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芋ほり遠足か、ハロウィンか、保育園行事の今昔

前回、新しくつくられた保育園には、園庭のない園が多いという、まったくもって、わたしの個人的な見解を述べさせていただきました。

ここで、またもや、個人の思い出話を述べさせていただきます。
かれこれ、30年ほど前の、ある区の保育園の予算をめぐってのことです。

当時、その区の保育園では、毎年、「芋ほり遠足」なるものを実施していました。大型バスを借り切って、みんなで、農園に芋ほりにでかけるという、
その日ばかりは、泥んこになっても大丈夫、お目当てはお芋ばかりではなく、ミミズなんかでいたずらしても大目に見てもらえるそんな遠足でした。しかし、この大型バスの借り上げ料などは、100%区の持ち出しの補助金だったので、財政難を理由に予算が削られてしまったのです。

これには、現場の保育士や保護者の反対の声が大きく、区は急遽、復活で予算を組みなおす羽目になったか、ならなかったかまでは、さすがによく覚えていないのですが・・・。

財政難と言ったって、ちょっと前までは、バブル景気で浮かれていたくせに、不景気風が吹き始めたとたんに、子どもたちにしわ寄せがいくなんてと、反対の声が大きくなったのを、覚えています。

それこそ、SNSのない時代でしたから、保育園の組合のビラとか集会なんかが開かれたりもしていました。そうなると、区議会議員も顔出してきてと・・・。そんな時代もあったねと、です。

当時は、都会の子どもたちは、畑で土に触れる機会なんてないんだから、それを奪わないでと、盛り上がっていましたが、でも、ほとんどの保育園には園庭がありました。園庭は掘り起こせないからね、と当たり前のようにもっと「土」に触れ合う時間を求めたわけです。

振り返って、今はどうなのでしょうか。
まだ、23区内でそんな予算がついている区があるのでしょうか。

30年前だったら、前回のnote記事で取り上げた首都圏のベットタウンのその街は、それこそ、大都会のカテゴリーにははいらないですし、今だって、都会の子どもだからとみられるわけでもないでしょう。
30年前に、そこに園庭のない保育園が次々とつくられるようになるなんて、誰が想像したでしょうか。

最近の保育園行事と言ったら、芋ほり遠足なんかよりも、ハロウィン・イベントではないでしょうか。

幼児のうちから、英語教育・・・が流行りですから、一見すると、ハロウィンイベントのほうが時代のニーズに合っているようにも見えます。
でも、考えてみると、結局は、低コストの方にに流れているだけかも。

渋谷のハロウィンが盛り上がるのも、低コストで楽しめるからという面があるから若者が集まるのではないかと思うのです。

昔ながらの秋祭りや収穫祭は、富は分かち合ってこそ、という精神がベースにありましたが、今のハロウィンの盛り上がりは、「明日がないと思うなら、子供たち、夜になっても遊び続けろ」というデカダンな雰囲気です。

子供を取り巻く環境や子育ての土壌は、どうなって変わってきたのか、そんなことを考えさせられる秋でした。


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