見出し画像

「僕を信じてください」と言えなかった新卒が今思う、コンサルタントの価値とは【10周年企画・新卒4期生】

2024年1月6日で設立10周年を迎えるサーキュレーション。当社では設立2期目の2015年から新卒採用を行ってきました。2016年卒の1期生をはじめとして、現在は新卒8期生までが入社しており、新卒入社メンバーは総勢70名以上になっています。

今回は10周年を記念して、「Talk Baton」と題し、創業1年目から今まで各年に入社した「元・新卒」の皆さんを対象に、後輩から先輩へのインタビューをリレー形式で回していきます。

創業時の7名から今では300名近くになり、組織も毎年どんどん成長し変化していくサーキュレーションで、どのようなキャリアを歩み、どのような自身の変化を楽しんできたのか。これからどのような未来を描いているのかについて、新卒の先輩・後輩同士ならではの率直な想いを話し合っていただきます!

第4回目はこのお二人!

▽インタビューされる人:新卒4期生(2019年卒)蜂谷 隆史(はちや・たかし、以下蜂谷)
プロシェアリング本部 プロシェアリング・コンサルティング東京支部 サービスチーム リーダー
▽インタビューする人:新卒5期生(2020年卒)宮前 冠汰(みやまえ・かんた、以下冠汰)
プロシェアリング本部 FLEXY部 コンサルタント

働いたこともない自分はビジョンなんて持てなかった

宮前:はっちーさん(蜂谷)の就活の軸はなんだったんですか?

蜂谷:就活の軸なんてなかったかな。

宮前:えっ、就活の軸って割と聞かれがちな質問じゃないですか?

蜂谷:うん、何度も聞かれた気がする(笑)特に早めに就活を終わらせようと選考が早いベンチャー企業を受けてたから、サーキュレーションもそうだけど、社員の方も周りの就活生も熱いビジョンや軸を持っていることが多くて、一応自分なりの答えは用意してたけど、当時話していた事も思い出せないくらいビジョンや就活の軸にピンときていなかった。

宮前:軸がない中、サーキュレーションは内定1社目で意思決定されたと聞きましたが、働くと決断できた理由ってなんだったんですか?軸がないと悩んでずっと決められないという人をよく聞くのですが。

蜂谷:まだ働くことが何かを分かってないのに「やりたいことが見つかること」ましてや「運命的な出会い」なんて半分幻想だよな、くらいに考えていたからかな。「やりたいこと」も「運命的な出会い」も悩んで見つけるというより、決めるものだって考えてたんだと思う。

サーキュレーションに関しては、夏に参加したインターンでビジネスモデルや会社の雰囲気はなんとなく分かっていたんだよね。そこで一緒に働く方々も、経営者の方やプロ人材の方と一緒に働ける環境も魅力的だし、ここでファーストキャリアを積むことに違和感がなかったから、意思決定できたんだと思う。
   
宮前:サーキュレーションに早々と決められたのは人と環境の魅力が大きかったんですね。

蜂谷:そうだね。あと、早く働いてみたいという気持ちが大きくて、早めに就活を切り上げて長期インターンをやりたかったというのもある。それで設立2ヶ月目のスタートアップ企業で長期インターンを始めた。

宮前:長期インターンをしていた会社では、どんなことをしていたんですか?

蜂谷:立ち上げたばかりの会社で社長と自分だけ、事業もまだない状態だったから、何かしらで売上を立てて資金確保することが最優先だった。
その中で訪日中国人向けに日本の観光案内をするパンフレットの広告媒体を作ることになって。似たような媒体に露出のある企業に片っ端から「まだ何にも立ち上がっていないのですが、こういうことができたら広告掲載しませんか?」みたいな営業活動をしていた。

宮前:それは、売りにくいですね。

蜂谷:でも、1枠売れて会社として初めての売上が立ったんだよ。けれど、最終的にその広告媒体は実現しなかった…。結局売上もなかったことになって、お金を稼ぐことの難しさを痛感したな。お客様にもすごく謝った。

「社長、僕を信じてください」と言えなかった新卒時代

宮前:インターンで売上を作るという経験をしたあとで、実際にサーキュレーションに入社してから難しかったポイントや躓いたことなどはありますか?

蜂谷:前提としてインターンの時に、ちゃんと営業の基礎を教えてもらったわけではなかったから、入社時から自信があるわけではなかったし、実際、同期の中でも初受注は1番遅かった。

宮前:そうだったんですね。かなり苦労されたと思いますが、どこに苦戦されたんですか?

蜂谷:プロシェアリング自体まだまだ新しい概念で、「これさえあれば大丈夫!」っていう絶対解がないサービスで。その良さを、僕自身が信じられていなかったからだと思う。

特に、このサービスを初めて聞くお客様は、最初の接点である僕たち営業の質、提案内容やプロ人材を「信じて」お金をいただくことになる。当たり前だけど、担当者に成果を出す自信や覚悟、誠意がなければ、お客様に信じてもらえるわけがない。

新卒時代の僕は経験がないと言えばそれまでだけど、プロ人材が支援することでどんないい未来が生まれるか、自分でも信じきれず、お客様からも信じてもらえない状態が続いた。

宮前:きついですね…。鶏と卵みたいな話ですけど、やっぱり自分が提案したプロジェクトが始まって成功を目の当たりにして、さらに自信を持って提案できるようになる側面はあります。

蜂谷:そうだね。プロシェアリングの価値や醍醐味は頭では分かりつつも、掴みきれてなかった。

宮前:プロシェアリングの可能性を信じきれていなかったときに、プロ人材やお客様から言われて覚えていることはありますか?

