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ゲームプランナー

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返事やレスを早くしようとすることに意味はあるのか

仕事で取引先や同僚、他部署からの問い合わせや質問、会議の案内などを受け取ったとき反応の速い人と遅い人がいる。

新卒ならそういう指導を受けることもあるんじゃないかと思う。僕は受けたことがあるし、逆に言ったことも過去にある。返事は迅速に。コレ常識。そんな具合だ。

しかし、仕事がデキる人になるにはこのような行動が欠かせないと言われたとき、皆さんはどう思っただろうか。

正直「返事、レスを早くすること

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「意見をください」とフィードバック

今日のテーマは「良い問いかけをすると良い答えが返ってくる」というお話です。

ゲームプランナーは仕様を考えるときの悩みが多い。

キャラクターのパラメータのバランスこれでいいのかな?このイラスト魅力的に見えているかな?新しく考えたイベント考えた通りに盛り上がるかな?このイベント報酬、ここで主人公にどんなセリフ喋らせたらいいかな?etc.

自分で見てきたもの、読んてきたもの、経験したこと、知ったこ

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細かすぎる仕様書をあまり書かなくなった話

ゲームプランナーの仕様書にもレビュー(内容確認し、必要ならリテイク指示をする作業)という工程がある。

プランナーが書く仕様書というのはその人の経験値がかなり反映されてしまう部分があって、それは主に粒度、詳細さ、どれくらい先(周り)のことまで考慮に入れているかという点に表出する。

レビューワー(大抵の場合、経験豊富なベテランプランナー)からすると「ここの記載が曖昧だからプログラマがどう実装すべき

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仕事の速さとクオリティのバランスのとり方

自分の仕事の進捗を自分で管理するのは難しい。誰だって自分に甘くなるし、締切もクオリティも妥協しがちだ。

でもこれを精神論で乗り越えようとするのはお勧めしない。人間は堕落する生き物だし、心をいつも強く持てるわけではない。

自分のタスクやスケジュールを管理する良い方法は、良いルーティンを習慣化することだと思う。習慣化して「がんばろう」とか「意識高くしよう」とか「期日は守らなきゃ」みたいな心の余裕を

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ゲームデザイナーとレベルデザイン

僕はゲームデザイナーみたいなことをやるゲームプランナーで業務の一つとしてレベルデザインもやっている。たぶん・・・そうだとと思う・・・かな?(謎)

正直、この言葉の意味するところが人や組織、地域によってバラついていて、扱いに困るところがある。

とりあえず自称してる人もいればキッチリ言葉を定義して自分を説明している人もいて、聞く側としてもやりづらいし自分の職業や仕事を説明するときにも雑に使うと誤解

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文書のメンテナンス

ゲームプランナーの仕事は1/3がゲームを触って確認したり考えたりすること、さらに1/3がチームの内外の人と話をして物事を進めること、のこりの1/3が書類の作成だ。

プランナーの仕事をざっくり抽象化すると、何かを自分の頭にインプットして、それを熟考し、アウトプットする。そのアウトプットを以って、また別の人にアウトプットをしてもらう。そんな感じ。

僕たちのアウトプットは何かというと、企画書だったり

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エラい人が外見から入る。プランナーは中身を考える。

受託開発とか、よそから持ち込まれた案件にありがちな事。それはクライアント(パブリッシャーの担当)が「こんな機能入れたいんだよねー」とかるーく言うやつ。
この発言、ほぼ確実に「俺が好きだから入れたい要素」なのである。

なのでプランナーからすると「え?実装する意味は何ですか?」ってな具合になる。

盛り込む仕様には必ず理由が存在する(必要である)予算と時間と人を使って我々はゲームを作る。無駄なものを

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ゲームの仕様書には設計思想を盛り込む

ゲームの開発、運営というのは基本的にチームワークである。中でもゲームプランナーは直接的な実装に関わる事が少ないのが特異で、プログラムやデザインなどに代表される「技術」が不要と思われがち。

実際、技術を持ったスタッフは他にいるのでこの理解はある意味正しい。
正しいのだけど、ゲームプランナーの技術というものが無いわけではない。

それはゲーム全体を設計する能力、要素を分解、解釈し、再構築する能力、あ

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スマホゲームにおける期待値の話

・確率における期待値は、(加重)平均
・スマホ系のゲームのバランス、デザインを考えるときは期待値をベースに議論をすることが多い
・期待値が一致していても生み出されるUXは同じにならない
・狙ったUXを実現するためには期待値ではなく確率の分布が重要

スマホに限らずゲームを作るときに必ず扱うのが「確率」である。
例えばガチャならSSRが3%、SRが10%、その他が87%みたいなやつ。

ガチャだけで

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リモート環境におけるゲームプランナーのOJTの難しさ

・ゲームプランナーの研修は殆どがOJTによるもの
・近くにいる先輩社員の仕事を見たり、聞いたり、教わったりする
・働き方の方法論について普遍かつ確立したものは見たことがない
・リモート環境はかなり新人にとって『不利』である
・元々学習効率の良いタイプとそうでないタイプとの差がより広がる

ゲーム開発におけるプランナーという仕事は、とてもフワっとしている。「これをやっていればOK」というものが無く「

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効率化された慣れから離れるということ

新しいこと、未経験のことに取り組むというのは楽しい。何が効果的で何が効果的ではないか、もっと手っ取り早い方法は?、成果が見えないけどこのままでいいのか、そういう思考や行動を重ねて適切な解を探すのは面白い作業だ。

でもこの作業を続けている状態とは最適化されていないとも言えるので、いつか「こういう手順でやればOK」というメソッドのようなものを見つけていくことになる。

今担当している業務もそうで、ゲ

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ユーザーの気持ちからゲームプランナーの論理へ

ゲームプランナーには色々な人がいるけど概ね共通しているのが、何かしら好きなジャンルのゲームや贔屓にしているメーカーがあるという点だろう。
かくいう自分もスクウェアという会社の信者であり、異端でもある。
任天堂系ゲームは性に合わないが作っているものはスゲーと思うし、なんでここまで気が回せるんだろう?と思う事が度々ある。

僕らがゲームを考え、作るときの最初の足がかりはこの好きというヤツで、これに始ま

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このnoteの書き手の話

このnoteの書き手の話

僕はゲームを作る仕事をしている。ゲームプランナーというやつ。

ゲームデザイナーとかゲームクリエイターと名乗れると格好いいのだけど気恥ずかしいので心のなかでだけ自称している。

この仕事をして20年くらい過ぎた。時代とともにハードやプラットフォームが移り変わって、いまではスマートフォンで動作するゲームを作っている。ある種の人がゲームと認めないスマホゲームというやつだ。

実際、自分で遊ぶことは仕事

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