MARETUさんが一年半ぶりに新曲を出したらしいが【VOCALOG Vol.2】

 2021/5/20、Twitterにて事件が起きた。

 なんと突如MARETU氏によってこのようなツイートがされたのである。
正直MARETUさんはなかなか長いこと新曲を出されていなかったから、半分諦めモードの私がいた。しかしこのようなツイートがあっては黙ってられない、聴こう。

2021/5/21、遂に時は来た。

ナミダ……、NAMIDA……あれ。
新曲が投稿されるまで、MARETUさんの最新曲は「マジカルドクター」だった訳だが……。

(マジカルドクター)
変わらず下線の入った文字をタップするとニコニコの方での動画の視聴が可能になってます。
※この映像はかなり点滅が激しいため、視聴の際はご注意ください。

 こちらを聴いてもらえると分かるように歌詞中に
「NAMIDA」とあるのだ。

そう、最新曲のタイトルともなっているナミダだ。
 当時からこの曲……というかMARETU氏の手がける楽曲の考察は数多く行き交ってはいるのだが、まさかこれが次の曲のタイトルとなることなど誰が予想できただろうか。興奮が冷めやまない。

(ナミダ)

 とりあえず聴いてもらえれば分かるが、安定のMARETU節である。サムネの雰囲気から曲調、調声……ありとあらゆる面で懐かしさを感じさせてくれた。ほんとに帰ってきたんだって嬉しすぎてナミダちょちょ切れそう。

 先述した通りに、マジカルドクターとの関連性があるという前提のもとで考えていこうと思う。

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そもそもマジカルドクターとは?

 上記の楽曲、と片付けてしまうのが一番手っ取り早くはあるが、関連性のある曲を語る以上、大まかにではあっても世界観を知ってもらわねばならない。

 あくまでここからは私の考察であり、決して正解ではない、ということを頭の片隅に置きながら読んでいってほしい。

精神を病んでしまった患者の心理を描写した曲


 これが結論であるともいえる。


①映像の目まぐるしく移り変わる様子
 ⇒視聴者からは「インフルエンザの時に見る夢」とも揶揄されるこの様子、これこそすさんでいく心理状況を可視化したものである。

②繰り返される「N・A・M・I・D・A」
 ⇒何度も何度もこのフレーズが繰り返される、ということは涙が何度も何度も出てきてしまう、ということを表している。

③「せんせー、わたしのびょーきはなおるんですかー?」
 ⇒これもまた繰り返しのあるフレーズだが、なかなか答えが返ってこない。つまり、医師の手を借りてすら治すのが困難なほどの病状である。


 根拠はこの三点を名義したが、他にもあるかもしれない。
楽曲鑑賞は一人ひとりによって捉え方が変わるのだから。

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本編~ナミダについて~

 前置きが長くなってしまったが、ナミダの歌詞について軽くではあるが考察していこうと思う。もっとも、

・投稿されてすぐであるため、考えが後に変わる可能性がある
・筆者が考察が特に得意である、というわけではないため、不鮮明な部分や矛盾点の生じることもある
・解釈は人それぞれで正解がない。あなたの中に別の捉え方があるのならば、そちらを尊重してほしい

 このことを念頭に置いて読み進めていただきたい。

 この曲での大きな枠組みは「いじめに苦しむ友人へのメッセージ」なのではないだろうか。

傷ついたあなたは 空色を呪って
物悲しくて荒天を望むのか
いつだって 持ち堪えてきた魂も
この先には いっそ、音を上げるか

 「傷ついたあなた」…言うまでもなく、いじめを受けて心身共に傷ついてしまった友人のことを指しており、
「この先には いっそ、音を上げるか」というのは、これからもっとエスカレートしていくとついに限界を迎えてしまうのではないか、と気づいていることなのだろう。


錆びついて ぼろぼろに斬られた鎧を
いついつまで着込むのか
透き通った ただひとつだけの誠心を
守りきれず あなたは手放した

 鎧とは自分の身を守るために装備するもの。ここでは友人の着ている衣服のことを指すとも考えられるだろう。ぼろぼろに斬られた、ということは刃物で彼の衣服が傷つけられてしまった、と解釈するのもおかしくはないだろう。


