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日本の食器(3)

150年ほどの歴史がある実家の整理をしたところ、古くは明治中期ころから昭和の時代までの古い、そしてレトロな陶器、ガラス器、漆器、銀製品などなどさまざま出てきた。令和の目で見たら、どれもが興味深いものばかりだった。
中でも、ガラス器は昭和になってから流行っていたらしく、いろんな種類がセットで多数あった。
実家にたくさんあった漆器は会津漆器だったが、人気はない。と、古物商は手も触れなかった。

ガラス器

ガラスの歴史

ガラス生地は中国からはいってきたもので、日本のガラスの歴史は弥生時代、多くの装飾品がつくられた。
器としてのガラスは、正倉院御物の品々があるが日本製ではないらしい。
江戸時代になってから、ビードロやギヤマンの小型の壷、鉢、徳利、風鈴、眼鏡レンズ、フラスコなどが和製ガラスの器としてつくられた。
幕末頃につくられた「江戸切子」と「薩摩切子」はイギリスなどヨーロッパの影響を受けているものの、繊細で日本的な美術工芸品。
明治・大正時代、実用品としてラムネの瓶などの容器、コップ、氷皿、醬油差し、フルーツボール、ランプ、金魚鉢、窓ガラスなどが庶民にも普及し始め現在に至っている。 
●江戸切子
天保5年(1834年)江戸大伝馬町の「びいどろ屋」加賀谷久兵衛が、金剛砂を使ってガラスの表面に彫刻を施したのが始まり。
明治時代になってヨーロッパのカットグラスの技法が伝わり、さらに完成度がアップした。

●薩摩切子
江戸時代末期に薩摩藩でつくられはじめた。透明なガラスに厚い色ガラスをかぶせ、浅いカットを施し匙ノン固有の文様・器形で世界最高水準のものをつくったが、わずか16年で断絶。幻の薩摩切子。

■ガラスの種類
〇ソーダガラス:最も使用範囲が多い。日常の食器、瓶、窓ガラスなど
〇クリスタルガラス:鉛を含み無色透明。高級なガラス製品など
〇カリガラス:ボヘミア、ドイツで発達。屈折率が高く、非常い硬く、薬品に強い。光学機械、理化学用器など
〇ほう珪酸ガラス:急激な温度変化に強い。耐熱食器、理化学用の実験器具、電球など

■ガラスの技法と種類
(1)成形
 ①溶けているガラスを使って形をつくるもの
吹きガラス、サンドキャスティング、プレス
 ②ガラスを溶かしながら形をつくる(バーナーワーク)もの
バートドヴェール、フュージング、スランピング、モザイクグラス
(2)加飾・形になっているガラスに装飾を加える
カット(切子)、クラヴェール、サンドプラスト、ダイヤモンドポイント彫刻、エナメル絵付け、エッチング
(3)ホットテクニック
ガラスに熱を加えて制作する技法
エミール・ガレ「フランスの薔薇」など
(4)コールドテクニック
常温のままで製作する技法

漆器=JAPAN

漆器は英語でJAPANと呼ばれ、欧米では漆器を日本の特産品と考えていた。

漆はウルシの木から採取した樹液を加工した天然樹液脂塗料。
ウルシの木から樹液をとることを「漆掻き」(うるしかき)「漆を掻く」という。
漆を塗った道具を漆器という。
●漆の特徴:熱、湿気、酸、アルカリに強く腐敗防止、防虫の効果がある。
紫外線に弱く、紫外線をうけると劣化し、極度の乾燥に長時間さらすとひび割れする。

■漆器の技法
①蒔絵(まきえ)~平蒔絵、研出蒔絵、高蒔絵
 蒔絵筆を使って漆で模様を描き、乾かないうちに金粉、銀粉をまいて磨きや研ぎ出しを行い、模様をつくる
②沈金(ちんきん)
 沈金刀で碓氷の表面を線刻し、その彫り跡に金粉、銀粉をすり込んで模様をつくる
③螺鈿(らでん)
 アワビや夜光貝の貝殻を薄くして研磨し、輝いたものを漆の表面にはめ込むゴージャスな仕上がり
④拭き漆
 顔料を加えてない漆を何度も塗って拭き取る作業を繰り返し、木目を鮮やかに見せる技法 お盆など
⑤彫漆(ちょうしつ)(堆朱ついしゅ)
分厚く塗った漆に長江を施す 「村上木彫堆朱」

■日本各地の漆器
〇津軽漆(青森県)
秀衡塗 ひでひらぬり(岩手県)
 黒や赤の顔料入りの漆を使って金箔をはった漆器
村上木彫堆朱(新潟県)
 村上地方は平安時代から漆の産地。木彫りの上に漆を塗ったもので風味が魅力
〇仙台堆朱(宮城県)
〇鎌倉彫(神奈川県)
飛騨春慶(岐阜県)
 木地を紅殻などで染めてから透明な漆を塗ったもの
〇輪島塗(石川県)
京塗(高台寺蒔絵)(京都府)
 黒漆器に金粉を蒔いて文様を描いたもの
根来塗 ねごろぬり(和歌山県)
黒を下塗りしそのうえに朱を塗って仕上げたもの。使用している間に下塗りの黒がのぞき素朴な風合いを生み出す。
〇琉球漆器(沖縄県)

自分のために輪島塗作家さんから購入
普段使いするように
と言われて大事に使っております


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