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イカれてこそ生き残れるイカれた世の中『このエリアのクレイジーX』

2021年・韓国
演出:イ・テゴン
脚本:ア・ギョン
出演:チョンウ、オ・ヨンソ

家が隣同士で、かかりつけの精神科医も同じ二人の男女。関わりをもたずにいる方がお互いのためなのに、なぜか事あるごとに顔を合わせる羽目になり…。
(Netflixより)

タイトルと主演二人のビジュアルに惹かれて見てみました。韓国ドラマとしては短く、1話30〜40分で13話なのであっという間に完走できます。

コメディ要素の強いラブコメですが、最後には「なんかよかったね」って思えるような作品でした。

何かにつけて激怒してしまうノ・フィオ(チョンウ)は、過去のある事件で停職中の刑事で、忿怒調節障害という診断を受け精神科に通院しています。

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同じ病院に通うイ・ミンギョン(オ・ヨンソ)は過去の辛い経験がトラウマとなり、強迫性障害を患っています。身の回りに異常なまでの警戒心を抱いていて、時にそれが被害妄想に発展したりします。誰からも近づいて欲しくないので、外出時には髪にマーガレットの花を一輪さし、黒いサングラスをかけています。髪に花を指しているような女に誰も近づいてこないでしょう、というわけです。

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ある日の診療の帰りに、ミンギョンがフィオに後をつけられていると誤解します。二人はたまたま同じアパートの隣同士に住んでいるので、方向が同じだっただけなのですが、この誤解をきっかけに、二人は互いを刺激し合う天敵のような関係になって行きます。

フィオが誤解されているくだりはコメディ全開で笑うところなのですが、私はどうもフィオにシンパシーを抱いてしまい、一緒にイラついてしまいました。やだなもうドラマなのに。笑

ミンギョンがそんな風に被害妄想的になった原因は中盤で明かされます。まあひどい話なのです… しかもその元凶は消えていなくて、のちにフィオをも巻き込んだ騒動へと発展します。

ひょんなことからとある事件の犯人を捕まえたり、アパートの婦人会のおばさまたちの干渉に辟易したり、逆にその繋がりに救われたりしながら、最終的に二人の心の傷は癒えるのか、二人の関係はどうなるのか、というのを見届けることになります。

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ネットでの中傷やトランスジェンダーへの差別など、近頃の社会問題も(軽くですが)取り扱われています。

個人的にはチョンウがすごく魅力的でした。
人気シリーズ『応答せよ1994』(2013) 出演で有名らしいですが、私は本作で初めて見ました。なので多分、私の頭の中ではノ・フィオ=チョンウとなっています。
まずノ・フィオというキャラクターが魅力的で、それをチョンウが魅力的に演じたということになるでしょう。
『応答せよ1994』も配信で視聴可能になったら見てみようと思います。(Netflixには今のところ1997しかなく、Amazonプライム・ビデオでは視聴不可になっています)





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