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ボイスドラマガジン

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司馬ヲリエ作品集
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記事一覧

焼き群青

春の鳥の声
玄関を叩く音

晶「(扉越しに)すみませんーどなたかいらっしゃいますか?」
碧「はい、はい…」

足音
玄関を開ける音

碧「はい」
晶「あ…、」
碧「どちらさんですか?」
晶「中島と申します。中島…晶です。…はじめまして」

音楽(逆再生)
台所の音

碧「瑛子、瑠璃子、ごはんできたでよ」
瑠璃子「はーい」
碧「瑠璃子、これ持って行って」
瑠璃子「わ、美味しそうなカボチャ」
碧「隣の

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メモリアル・ラグーン

海の音

音楽

(女1ナレ)
おばけ海岸では会いたい人の幽霊に会える、そんな噂がある。
春の明け方、薄く霧がかかった入江に
焚き火の炎がぽつりぽつりと一定の距離を保って揺らめいている。
幽霊を待つ人たちが砂浜のあちこちで静かに佇む。
お互いの顔は霧のせいでボヤけてよく見えない。
もしかしたら、そこにいるのは会いたい人を待っている幽霊なのかもしれない。

海の音
焚き火の音

女1「もしかして、お

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顔剥ぎ狼

(中川)
裏路地の闇だまりから現れたその化け物は、顔は人間、体は狼、まるで獅子女・スフーヒンクスを思わせるような姿をしていた。
顔に掛かった長い黒髪の隙間からは、もの悲しそうな目がこちらをじっと見ている。
見覚えのあるその顔に私はぎょっとして、まるで鮒のように口を開けたまま立ち尽くすしかなかった。
化け物は私に歩み寄ると、聞き覚えのある女の声で呪いの言葉を囁いた。

喫茶店にて

中川「…なんです

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見せ掛け幽霊

屋敷に面を打つ音が響いている
戸が開く音
雨の音

仙之助「いやぁ〜、草履がびしょ濡れだ」
三右衛門「ご苦労だったな、仙之助」
仙之助「三右衛門、やはりお前の面は評判が良い。依頼主も喜んでいたぞ」
三右衛門「そうか。それは良かった。…ん?どうした、脇差しなど下げて。侍にでもなったつもりか?」
仙之助「これか。俺みたいな旅商人はどこで命を狙われるか分からんからな。それに最近は町外れに幽霊が出るって噂

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鬼盗賊

音楽
フクロウの声
焚き火の音
旅の商人が1人、休んでいる

商人「山での野宿には慣れてるが不気味なもんだ。早く朝にならんかな」

ガサガサと音がする

商人「ん…?なんだ?…熊か?」
高虎「おい」
商人「…あ…あわわわ……お、お、鬼だ…!あわわわわわ…」
高虎「着ている服と持ち物を置いていけ。さもなくばお前を食ってやるぞ」
商人「は、は、はひ!」

商人、急いで服を脱ぐ

商人「ど、どうか、これ

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ぼくと赤いロボ

蝉の声
夏の山道
田舎のバスに乗る少年がひとり

婆「ぼうや、ひとりかい?」
少年「うん」
婆「ひとりでバスに乗って、えらいねぇ。いくつなの?」
少年「7さい」
婆「へぇ7歳!どこから来たの?」
少年「東京」
婆「えぇ?東京?遠いとこから来たんだねぇ」
少年「これから親戚の叔母さんちに行くんだよ」
婆「道わかるのかぃ?」
少年「去年も来たことあるからだいじょうぶ」
婆「へぇ〜えらいねぇ」
少年「パ

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うわばみ

山の中
何度もエンジンをかける音

梨沙「どう?高原さん」
高原「うーん…なんとも…こんな山奥で故障だなんてな…」
梨沙「携帯も圏外で繋がらないわ」

音楽

(高原ナレ)
彼女の梨沙と旅行へ行った帰り道、ショートカットのつもりで山道に入ったが、とんだ災難に見舞われてしまった。

梨沙「このまま日が暮れたらどうしよう〜」
高原「今は…(腕時計見る)3時か。困ったな…」
美樹「大丈夫ですか?」
高原

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ボタニカル・ガーデン

倉本ナレ(淡々と)
「ある日突然、世界人口が3分の1ほど消滅した。世界は混乱していたが、ぼくの街は、冷静に、秩序正しく、普段通りの生活をしていた。まるでそのことから目を背けるように」

会社のオフィス

倉本「すみませんが、お先に失礼します」
課長「ちょっと倉本くん」
倉本「はい」
課長「君、今月の目標ぜんぜん達成できてないでしょ」
倉本「はぁ…すみません」
課長「すみませんじゃないんだよ!どうす

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ある日桜の木の下で

風の音
足音

須賀「ふぅ。4月とはいえまだ寒いな。」

(須賀ナレ)
現在の時刻は朝の4時前。
まだ夜のように暗い。
そんな時間に僕はシャベルと懐中電灯を持って裏山に登った。
裏山には小さな池があって、そのほとりには大きな桜の木が生えている。
今まさに満開の桜は、冷たい風に吹かれザワザワと音を立てて花びらを舞わせた。さすがにこの時間に花見客は居ない。
桜の木の下に座って真っ黒な池をぼんやり眺めて

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アメフラシの憂鬱

雨の音
ぽつぽつからザーッ

喫茶店の音楽

マスター「今日もよく降りますね。」
男「そうですね。」

(男ナレーション)
雨の日は決まって駅近くの小さな喫茶店に立ち寄る。
昔からあるレトロな雰囲気の喫茶店。ぼくはそこの窓際の席に座って、あたたかいココアを飲みながら行き交う人や雨粒が窓を伝うのをぼうっと眺めたりする。
色とりどりの傘が灰色の街を彩る。ピアノと雨音が心地いい。
ぼくは雨の日が嫌いじゃ

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