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「女である時期」を読んで


合点のいくことばかり、というのがまず感想。

助産師として学び働いた経験からみても、私が感じていた「 "本当の意味での" 女性の尊重 」についても、実に具体的に話されていて、うなずきと新たな発見が溢れる一冊でした。

以前書いた記事も一緒に読んでいただけると嬉しいです。『男女は雇用機会だけが均等でも


男と女の違いは実に単純で『生殖器が外にあるか内にあるか』
(※単純であることと簡単であることは全く別物、simple ≠ easy です。)
そして、生殖器が内部にあれば、内部のいろいろな臓器が生殖器の影響を受ける。

先生は現代で月経不順が多いのは生活が次第に男性化しているからだと指摘されています。
女性の地位が上がる=女性の尊重 ではなく、女性の体を毀(こわ)さないということを前提に仕事の範囲が定められてはじめて、女権が尊重されたと考えてよいのです、と。

私が総合病院を辞めた理由のひとつとして、この働き方をしながら子を宿したくないと感じたというのがあります。
助産師を生業とすることは本望でしたが、いつの間にか「生業」が「業務」になり、自分の生活リズムすら乱れるような働き方になっていました。
もし自分が胎児だったら、こんなお腹に宿りたくないだろうと感覚したのです。

女性の働き方が多様になることも、女性を卑下する風潮がなくなることも、もちろん良い面もありますが、適さないから今まで女性がその職業に就いていなかったのかもと考えると、所構わず女性が進出していくことは、良いことだけではないはずです。

その働き方は女性の身体、女性性を尊重しているのかまで考えと感覚を巡らさねばなりません。

ここには書ききれませんが、その他にも野口先生の月経、妊娠、分娩、産後、更年期の捉え方もとても興味深く、的を得ていることばかりでした。

女性のライフサイクル全てに寄り添う助産師という生業。私を形成するひとつの片鱗。
体現の仕方は無限大。焦らず見つけていきたいです。

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