国土交通省に報告されている談合リベート事例

国土交通省に報告されている談合リベート事例
業界の悪しき習慣
これまで何度か取り上げてきましたが、大規模修繕工事に関わる業界は実は非常にドロドロしており、コンサルタント(設計監理者)や管理会社による談合やリベートがまかり通っている世界です。

国土交通省に報告されている具体的な事例を見ると、実に様々なものがあります。具体的な事例として、もっとも安価な見積金額を提示したコンサルタント(設計監理者)に業務を依頼したところ、実際の調査診断や設計業務を行っていたのは、同コンサルタントのスタッフではなく、当初から設定されていた工事業者の社員だったことが発覚した、ということがありました。これは、コンサルタント(設計監理者)や管理会社は、コンサルティング業務を受注してしまうと業務は終了し、現実的な調査・診断業務はチャンピオン業者が実施するという業界では昔ながらのベタなやり方です。調査・設計の能力のない会社は、この方式に頼らざるを得ません。

また、あるコンサルタント(設計監理者)が、特定の工事業者と秘密裏に取引し、資本金1億円以上という厳しい見積り参加条件をつけた公募で、応募した5社のうち、その工事業者が受注できるように操作を加えていました。しかし、両者の関係を察知したマンション管理組合が説明を求めると、そのコンサルタント(設計監理者)は業務の辞退を申し出ました。そのために別のコンサルタント(設計監理者)と契約し直したところ、辞退したコンサルタント(設計監理者)の作成した工事項目や仕様書に多くの問題があることが発覚し、すべての書類を作り直すことになった、という悪質な事例も報告されています。

さらに、コンサルタント(設計監理者)や管理会社が、自社にバックマージンを支払う工事業者が受注できるように、安価な設計監理料金で受託するなどの不適切な工作を行い、結果的にマンション管理組合に大きな損失を与えるという事例も、数多く報告されているのです。

大規模修繕工事では、足場工事・下地補修工事・洗浄工事・塗装工事・防水工事など、新築工事と違う工事内容となります。しかし、マンションをゼロから作る新築工事と違って、大規模修繕工事の大部分は補修や洗浄という作業が占めており、「手抜きをしやすい」という問題があります。

素人であるマンション管理組合に、工事内容がきちんと行われているかどうかをチェックすることは難しく、プロの第三者がチェックする必要性を強く感じます。あまり意識したことはないかもしれませんが、大規模修繕工事には“手抜き工事”の危険性が隠れていることも忘れないようにしてください。

テレビ・雑誌・新聞・書籍そしてSNSで、これらの事例が多く報告さているにも関わらず、未だに解決されないどころかエスカレートしている実態があります。

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