見出し画像

広告業界の展望と、広報のデザイン

広告デザイン会社、自然農園の村瀬です。
新たな年がはじまりました。
本年も、皆様にとって良い一年となりますように。

さて、2024年を迎え、我々の事業活動領域である広告デザイン業界の展望について考えてみました。


依然上昇傾向のデジタル広告の伸び率

まずはデータから。昨年の広告市場全体の規模を見てみると、2023年は前年と比べて10.5%増の8兆1,000億円と、着実に伸びていきました。(※電通グループ「世界の広告費成長率予測(2023~2026)より)
デジタル広告は前年と比べて20.1%増の4兆3,000億円と、依然として高い成長を保ち続けています。

一方、テレビ広告や新聞広告など、従来のメディアは前年と比べて4.0%減の3兆8,000億円と、衰退の兆しが見られ、デジタル広告と従来メディアの成長率の差が広がっています。

このあたりは、感じていた通りの結果です。
スマートフォンやタブレットの普及はもちろんのこと、SNSや動画配信サービスなどの新しいメディアの出現が、全世代を通じてデジタルリテラシーの向上につながっているからだと推測されます。

特に、SNSは若い世代を中心にまだまだ人気を保ち続けており、広告主にとっても効果的なマーケティングツールとしてさまざまに活用されています。伸びるのも当然ですね。

広告業界全体が縮小する可能性も!?

今後の広告業界の展望については、さまざまな考え方ができます。
デジタル広告の成長はとどまることを知らず、一方で従来のメディアが衰退する一方、広告業界全体が縮小する可能性もあると指摘されています。

しかし、デジタル広告の成長にもかかわらず、広告業界の企業が恩恵を受けるかと言うと、残念ながらそうではありません。データの蓄積と分析、統合力が必須であるため、実績を重ねた大手の受託業者に受注は集中。価格競争も加熱しており、新たな事業としての新規参入は
困難と予測されています。

広告業界において、デザインをビジネスの領域とする企業は、どのように未来を描き、進んでいくのか。このテーマは非常に注目されています。

今後の消費の中心、若年層で注目される新たな価値観

2024年、日本ではZ世代が社会の主役となり、α世代も労働市場に参入していきます。Z世代は、デジタルネイティブ世代として、インターネットやSNSを利用したコミュニケーションに慣れています。また、α世代は、Z世代以上にデジタルネイティブであり、ソーシャルグッドやサステナビリティといった価値観を重視する傾向も持っていると言われています。彼らのデジタルリテラシーや価値観に注目する必要があります。

情報を「調べる」時代から、「検証する」時代へ

Z世代は、従来のテレビCMや新聞広告にはあまり興味がないとの分析があります。彼らは、SNSやYouTubeなどのデジタルメディアを通じて、企業や商品、サービスに関する情報を収集しています。しかも、情報を調べ、取得することが目的ではなく、そこから、その情報が正しいのか? シェアに値するか?など、情報を「検証する」のが彼らの基本能力です。実態のない誇張など、すぐに見破られます!!

今後の市場では、Z世代やα世代が主導するため、企業は広告や情報発信に以下の点に注意する必要があります。

  • デジタルを活用し、共感を創るコミュニケーションを強化する

  • ソーシャルグッドやサステナビリティといった価値観を重視する

広告のように、企業の「伝えたい」ことを一方的に押しつけるのではなく、相手との双方向のコミュニケーションを大切にし、共有するコミュニティを作る方法を考えなければなりません。その際、彼らとの信頼関係を築くためには、公平さ(フェアネス)が必要です。

そして、企業の社会貢献活動やサステナビリティ、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みに関心を持つと言われるZ世代やα世代。
企業は、ソーシャルグッドやサステナビリティといった価値観を事業活動において実践し、広報を通じてコミュニケーションを展開していく必要があります。

コミュニケーションを重視した「広報」が重要になる

これからの時代は、自社の利益誘導が主目的だった広告ではなく、関係を良好に築く「広報」視点のコミュニケーションが重要といえます。
広報は、事業活動に関わる全ての人と、関係を良好にすることが目的の活動です。
自社の価値や魅力を適切に伝え、ファンを増やすことが、自社の事業推進につながる。そのため、私たちは、広報デザインに注目しています。

企業の広報活動をよりよくするのが「広報デザイン」

広告デザインと広報のデザインってどう違うの? 疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
広報デザインとは、広報の本質である、コミュニケーションをよりよくするために設計する活動全般です。グラフィック、造形などの実体化にとどまらず、かんがえの部分、仕組み全体を設計するのが広報デザインです。

発信側の意図と、受信側の価値観を重ね合わせ、双方を理解し、よりよくつなぐためにコミュニケーション全体を考え、実体化する。そして、よりよくするために継続していく活動です。
Z世代やα世代はもちろんのこと、全ての世代の価値観によりそった、包容力を備えたコミュニケーションが求められる時代。そこに、広報のデザインの価値が大きくあると考えています。

まとめ

2024年は、広報の視点が重要な年になると予想します。広告は従来のメディアの成長の停滞など、厳しい状況に直面していますが、これからの市場ではZ世代やα世代が主導権を握るため、広報の役割がますます重要になります。

私たちは広告デザインの経験を持っていますが、広告の限界を補い、意義を発展させるために、広報領域のデザインに注力しています。

そのために、より良いコミュニケーションをデザインするための新しいツールやプラットフォームを開発しています。このnoteの記事で別で紹介しているプレゼンテーションのデザインもその一つです。
今後も自然農園の「広報デザイン」にご注目ください!


お問い合わせはこちら https://www.cizen.jp/contact/

#広報 #広告 #デザイン #広告業界 #広告と広報 #メディア #2024年の見通し