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『築地』で飲む京都初のウインナー珈琲
翼猫さんにこんな喫茶店があるよーっと教えていただきました。
京都の四条河原町にある喫茶店『築地(つきじ)』です。
築地は、昭和9年に創業された喫茶店。
京都にある三大レトロ喫茶の1つです。
演劇好きの初代店主が、東京の「築地小劇場」から築地という名称を取ったのだそうです。
長年京都に住んでいて、なおかつ、四条河原町はよく行くのに存在を知りませんでした。
そんなのあったっけなぁ…。
地図を頼りに喫茶店がある路地を探します。
河原町通りに面した路地を見つけ、奥へと進むと左手にオシャレな洋館が現れました。
![](https://assets.st-note.com/img/1679033079783-2SYWC5YQCj.jpg?width=800)
壁面に貼られたカラフルなタイルが美しい。
分かりづらいですが、よく見ると『築地』と書かれた看板が扉の右側に掲げられています。
見上げると建物の二階にも『築地』の文字。
扉は開かれていましたが、中は薄暗く店内の様子が分かりません。
初めて見る人は、この建物が何の店なのか分からないでしょう。
"喫茶店"や"カフェ"といった文字が見当たらず、あるのは、"築地"の二文字のみ。
私も何度か前を通っているはずなのに、喫茶店とは気づかず通り過ぎていました。
まさに知る人ぞ知る喫茶店。
京都にはこうした隠れた名店が多いので、探し歩くのも面白そうです。
店内に一歩入ると、西部劇で見るような両開きのウエスタンドアが行く手を遮ります。
ウエスタンドアを両手で押し開けました。
すると目の前には、京都の落ち着いた和の雰囲気とは全く異なる異国情緒あふれる空間が広がりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1679034358504-5HbKEzLbSs.jpg?width=800)
西洋の絵画やアンティークな置物が飾られ、荘厳なクラシック音楽が流れています。
ここが京都であることを忘れてしまいそうです。
案内されたのは1階の席。
奥を見ると2階へと続く階段が見えます。
どうやら2階にも席があるよう。
2階も覗いてみたいという欲望に駆られましたがまた次の機会に。
椅子に腰を掛け、メニューを眺めます。
メニューには普通の喫茶店にはある定番の商品、ブレンドコーヒーがありません。
「ホットコーヒー」と注文して出てくるのは、なんとウインナー珈琲。
調べてみると、築地は京都で初めてウインナー珈琲を提供したお店なのだそうです。
終戦直後、植物性のコーヒーフレッシュや粗悪なクリームしか手に入らない状況下で、初代店主は本物のクリームを使用したウインナー珈琲の提供を始めました。
このこだわりが三代目となった今の店主にも引き継がれています。
そんな歴史あるウィンナー珈琲と名物のムースケーキを注文。
![](https://assets.st-note.com/img/1679034931683-TWq8flCAso.jpg?width=800)
まずは、ウインナー珈琲を一口いただきました。
なめらかで甘さ控えめの生クリームがコーヒーの苦味とよく合います。
ムースケーキは、見た目も美しく品があります。
上に載っているのは、真っ赤なチェリー。
果肉入りのムースは甘く、添えられたベリーソースの酸味と相性ぴったりです。
京都にいながら、西洋で優雅な一時を過ごした気分になりました。
皆さんも是非一度訪れてみてください。
■店名
築地(つきじ)
■住所
〒604-8026 京都府京都市中京区 河原町四条上東入
■営業時間
11:00 - 17:00
(定休日なし)
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