蜂谷:新卒時代は、本当にひどいコンサルタントだったと思うんだけど、クレームはあまりもらっていないというか、クレームをもらうまで期待いただけたプロジェクトすらなかったんだと思う。

ただ、社内の人から言われて覚えているのは、伸び悩んでいたときに役員の1人から「蜂谷は『社長、僕を信じてやりましょう』って言ったことがあるか?」と問われたことかな。その時は、「令和の時代にそんなこと言うわけないじゃないか、スマートに行くべきだ」って内心思っていたけど、後からまさにそこが大事だったんだって気がついたよ。

宮前:それに気がついたきっかけはあったんですか?

蜂谷:何か大きな出来事があったわけではないけれど、やっていくうちにプロシェアリングの価値や意義深さ、そして僕たちコンサルタントの担う責任の重さをを実感したんだよね。

宮前:意義深さですか。

結局、プロシェアリングってすごくシンプルなビジネスなんだと思う。
困っている人に、知識を持っている人が教えることを「教示行動」って言って、人類が技術や文化を継承して発展するにおいて鍵となる、他の種ではあまりみられない活動らしいのね。

プロシェアリングの考え方は、その延長にあると思ってる。教示行動は大昔から人類が行っていた極めてシンプルな活動だと思うけど、どうやら今の雇用や社会の仕組みではその「知のめぐり」に一部滞りも発生してしまっているらしいと。
それらを適切にやっていきましょうよ、経験・知見を循環させましょうよ、というのがサーキュレーションのビジョンで、人類の発展という観点でもなかなかに意義深いなって思う。

そしてその壮大なビジョンに対して、テクノロジーを駆使するとか、大規模な設備投資をするなどではなく、僕たちプロシェアリングコンサルタントのような知見を繋ぐ役割の人間が、創意工夫と熱意をベースに挑戦するというのが実に美しい(笑)
そこにテクノロジーや規模が加わるから、さらに大きな価値が出るんだろうなと。

宮前:はっちーさんの就活時代の直感はやっぱり間違ってなかったんですね。
でも一方で、人を介するからこそすごく難しいこともあるじゃないですか。なんでも出来ると言えばなんでも出来るけれど、それが全てシステマチックに機能してお客様の成果にすぐ繋がるわけではないと思うんですよね。そういう難しさに対して、はっちーさんが5年目になって気がついたこと、意識していることはありますか?

蜂谷:最近は、僕らはお医者さんみたいな存在とも捉えられるなと思っている。
僕たちには2万通りのプロ人材という処方箋があって、様々な課題を抱えている方々に、少なくとも2万通りの解決策を提示することが出来る、と例えることもできる。

大事なのは、これだけ技術が進歩している中でも、今のお医者さんがAIやデジタルに完全に代替されないのと同様に、純粋に最強の処方箋が欲しいからだけでなく、悩みを聞いて寄り添う人の存在やその姿勢を求めている側面もあると思っていて。

宮前:確かに、個々人の問題や生活習慣に合わせて同じ処方箋をもらっても得られる安心感とか追加のアドバイスとか、処方箋以外の価値も重視する人はいると思います。

蜂谷:うん、プロシェアリング業界も似た構造だと思う。
副業やフリーランスマッチングサービスがたくさん出ている中で、サーキュレーションは比較的先行してサービスを始めている。しかも、それは、データベースやプラットフォームだけを提供する形ではなく、どこかに特化した領域のみ行うものでもなく「お客様の本質的な課題に対して、プロ人材の経験・知見で解決する」という上流の切り口から入ってきた。

これはプロシェアリング市場を拓くにあたって、すごく責任があるポジションだと僕は感じている。

蜂谷:実際、お客様から「顧問活用ってうまくいかないよ。過去にこういうことがあってさ。」という話を聞くことがあって。
やはり一度失敗を経験すると、どんなに外部の知見が必要な場面であってもどうしても二の足を踏んでしまう。そうなると市場としての可能性はどんどん縮んでいってしまうよね。

宮前:ポジションを取れたことと鏡合わせで、プロシェアリングへの印象を左右する責任があるってことですね。

蜂谷:そうだね、僕らが「ヤブ医者」になってしまったら、この市場は拓けない。

だから、僕個人としてもしっかりお客様と向き合わないといけないと思うし、リーダーとして、チーム全員がお客様と誠実に向き合う姿勢を大事にしてほしいなと思っている。「いいお医者さんがより多くのお客様に適切に薬を提供しつづければ、健全な医療の発展に繋がる」みたいなイメージだね。

「いいお医者さん」を増やして、組織として勝つ構造を創りたい

蜂谷さんがリーダーを務めているサービス業界担当チーム

宮前:チームと言えば、はっちーさんがリーダーになったのはいつからですか?

