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会社を創業した日に書いたこと(2013年4月1日)

思えば、私がデザイナーという職業をはじめて、丸12年になります。

高校時代に自分の中から湧き出る何かを表現したくて、ぼんやり芸大に行きたいと両親に話したことから始まります。何がしたいのかもわからないので当然許してもらえず、一人暮らしの大学生活という浮かれた気持ちの中、京都の大学で法律を学びながら過ごすことになりました。ただ、どこかで美大・芸大生にコンプレックスを抱き、心の穴を埋めるように画材店に通ったり、家に籠ってひたすらデッサンやイラストを書いていたのです。そんな生活が2年続きました。それでも心の穴は埋まらず、バイトで貯めたお金でデザイン専門学校夜間部に通い始めました。少しながら美大生・芸大生に近づけたようで、とてもうれしかったことを覚えています。そんなある日、学校の図書館でADC年鑑を偶然手にとりました。何気なくパラパラと眺めていたら、一線のアートディレクターが表現する華やかな広告デザインにどんどん引き込まれていく自分がいました。これで生きて行こう!というものが見つかった瞬間です。

卒業後はデザイナーを目指すべく、夜行バスでリュックと自転車だけを抱えて友達の家に転がり込んでのスタートでした。たくさんの方々に、たくさんの迷惑をかけてきました。私のデザイナー人生は、迷惑をかけてきた結果が今、ここにあると思っています。私のことを一番に思ってくれた両親をはじめ、毎日を支えてくれた妻、いままでお会いしたすべての方々に本当に心から感謝いたします。

そんな私が、今日から会社を設立します。『シカタ株式会社(CICATA)』と言います。会社名は、私の生まれ故郷「志方」からとりました。私の原点でもあり、これからデザインを通じて、自分が「志」す「方」向を示していこうと思い、この名前に決めました。「デザインはコミュニケーション」だと考えています。グラフィックデザインにとどまらず、これからどんどん「コミュニケーション」の場を広げていければと思います。

みなさま、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

シカタ株式会社ウェブサイト