キネ坊主の映画人生を紐解く25

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昨日は、ミニシアターエイドのYouTubeライブを観ていたら、noteを書く時間が…!!3億円突破凄い、おめでとうございます!来月には、京阪神のミニシアターの再開を是非!

https://www.youtube.com/watch?v=uXe5WQFyOsQ

では、本日は『アカルイミライ』(2003)を取り上げてみます。

[工場で働く雄二が、唯一心を許せる存在は同僚の守だけ。しかし、守はある日、大切に育てていたクラゲを雄二に残して、突然、姿を消す。呆然とする雄二の前に、守の父親が現れ、雄二は彼とともに暮らすようになる。]

オイラが黒沢清監督作品を劇場で観たのは本作が初めてでしたね。2003年2月にシネ・リーブル梅田で観ましたね。

黒沢清監督作品を観てみたい!オダギリジョーさんを観てみたい!THE BACK HORNによる主題歌『未来』を劇場で体感したい!とかっていう動機で観にいったんじゃないかな。

この頃は、重い空気を感じる日本映画を観るのが好きだったかな。どちらかといえば暗い話ではあります。でもだからこそ『アカルイミライ』という記号的な明るさや未来を最後に見出そうとした作品でもあるのかな。こんなタイトルを付ける才能は尊敬するないです!

そして、本作において印象的に写されるクラゲ。ビジュアルとしては美しくも、危険な猛毒を持っている。世の中や現状に対して何もアクションを起こさず無気力に働かざるを得ない雄二や守の不安定さを象徴しているようにも感じます。されど、水槽から放り出されたクラゲは繁殖を広げ大海を目指していく。それも一種の”アカルイミライ”とも云えるでしょうか。

ラストにはチェ・ゲバラのTシャツを着た男子高校生達が印象的に写され、ある種の若者の群れざるを得ない故の革命アティチュードも感じます。その中には、映画初出演で金髪の松山ケンイチ等もおり、若き才能が集結した作品であると改めて実感する次第です。是非、一度は黒沢清監督にインタビューしてみたいなぁ。

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