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2023年開催の第76回カンヌ国際映画祭で俳優の役所広司氏が最優秀男優賞を受賞とのニュースが日曜の朝に飛び込んできました。
役所さんが出演された作品はドイツの巨匠・ヴィム・ヴェンダース監督の『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』

さらに作品部門で『パーフェクト・デイズ』はエキュメニカル賞を受賞しました。嘗ては「全キリスト教会賞」と呼ばれた老舗インディペンデント賞です。宗教を問わず「人間の内面を豊かに描いた作品」と讃えられています。

このnote誌上でも度々取り上げていますヴェンダース監督へのリスペクトの思いが私自身にあって、最新作は東京を舞台に役所広司を主役に起用とあれば否が応でも期待は膨らんでいました。
因みに私は30年以上前からの持論として、日本でお金を払って観たい俳優3名に仲代達矢、緒形拳、役所広司を挙げます。
その役所さんがヴェンダース作品でカンヌで最優秀男優賞を受賞というのは、まさに感慨深いものがあります。
ヴィム・ヴェンダースがまた日本で脚光を浴びる事で’映画’が戻ってくる感覚、私の中の’映画’という意味合いではありますが、役所さんの受賞が日本人の‘映画’訴求を呼び覚ますきっかけになって欲しいと願います。

上記記事からはヴェンダース監督の心憎い演出もいろいろと散りばめられている最新作『パーフェクト・デイズ』。
ヴェンダース作品を観続けている方なら本作品のトレーラーとタイトルから「オッ!」と思われていると察するのですが、2017年公開のヴェンダース監督作品『アランフエスの麗しき日々』そのオープニングテーマソングにルー・リードの『パーフェクト・デイ』が流れます。
空撮から始まるヴェンダース得意の映像美にルー・リードのこの曲が非常に相まって印象的なのです。
その点で最新作は映画タイトルとイメージソングを『パーフェクト・デイズ』としたのは、これまた不思議なノスタルジーとヴェンダース監督が提示したいであろう作品テーマにおける普遍的な空気感の醸成のモチーフ、使いたくなる素材だったのだと感じました。

日本公開まで楽しみであるのと、今回の受賞を心よりお祝い申し上げます。


【インフォメーション】
http://magone-film.com/

田邊アツシ監督作品『マゴーネ 土田康彦「運命の交差点」についての研究』
いよいよ6月全国単館系にて劇場公開されます。お近くの劇場にて、ぜひ足をお運びください!
こちらの作品との関わりもまたご紹介したいと思います。

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