真・スルースキル

　嫌味だの皮肉だのまあ細々といろんなことに、いちいち心が反応して、辛くなることがある。
　と、言うと、「スルーすればいい」って言われる。
　今までは、これがよく分からなかった。

　もともとスルーするのが苦手だった。
　スルーできないから辛いんじゃないか、とか思うし、無理にスルーしようとすると、心を蔑ろにしている気がしてた。
　つまり、心を押さえつけて我慢しているような感覚になっていた。
　だから、スルーしようにもできなかった。

　でも、わかった。
　反応して暴れようとしている心を押さえつけて、無理に我慢するのではなくて、心という領域そのものに、嫌な刺激をぶつけないようにすればいい。
　心の反応をどうにかするのではなくて、心が反応する前にさっと受け流す。
　たとえば、息を吐いたりして。
　そして、意識を別の方へさりげなく動かしたりして。

　これは、我慢してるわけじゃない。
　たしかに、意識の中ではひと手間かけているかもしれない。
　それでも、心を暴れさせるよりはかなり楽。
　だから、できる。
　うまくいくと、楽しくすらなってくる。

　イメージを変えるだけでどうにかなるものなのかと言われそうだけど、心がそもそもイメージの塊みたいなものだから、実は結構効果がある。

　これが、強くなるってことなのかもしれない。