ファン交流イベントの著作権の抵触の可能性について+モラルある開催が必須

きっかけは1つのポスト

X(旧Twitter)で、STARWARSのファンが集まるイベントを企画したグループ(?)の内容がひどい…というものがあった。


見かけたポストより転載(本人より転載の許可取得済)
見かけたポストより転載(本人より転載の許可取得済)

イベント参加で
事前に5万円を徴収。その後追加で、2万円ほどを徴収というもの

ポスト主から頂いた情報によると、
大阪コミコン+関西のスター・ウォーズに関するお店巡り+広島まで遊びに行ったそう。

確認させていただいたところ、ポスト主さんは
東京⇄大阪の旅費とコミコンチケットは各自で支払い
広島までは関西空港から車で移動
とのこと
ちなみに、
関西国際空港から広島ICの高速代は8350円
(普通車/1月15日ナビタイム検索 出発お昼12時設定)

イベントの内容を見る限り、参加者にある程度の費用負担があるのは理解できるが謎なのは主催者のコスプレ衣装のクリーニング代が請求に入っていることである

こういった金銭的負担を参加者にお願いをするのもいかがなものかという部分が多分にあるが、費用の明細の提示などが文字情報だけになっており、主催者の利益が出ているのではないか?と勘ぐってしまうことからも、著作権的には微妙なのではないか?と思う部分が見受けられる。


ファン交流会は著作権に抵触しないのか?


ファン交流会はいろいろ開催されている


そもそもこういった「ファン交流会」は様々な映画やアニメ、ゲームを題材に行われているものだが、ファン交流イベントそのものでの
「著作権の侵害は実質黙認されている」と考えるのが妥当だろう

なぜならば著作権は親告罪であり、著作権保持者が
「コレはこういった部分が著作権法に抵触する」
と認識をして申告をして初めて罪になるから

また、ファン交流イベントを著作権者側がチェックをすることでファンの裾野が広がらないこともあるし、細かなイベントまで著作権側が管理チェックができないのも現実。こういうこともあり「ファン交流イベント」そのものは黙認されている…といえる。

では、ファン交流イベントでなにをしたら著作権法に抵触するのか?

まず著作権で大前提としてあ
1)営利目的としない
2)聴衆や観衆から料金を受け取らない
3)著作物を上演・演奏・口述等する者に報酬を支払わない場合
(著作権法の第38条)

となる。これは今回のイベント云々に直接関係したものではないが、著作権の基本として一番判りやすい部分であり
要は「他人のふんどしで相撲を取るな」である。

この場合、今回のポストを見る限りある程度の明細を提示しているが、領収書が明記(添付)されておらず、実際の費用面が明確にされていない…という部分が問題になりかねない。


費用の明細は記載があっても領収書の提示はなかったそう、また明細の提示がないと教えてもらえなかったというお話もあり……

ポスト主の情報を見る限り、トータルで7万円近い徴収を受けており、こういう場合は徴収したお金と出費したお金がほぼ同一額になる必要がある。いわゆる貸借対照表/バランスシートの公開が望ましいといえるだろう。

「スター・ウォーズ」という映画のタイトルを使用しての「ファン交流イベント」であれば、イベントで利益が発生しないことが大前提となる。そのためこのイベントで
主催者が利益を得た場合、著作権法違反となる可能性がかなり高い

またツアーと銘打っている部分があるが、これが2つの法令違反になる可能性があると感じた。(今回の案件では実質1つの違反疑い)

1つは「国内旅行業務取扱管理者」
もう1つは「第2種免許の取得の提示」


https://www.anta.or.jp/exam/  全国旅行業協会の国内旅行業務取扱管理者試験のHP


「国内旅行業務取扱管理者」は旅行業者のアテンドする人は持つべき国家資格。これも今回のツアーで主催者側が利益を得ていれば100%アウトの案件。(あくまでも個人の楽しみの範囲でツアーと銘打っている場合は別になる)

しかし第3者を巻き込んで旅費を徴収した時点で「利益を出していないことの証明」がモラルだろう。もしも利益を出していた場合は「国内旅行業務取扱管理者」が必要になる可能性が高い。
もちろん
参加者側のドライバー(主催者)への「善意による金銭の提供」は別になる。

ちなみに、ツアーと銘打ち事前にお金を徴収を行っているようだが、事前にお金を徴収する時点で「国内旅行業務取扱管理者」の提示があってしかるべきと個人的に思う。もしくは公的で明確な旅費計算をしたうえでの個人負担を明朗会計的に提示するべきとも言えるだろう。
(例として、
 A地点からB地点の移動距離と旅費計算をし参加人数分で割るなど)


もう1つ「第2種免許の取得の提示」は客を乗せて運転し利益を得る立場の場合に必要な免許。要はタクシードライバーやバス運転手などは必須の免許である。極論でいうと家族以外をクルマに乗せて目的地へ移動する場合コレが必要なのだが好意同乗の場合不要となる。

一応ポスト主さんに確認したところ、
関西国際空港ー広島間の移動はレンタカーでの移動で主催者含め免許所有する参加者がローテーションで運転したそう。
そのため今回の事案は「好意同乗」にあたるので今回は法的には問題ないだろう。

仮に第3者を伴って運転をして料金を徴収する場合「第2種免許の取得者」の運転が必須になるので注意が必要だ。

しかしやはり疑心暗鬼になるのは仕方ないのでは?

今回の明細内容はLINEによる提示のみで、
費用にかかった領収書などの「公的に認められる経費としての提示」がなされておらず、参加した人が疑心暗鬼になってしまうのは当然だろう。

ファン交流イベントでありながらも、疑心暗鬼になってしまう高額な請求がなされたことはかなりの問題で、一歩間違えると詐欺罪を始めとした犯罪になりかねない。
正確には参加側が「詐欺にあったのではないか?」と思っても仕方のないものといえる。
それは主催者側の費用明細の提示を観ても明らかだろう。


あくまでもひとつのポストの情報と投稿者さまからの情報であることは大前提としてだが……

今回のNOTEはあくまでもポストからの情報でまとめたものだが、ファン交流イベントとはいえ、様々な法的知識を得たうえで行う必要があるともいえる今回の案件。

主催者側のポストは黙して語らずだが、これらの話題をポストしている人をブロックしているところを見ると、かなりグレー。いや、意図的に利益を出しているのでは?と思ってしまうのは仕方ないと思うのだがいかがでしょうか?


あくまでも可能性です

改めて法令違反はあくまでも可能性であり、100%ではありませんのであしからずご理解ください。

ただ、個人的に意見を言わせてもらうとしたら、今回のイベント主催者の方の行動にはいささか不安になる部分と疑心暗鬼になって然るべき部分が多々あると感じます。

イベント開催は全てにおいてクリーンであるべきです。それはファン交流イベントのみならず全てにおいてです。
それがファン交流イベントが著作権側に迷惑をかけず、逆に寛容に応対してもらうための「モラル」であるといえるでしょう。

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