冷たい その身を
そのまま 死へ 向かわすのか
今 終わるか
なぜ 苦を 血を 躊躇うか
仕留むは仇ぞ

 ここでは「辛いからいっそ死んでしまおう」などと零す友人に「復讐すればいいのに、仇を討てばいいのに」などと告げているシーンになるのではなかろうか。

 「なぜ 苦を 血を 躊躇うか」というのは、もちろんいじめを行った人たちが苦しみ、血飛沫をあげることである。先述の歌詞には「透き通った誠心」とあるため、いじめで心が荒む前は非常に純粋な心の持ち主であり、それ故にいじめの標的となってしまった。そして純粋さを持っていたからこそ、自分が恨むのも無理がない人物にですら報復を与えることを躊躇してしまうのだろう。

 それが次の歌詞にも繋がってくるのだ。


流れ出す血と、涙、涙
あなたを暗く暗く染める
取り出し給え、刃、刃
まだ止まっては いないだろ
あなたの心臓は。

 流れ出す血と涙はもちろん引き続きいじめられて苦しんでいる友人のもの。暗く暗く染まるのはその辛さに耐えかねた心の奥底を表している、と言えそうだ。

 そんなところを目撃して「早くやってしまえ」と念を送っているのが
「取り出し給え、刃、刃」の部分にあたるだろう。
まだ自身が命を落としたわけではないのだから間に合うだろう、というのがその次に来るフレーズである。


知らないか 彼らはけらけらと嗤って
宝物を全部、奪い取るだけ
肥えきって ぶくぶくと煮立った五体を
みすぼらしく 永劫、曝けるだけ

 いじめっ子というのは残酷なもので、自分たちがしていることが悪いことだと知っていようとも「楽しいから」、ただそんな理由で人のものを盗んではけらけらと嗤っているのだ。
「宝物を全部、奪い取るだけ」とあるように、過去にほんとに数多くのものを盗られてきていたのだと捉えることができる。

 そして後半、肥えきってぶくぶくと煮立つ……これは彼らがどんどん傲慢になって本来自分たちには要らないはずのものまで過度に保有していることを「肥える」と表現しているのだろうと感じる。

 だけど、「私これもあれも持ってるんだよね~!」といった不必要なマウントは内輪では楽しいのかもしれないが、外野から見ると本当にくだらなく思える。ある意味滑稽だ。そういった意味でも「みずぼらしい」のだ。


やめようか 彼らが終わらせた未来を
幾度、幾度、惜しむのか
透き通った ただひとつだけの心念を、
守りきれず あなたは奪われた

  「きっといじめっ子たちが居なければあんな未来もあったんだろうな」などと時々この友人は考えていたのだろう。だから「過去のことを惜しむのはやめろ」と伝えたのだ。

 後半については1番と同様だと考えて大丈夫なのでは。


重なる 月日は
あなたを 癒せはしないが
今 終わるか
なぜ 苦を 血を 躊躇うか
仕留むは仇ぞ

 何度も何度も長いこと辛い目に遭わされて、トラウマにすらなってしまいそうな出来事。決して時間が解決してくれるものだとは言いがたい。

 実際、私も中学生の頃にいじめとまではいかないかもしれないが、冷たい日々を過ごした経験がある。幸い現時点では卒業以来は大人数と会うことは減ったのだが、願わくば一生会うことがなければと思うのだ。

 少しの嫌がらせですら5年経っても脳裏に染みついているのだ。
さらに酷い状況となれば本当に忘れることなど無理に等しいだろう。

「今 終わるか」
 そんな辛い日々が終わるのかどうか、それは次にある歌詞の通りだ。


邪魔をするなよ、涙!涙!
あなたは、紅く紅く燃える。
斬り伏せ給え、刃、刃。
あなたの想い、今に覚醒む。

 はい、復讐始まりました~~~~~~!!
こっから逆襲よ、テンション上がるね~~~~~~~!!!!!!!!

 紅く燃えるのはもちろん友人の怒り。
 あなたの想いはもちろん友人の復讐心。

これが覚醒するのだから、この曲で1番の転機と言って間違いないやんな。

 

斬り伏せ給え、刃、刃。
まだ終わってはいないだろう?
あなたの一生は!

 命燃える限り自分の気持ちに正直になって、刃で斬り伏せろ。

 もうここら辺はお察しの通りかな。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 歌詞について解釈をまとめると上記のようになった。もちろん私と異なる解釈を持つ人も居るだろう。「こんなん解釈違いだわふざけんな!」と考える人も居るかもしれない。

 私には1つの曲で複数の世界観が出来上がるのならそれほどまでに素晴らしいことはないと思っている節があるので、もし何かあれば気軽にコメントや引用記事などを作成していただければ、と感じる。

最後になったが、今回この記事を書くにあたってこちらのサイトから歌詞を引用させていただいた。
⇒ https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/maretu/namida/


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