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昨日は東京での最後の休日、日曜日。
もともとこの日、人と会う予定になっていたので、引越し準備は休止し出かけた。
まず高校時代の一年先輩の一人Sさん。

以前も書いたが、facebook全盛時代に始まった大同窓会ブーム。
高校は大阪府立の一つだが、多くの同窓生が東京で働いている、暮らしている。そして昨年を除き、毎年、形を変えて年代問わずの大同窓会を東京のどこかで開いている。
私はその世話役会の一人だ。
そんな縁で一時はあらゆる年代の方たちとお付き合いが始まったが、特に一年上の先輩方、二年下、五年下の後輩連中とそれが加熱した。
何年か経つと、加熱したお付き合いは鎮静化、私自身もfacebookの投稿をやめて、会う人たちは収斂されていき、同じ学年の一人Fと一年上の先輩方々とだけは会う関係をキープできている。
しかしその先輩方々とも昨年3月のあの三連休以来、コロナ禍により誰ともお会いすることはなくなった。
先般、天理大がラグビー大学選手権で優勝したことを先輩方と私のグループラインで盛り上がっていたが、私はその時ははしゃぐ気分になれず、何のリアクションもしなかった。
するとSさんが、皆が盛り上がってる最中に私にサシでラインを送ってこられ「去年のように阪神タイガースのカレンダーいるやろ?渡したいねんけど…」って聞いてこられた。流石にそれにはノーリアクションというわけにはいかずSさんには「社内ですら発表がまだなので誰にも言ってませんが実は色々あって大阪に戻ることに…」とお伝えし「えーー、じゃあ早めに会おう」と言ってくださった。しかしその時点ではそれ以降に何の予定もなかったが、あの時は本当に外に出る気が全くせず、具体的な日時を決めずに「また連絡します」とだけ返していた。すると先週、Sさんからリマインドのラインが来て「今度の日曜日あたりは?」と聞かれ、それならと約束が確定した。しかしその約束した時点では今週から大阪へ行きっぱなしと決まる前だったのでそれなりに余裕があると思っていたが、その約束を確定した翌日に行きっぱなしが決定し本当にこの日、いわゆる昨日しか会える日がなくなってしまった。
そして今月2度目の丸の内へ。
事情をかいつまんで話すと「虫の知らせやったんやろね、何か連絡しないとと思った」と言ってくださった。
ありがたい話だ、Sさんも昨年3月以来、誰とも会ってないのに、単にカレンダーを渡したいってことだけで私に連絡してきてくれたことがこんな形の会い方になるとは。
「皆が寂しがる」
飾らない言葉だがそれが響く。

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色々お話しして「加害者であり被害者でもある」という体験をもとに何かできないか?と助言も頂いた。そのフレーズも凄く気に入ったし、その具体策みたいなものも少し出てきた。
やっぱりこういう時って人脈、ネットワークって素晴らしい。『風の時代』の流れに乗ってきた感じだ。
それに当たり前と言えば当たり前だが、今回の件は無条件で私が正しいと信じてくれたことが嬉しい。
笑ってお別れができた。

その後、所用で池袋へ。その所用を済ませ、今度はこの13年間、最も頻繁に会っていた同級生Fと待ち合わせ。
時間がないのでお茶だけ。Fは今週のスケジュールが決まったことを伝えるととにかく短い時間だけでも会おうと言ってくれたので、わざわざ池袋まで来てもらった。

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いつも通りの他愛もない話しをして時間が過ぎて行ったが、帰り際、プレゼントを貰い、私が軽口で「今年も目黒川の夜桜は中止かな?」と話すと急にしんみりと…。昨年は中止になったが、それまではもう7、8年欠かさず一緒に目黒川の妖艶な夜桜を観に行ってたから。それを思うと急にお互いに惜別の情が沸き立った。

そして最後に本当は前週に挨拶だけ行こうと思っていた原宿/千駄ヶ谷の馴染みの雑貨ショップへ。ここは開店当初からずっと行き続けているし、T店長とは何度かランチに行くくらい懇意にしている。最近は物を買うより単にお喋りをしに行ってるような感じになってしまったが…。

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そこで引越しに使う工具入れみたいなものを買って、その際、私が「今日が最後で一生会えないな」と軽口を叩くと、笑いながらもほんの少し真剣にその工具箱で小突かれる。
そしてプレゼントまで頂き笑って別れを告げる。

皆、それぞれ私との関係性において、惜別のあり方は違う。今回は少しの人と少しの時間だけ会って少しお話してお別れした。
私の決して喜ばしい状況ではない異動とコロナ禍における環境によって、別離の仕方はこのようにささやかな方がいい。
そうでなければ会社を含め各コミュニティのそれなりの多くの人数が集まって一次会二次会…ということが繰り広げられただろう。
しかしそもそもの異動のきっかけがきっかけだけに皆で騒いでもらうような性質のものでもないし、今回はそれをされると辛い。そういう意味では先般の日記にも書いた通り、コロナ禍によってそういうことをしない言い訳がお互いに成り立つので、不謹慎な言い方にはなるが、ありがたいと言えばありがたい。

帰宅して滅多に観ないテレビを観ていると佳境となった大河ドラマ「麒麟がくる」で徳川家康が明智光秀に織田信長のことを話すシーンがあった。史実上こんな場面はあり得ないと思うのだが、そこでの台詞が
「ことを構えるつもりはないがあまりに理不尽な申されようがあれば己を貫くほかありませぬ」
と。
重ねるつもりはないが私は貫いてしまったことが今回の重い処分に繋がったと見ている節の人もいる。
そうかもしれない。
しかし私は間違ったことをしたとは思っていないので、まさしく貫くほかなかったし、後悔はしていない。
そのことは表現の仕方は各々違えど、今日会った3人には伝えた。
上のシーンから続く歴史はその話した相手がまさしく京都の本能寺で信長を斃し、そして話した人が最後は江戸で天下を取った。
重なることはないが、この場面については自分勝手に非常に共感できたものだった。

天気は良くなかったし、スカッと遠出でもして遊び倒したというわけではないが、最後の休日は本当に良い日となった。
本日は事実上、東京でのラストデーになる。仕事もあるが、最後の引越し準備をし、この2ヶ月弱を象徴するような少し燻った気持ちのまま、明日の移動に備えたい。

まだまだ未熟で、発信内容はブレブレのところもありますが、応援を無駄にしないように頑張ります‼️