーの大前提を知らずに試合を分析をすると、結論が「個人の技術が問題」か、または「選手が走れないから」になってしまいます。
こうなってしまうと、日本と世界の差は埋められなのです。
サッカーの大前提を説明できる
サッカーがどういう競技なのかと言う大前提についてお伝えします。これを知っていて選手にあえて伝えないか、知らないから説明できないとでは結果は大きく変わります。
まず、サッカーが相手も味方も同じ空間にいて、互いに影響し合うスポーツだと言うことです。だから、味方と協力すること、コミュニケーションをとること、相手を見ることをやることが当たり前にできなければなりません。
つまり、サッカーは、個人競技で、自分のやりたいことを表現するスポーツではないというと言う大前提を知っておく必要があります。
その上で、試合では、それぞれのポジションを意識しつつ、ポジショニングを調整するして、相手よりも多くゴールを決める必要があります。
ポジションとは、DFにはディフェンスをする役割と言うように、それぞれの役割のことです。ポジショニングとは相手を見ながら自分の位置調整していくことです。
システムをただの数字と捉える人もいますが、システムを知っておくことも必要です。それは、こちらと相手のシステムの組み合わせがどうなっているかを知ることで、誰がフリーマンになりそうか、どこにスペースが開きそうかが把握しやすくなるからです。
小学生は自由にサッカーをやらせるべき
このサッカーの大前提の話をすると、「小学生はもっと自由にやらせればいいんだ!」と言って、やらないコーチが多いのが現実です。このサッカーの大前提をわかっていてあえて選手に言わないのと、わかっていないから伝えられないは大きな違いです。
今まで多くのサッカーコーチを見てきて、このサッカーの大前提をわかっていないから、伝えられていない人が多いのではないかと感じています。
もちろん、小学生年代、特に低学年、中学年では、ポジショニングにそこまでキツく縛り付けることもないでしょう。ただ、ボールを持っていない時の、立ち位置や体の向き、どこへ動き出すか、いつ動き出すか、は教えなければならない。それを一緒くたに戦術だとして、取り入れないコーチがいます。
ポジションの意識がないコーチの分析結果
ポジションの意識ない上記のようなコーチのチームが試合をするとどうなるか。
それは、選手の立ち位置がぐちゃぐちゃな試合。つまり、ポジションの意識があまりないので、選手それぞれがぐちゃぐちゃに立ち、相手の動きもあまり気にしていない。
将棋はスタートの駒の位置が決まっており、役割も動き方も決まっていますよね。その将棋の駒を両手で全て持ち、盤の上で両手を広げ駒を全部落とし、そのぐちゃぐちゃな状態で試合を始めている、そんなイメージです。
そんな試合で勝つのは、ぐちゃぐちゃな中でちょっとボールが持てる、または後ろからしっかりボールを蹴れる選手がいる、それを決められる選手がいるチームが勝ちやすくなります。
この状態の試合で負けると、サッカーの大前提をわかっていないコーチが出す結論は2つです。
・個人でボールを持てないから負けた
・相手に走り負けているから負けた
※プラスα 「メンタルが弱い!」もでてきます。
そうすると
・個人でボールを持てないから、もっとトレーニングで個人技術を磨こう
・相手に走り負けているから、もっと走れるよう
となっていく訳です。
チームを強くしたいなら考えること
個人を伸ばすのはもちろんですが、それはサッカーという団体スポーツで活かされる個人でないといけません。
他のチームに勝ちたい、追いつきたいと思ったら、そのチームと同じように個人を磨くトレーニングをしていて追いつけるのでしょうか?その負けたチームの3倍練習します?物理的にできますか?
仮に力の差があった時、「自分はサッカーの試合をどのように分析しているのか?」に立ち返る必要があります。
個人が弱いから負けた、走り勝てなかった、と分析し、それをそのままトレーニングで強化するやり方では、そのチームに勝てるようにはなりません。相手チームもおそらく同じようにトレーニングをしているはずです。
そうなると、相手チームの2倍、3倍練習すると言う発想になってしまいます。それは現実的ではないし、やると無理しすぎて選手が壊れてしまいます。
ですので、もしあなたが「もっとチームを強くしたい!」という思いが強いのであれば、一度サッカーとはどういうスポーツなのか?を考えてみてください。
そして、自分のチームは味方同士協力、または繋がりながらポジションを意識してプレーしているのかを気にしてください。
まとめ
最後に、なぜコーチ自身が選手のポジションやポジショニングが気にできない理由をお伝えします。それは、試合中「ついついボールを見てしまう」からです。ボールを持って何が起こっているか?ばかり見ていて、全体像を見ていない。だから、ボールを受ける前の各選手の立ち位置や体の向きがわからない状態になってしまうのです。
つまり、目に見える現象ばかり追いかけると、その目に見える現象の改善だけになり、結果なかなか勝てないということにつながってしまうのです。
強いチームを作りたいなら、サッカーの大前提を理解し、選手のポジションやポジショニングを意識する分析の仕方をしましょう。
サッカーの大前提をもっと詳しく考えたい。そんな方へ、倉本和昌が主宰するワールドサッカーラボの中で、情報を発信しています。気になる方はこちらの記事も読んでみてくださいね。
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