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現役時代×退職後 第12回 ■組織の中ではフラットな関係

 私は、建設コンサルタントに就職して32年が経つ、気づいたらアラカンといわれる年代に突入している。

 先日、インターンシップの学生の担当者となり、8日間の実施計画書の作成、指導、フィードバックまで行う機会があった。私の学生時代はインターンシップを行っている人は周りに皆無であったが、最近はインターンシップに行った企業に就職する学生が圧倒的多いようだ。インターンシップの担当者とはいえ、日々の業務も行いながらなので、対応できる時間も限られていたが、会社にとって貴重な存在になる予備軍である以上、ぞんざいに扱うことはできなかった。

 インターンシップの学生が、交通事故業務について興味をもっていることもあり、交通事故のデータ、過去の対策内容等を整理してもらい、現地調査を行った上で、対策を検討するという一連のタスクを行ってもらった。現地調査に行く前の事前の準備、現地を実際にみて感じたこと、検討した対策を他人に理解してもらうこと等の大切さを身につけてもらうことを狙いとしていた。担当した学生は、これらのことに対して、不明な点等は確認をすることができる人であった。また、現地を見ながら、自分の考えを述べ、どうしてそのように考えたかも説明することができた。過去にも、数名インターンの学生の担当を行ったがここまでできる人がいた記憶はない。

 フィードバックを終え、帰路の電車の中で、今までのインターンシップの学生との違いは何かと考えてみた。自分の知らないこと、分からないことをそのままにしておかないで、聞くことができるか、感じたことを自分の中でクローズせずにオープンして相手と対話ができているかなどである。このような回数が増えていくと、お互いに親近感がわき、良好な関係が気付けるかもしれないと思った。

 会社の中では自分の立場を気にしてしまい、パソコン等の機器の操作方法を若手に聞くことはあっても、仕事のスキルに関連することを周りの人に聞くことはめっきり減っている今日この頃である。また、考え方に相違があっても、議論するのは時間の無駄と思って黙々と作業にとりかかっている。アラカンでも、組織の中ではフラットな関係と考え、年齢を問わず周りの人から聞いて学び、自分の考えを遠慮なく伝える姿勢でいれば、まだまだ成長できる。

                     (2023.11.● 執筆:nano)

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