蜂谷:2022年8月だから、1年と少し前かな?(※インタビュー当時)

宮前:もっと前からやっているイメージがありました(笑)マネジメントのキャリアを歩もうと思ったきっかけはなんだったんですか?

蜂谷:こういうキャリアを築きたいって考えたことがそんなになくて。さっきも伝えたようなプロシェアリングを適切に広めていくことができるならどこでもよくて、ただやっぱりこの市場を拓くためには「いいお医者さん」を増やして、組織として勝つ構造を創らないといけないと感じていたから、リーダーというポジションに就くことでそれが実現できればいいなと思った。

宮前:プレーヤーとしてお客様に対峙することに加え、メンバーのマネジメントをするという役割が増えたと思いますが、実際にやってみて難しいなと思うことはありますか?

蜂谷:難しいとは少し違うかもしれないけど、責任の重さをより感じるようになったかな。
最近チームメンバーの結婚式に呼んでもらうことがあって、改めて生い立ちや、ご両親をはじめとする周りの方々の存在を知って、より一層リーダーの自分の責任の重さを感じた。

やっぱり仕事の楽しさって、成果や成長を感じられるかだったり、所属する組織の雰囲気だったり、リーダーやマネジャーにも起因することが多いと思っている。重いし烏滸がましいけれど、メンバー全員の人生を背負っていると考えると、本気で、そして真摯に仕事しないとなと思う。

宮前:お客様に加えて向き合う相手としてメンバーも増えますもんね。

自分は微力だけど、無力ではない

宮前:話題は変わりますが、サーキュレーションの好きなところはありますか?

蜂谷:「サーキュレーション好きだな〜」って言うよりかは、「好きでいて欲しいな〜」という想いのほうが強いかな。今はリーダーとして、自分が好きでいられる組織を創るためにも、僕自身が頑張らなきゃいけないと思う。

宮前:これまでに辞めたいと思ったことはありますか?

蜂谷:ない。

宮前:他の仕事にチャレンジしてみたいとかも一切ないんですか?

蜂谷:そこも考えてない(笑)将来自分がこういうポジションに就きたいとか、キャリアのプロセス自体を志向する意識がなくて。それも大事な考え方だと思うけど、あまり自分の性に合わないな。

宮前:リーダーとしてメンバーを指導する立場に変わって、今後のご自身のステップアップはどう考えていますか?
教わることが少なくなってきて、自分で気づくことや他の人にフィードバックを求めに行くのが大事になるんじゃないか、と思ったんですが。

蜂谷:流石に直接何かを教わる場面は新卒のピヨピヨ時代と比較すると減っているのかもしれないけど、日々の学びや反省の量は増えていっている感覚があるかな。それも、自分の倫理観や、「あり方」が問われる場面が増えた感覚がある。技術的なスキルアップも当然必要だけど、それ以上にスタンスやマインド的な成長が必要とされている感じがするかな。

成長するために、という観点では、やっぱりプロシェアリングの可能性をどれだけ信じられるかは大切だと思うよ。サービスとお客様の可能性を信じて、より深くお客様と向き合うほど、お客様にとって重要な判断に関わることも増えていく
そこに自身の成長の機会があると思っている。

例えば過去のお客様だと、アトツギ社長で経営経験がなく、プロ人材の支援と並行して僕が社長の相談役のような形で伴走していたプロジェクトがあった。社員も事業も状態が良くなく、そして頑張りたいタイミングで社長が体調を崩してしまった。さあこれからどうする…というとき、僕は体調を崩した社長に配慮したような支援内容を提案するのか、事業の修復や社員を守ることを優先した変革案を提案をすべきなのか、判断しなければいけないことがあった。

宮前:壮絶な状況ですね。そういった判断を任せられる立場に、はっちーさんがいることが素敵ですね。お客様と深く向き合っているから、信頼されているんだと思います。

蜂谷:
百戦錬磨の経営者やプロ人材と向き合って、会社の未来に関わるような重要な提案をしなくてはならない責任の重い仕事だよね。
それを自分のような20代そこらの若者が行うことに自信を失いそうになる時もある。

ただ、僕のできることは本当に微力なことかもしれないけど、決して無力ではないって信じている。
経験も知見も経営者やプロ人材には当然及ばないかもだけど、成果を出せない言い訳にはならないし、もっと勉強して成長しなきゃいけないって危機感もあるよ。

僕たちのプロシェアリングコンサルタントとしての仕事って本来そうあるべきだと思うし、それができる仕事だと思う。正解がない分、難しいけどね。

宮前:はっちーさんが新卒の時に抱えていた課題がリーダーになるまでにどう深まったのか、すごく興味深かったし、僕自身今後のキャリアを考える上ですごく勉強になりました。今日はありがとうございました!

1期生からの「Talk Baton」バックナンバーはこちらから!

サーキュレーションの新卒採用に興味を持ってくださった方はぜひこちらもチェックください!お待ちしています。