風の中の慈悲
風の音しか聞こえないとき
海が静かに凪いでいるとき
フライパンに引いた油が延びるように
世界に慈悲が満ちる
すれ違う他者からの一瞥で
あるいはメッセージの受信で
風に吹かれる蝋燭の火のように
慈悲は乱れ散る
風に舞った慈悲を
草木の間に隠れた慈悲を
(ときにそれは
(蟹が持ち歩いていることもあった
探し求めている間に
人は自分に優しくなれる
のだろうか?
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風の音しか聞こえないとき
海が静かに凪いでいるとき
フライパンに引いた油が延びるように
世界に慈悲が満ちる
すれ違う他者からの一瞥で
あるいはメッセージの受信で
風に吹かれる蝋燭の火のように
慈悲は乱れ散る
風に舞った慈悲を
草木の間に隠れた慈悲を
(ときにそれは
(蟹が持ち歩いていることもあった
探し求めている間に
人は自分に優しくなれる
のだろうか?
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