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「書かないこと」にも【らしさ】は宿る

〈シャルって、言葉選びに慎重よね〉
 そうだよ。

 むかし、ネットスラングの使い方をミスっちゃって。
〈ミス?〉
 言葉には色んな意味があるでしょ?
 で、そのスラングが意味するものをちゃんとわかってなくて、かなり失礼な物言いをしたことがあって。

 それ以来、言葉選びはかなり慎重にしてる、つもり。


シャル
主人公
〈ロミルダ〉
妖精


 思うんだ。
 僕の文章で、読む人を嫌な気分にさせたらダメだって。

〈……それって当たり前じゃないの?〉
 そうかもしれないけど、僕は特に強く気にしてる。
 読み手としての僕がすっごく気にしちゃうタイプだからね。
 文章を読んでいて、引っかかる箇所があったら、気になって気になって。

〈でも、何が嫌なのかは人によって違いそうだけど〉
 そうなの。まさにその通り。

 他の人が何に反応してしまうかは、わからない。
 だから、わかるものを使って最大限対処するしかない。
〈わかるものって?〉
 自分の感性だよ。

 そう、つまり。
 自分が嫌だと感じるものは、絶対に書かない。

 話の内容としても、ちょっとした受け答えにも。
 ネタとして使いやすくても、ノリとして場に合っていても。
 自分が気になっちゃうものは、書かない、使わない。

 ――――と、ここまでは、僕が大切にしてきたことのお話。
 最近、この話から、ひとつの考えが浮かんだ。


 「書いていないこと」は、【らしさ】のひとつになる。

〈【らしさ】って、自分らしさ、みたいなこと?〉
 そうそう。

 この【らしさ】は、ぱっとはわかんない。
 だって、書いてないもの。見えないんだもの。
 でも、「そこに嫌なものがない」ことって、積み重なると、はっきりとした雰囲気を生み出す。

〈たとえば?〉
 たとえば、僕のnoteにおいて。

 徹底的に、僕の感性が嫌がるものを書かないでいたら?
 それは、同じ感性を持つ人にとって、かなり読み心地の良いものになるはず。

 それは、「この人の文章はなんかいいなぁ」と思わせる個性になる。

〈はー、なるほど。だから、嫌なことを「書かない」のも【らしさ】のひとつってこと?〉
 うん。


 【らしさ】は、どこに宿るのか。
 「書いていること」には、もちろん宿る。
 そして、「書いていないこと」にも、しっかりと宿る。

 だから、何を書くのかと同じぐらい、何を書かないかに、気を配りたい。


 今回はここまで。
 良いのが書けた…!
〈お、今回は自己評価が高いのね〉
 うん!

 ただ、自己評価が他者評価と比例するかと言われると…。
〈そんなことないのよね〉
 ね。

 そして、なまじ自己評価が高いと、反応が薄味だったときに受けるダメージが多くなっちゃう…。
〈それもまた難儀な話よね〉
 ね。

〈でも、今回も書ききった!更新できた!ってのは、良いことでしょ?〉
 それはもう!
〈じゃ、満点!次回の準備でもしましょ〉
 ……うん、そうだね!

 それでは、またあした。
〈ばいばい!〉

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