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酢とは、酢酸を含むすっぱい液体調味料のこと。
昔から体によいといわれ、漢方や薬として引用されてきた。
酢の特徴
酢は3.0~3.5pHの酸性だが、体内に入るとアルカリ性に変わる。
主成分:酢酸90%、アミノ酸
酢の性質は、JASで定められている数値「酸度」で計る。
酸度とは、「酢の中に含まれている、各種有機酸の酸味成分の割合」のこと。酸味の強さを表す単位。
酸度の数値が高いほど酸味を強く感じられるが、実際の味わいは、酢に含まれる各種アミノ酸などのバランスで決まってくる。
JAS規格により:
・穀物酢・米酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.2%以上
・リンゴ酢・ぶどう酢・果実酢・・・・・・・・・・・・・・・・4.5%以上
・醸造酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0以上
ちなみに
・ワインヴィネガー、モルトヴィネガー・・・・・・・・6.0~8.0%
原材料の中の醸造アルコールとは、アルコール発酵の際に添加したもの。
主原料:主にサトウキビ
アルコール添加はJAS規格で許可されている。
一方、アルコール一切不使用の酢は、法律で「純米酢」「純リンゴ酢」など
「純」という名を製品につけてよいとされている。
●世界の酢
vinegar = vinaigre
酢は英語でビネガー(Vinegar)
語源はフランス語のvinaigre(ビネーグル)
vin(ぶどう酒)+aigre(すっぱい)
つまり、食酢とはお酒がすっぱくなったもの、という意味。
・イギリス・・・・・・・・「モルト酢」Malt vinegar
・アメリカ・・・・・・・・・「リンゴ酢」Apple vinegar
・フランス・・・・・・・・「ワインヴィネガー」Wine vinegar
・イタリア・・・・・・・・・「バルサミコ」
・中国 山西省・・・・・・「黒酢」
酢の種類
●穀物酢
・米酢
1リットルの酢をつくるのに40g以上のコメを使用するもの
アルコールを添加しないて米だけを原料としているものは「純米酢」
まろやかな酸味でコクがあり、寿司飯など和食に向いている。
・玄米酢
玄米が原料。アミノ酸が多い。
琥珀色で香りがよく、コクがあるのが特徴の酢。
・黒酢
主原料は玄米。副原料は麦。壷造り(カメ仕込み)
米酢が3か月前後でつくられるのに対して、「黒酢」は穀物酢を1~3年発酵、熟成させるのが特徴。
カメ壷中での長い発酵・熟成の期間に、液中のアミノ酸を糖が次第に反応することで黒い色素ができるため、黒褐色になる。
他の酢より有機酸やアミノ酸が豊富で、まろやかさが特徴。
・もろみ酢
原料は泡盛をつくる最に残ったもろみ
クエン酸やアミノ酸、ミネラルが多く、まろやかかつ酸味あり。
●果実酢
・リンゴ酢
リンゴ果汁でリンゴ酒をつくり、酢酸発酵させてつくる酢。カリウム豊富。味わいさわやか。
・ワインビネガー
ワインを発酵させたもの。白ブドウ酢・赤ブドウ酢。
香がよく、酸味が濃厚。白ワインヴィネガーは魚介類のマリネやドレッシングによく合う。赤ワインヴィネガーは、お肉を柔らかくする。
・バルサミコ酢
トレビアート種のブドウ果汁を煮詰め、熟成させて製造したワインヴィネガーの一種。北イタリア・モデナ地方産が有名。
まろやかな甘みと深い香りが特徴。
「バルサミコ」表示規定
1.10年以上熟成したワインヴィネガーと種酢として一定量使用し、これに直火で煮詰めたブドウ果汁を加えてアルコール発酵および酢酸発酵させたもの。
2.熟成に樫、桑、栗、杜松(ねず)などの香高い木材を使用したもの。
3.仕上がりが濃い褐色の液体で、甘酸っぱくアロマが高いもの。
4.酸度が6%以上
5.1リットル中に当分が30g以上含まれていること
●その他の酢
・醸造酢
穀物酢と果実酢以外の酢。
穀類、甘酒など、さまざまなものが原材料を使用
・合成酢
酢酸の希釈液に化学調味料などで味付けしたもの
●米酢の製造工程
①米を蒸す 米麹と水を加え 糖化させて醪(もろみ)をつくる。
これに酵母を加えて アルコール発酵させて酒を製造
②できた酒に種酢を混ぜて加温 発酵槽に入れて食酢菌膜を植え付け食酢発酵させる。
*種酢:発酵が終わった状態の酢。食酢菌が多く含まれている。
③約2週間後、出来上がった酢を熟成タンクに入れ、最低1~2か月間熟成させ、ろ過・殺菌して製品へ。
●効能
食中毒防止 食欲の増進 血流促進 成人病予防
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