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‘レトロスペクティブ’
様々な媒体やジャンルにおいて回顧する楽しみ、ひいては温故知新へと可能性をみたりと案外、知的訴求には根本的な面だと気付かされます。
よくことあるごとに使う私の好きなフレーズに‘賢者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ’
旧ドイツの宰相・ビスマルクの言葉があります。
そうした実用的思考と単純に古いものに心癒やされる人間の生理的な欲求も実は‘レトロスペクティブ’に潜む、或るカタチではないかと思います。
若い人たちには新鮮で、中堅層にはどこか答え合わせのような原点を識る機会でもあって、古典は何かといつのタイミングを取っても私にとってはトレンドなのです。凡そ感じるのは人の感覚の普遍性への興味と言えます。
巡り巡る喜怒哀楽。
細かくは嫉妬や利己主義、破壊に残酷と…そこに至るプロセスに現代社会との差異はありません。そして抗うように純粋に生きたいとする願望を持ちながらも、生きる難しさの壁を乗り越える人、乗り越えられない人、こちらも様々です。
歴史、古典を敬遠してしまう人には、そうしたものから人間の感覚の普遍性を探してみるだけで、私は発見に繋がり、いつしか興味へと進化していくものだと、推奨したいです。

仏教用語で‘無明’という言葉があります。
知らない事で間違いを犯す、いわば転ばぬ先の杖のない人生航路を指します。
ある普遍性に基づく人間の真理が予め想定できるとすれば、自身過ちの頻度が減少していくのは至極納得できます。
と言いつつも、自業自得を承知して過ちを遂行するのが人間の性でもある為、期せずしてドラマが生まれ、これまた一面であり否定はできません。
結局、そうしたドラマが時代時代で繰り返され文学や芸術に昇華され、後世にそのまた後世に伝えられていくのです。

そこで考えるのは現代からはドラマは生まれにくいかもしれない仮説を立てるとするならば、インターネットによる情報共有がその根拠に当たるでしょう。
それでも机上の空論との比較において、現実で巻き起こる事象が必ずしも安心安全なものとは言い難い事実を目の当たりにして、古典に触れるトレンドは揺るがない確信があります。

‘レトロスペクティブ’評価としての映画はその点、最も触れやすい媒体かもしれません。
私が携わる下関名画座では本日9月24日(土)下関シーモールシアターにて、仏ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠・ジャン=リュック・ゴダール監督の1962年公開作品『女と男がいる舗道』こちら4Kデジタル・リマスター版を上映いたします。
ぜひ普遍性の感覚を捉えてみてください。

下関名画座上映日程 
2022年9月24日(土)
■場 所
シーモールシアター1
■作 品
「女と男のいる舗道」(1962/フランス/84分 4kデジタルリマスター版)
■監 督 
ジャン=リュック・ゴダール       
■出 演 
アンナ・カリーナ サディ・レボ アンドレ・S・ラバルトほか
■音 楽 
ミシェル・ルグラン
■タイムスケジュール
①11:00  ②13:30  ③16:00  ④19:30
■チケット 
当日1,300円
■後援
下関市
■協力
(株)cinepos
■協賛
社会医療法人松涛会 安岡病院
医療法人松永会 老人保健施設アイユウ
公益社団法人下関市シルバー人材センター
元祖瓦そば たかせ
金田博美 金田朋子
■問合せ
山中プロダクション
(090-8247-4407)

当日はゴダール作品から関連グッズも販売いたします。
この日のみしか購入できない貴重なアイテムを各少量限定販売となります。
さらにご購入の方には素敵なプレゼントもご用意しております。

『恋人のいる時間』 B2ポスター
『ゴダールのマリア』 B2ポスター
『パッション』『ゴダールのマリア』 
パンフレット


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