星新一 「生活維持省』を読む

星新一は、1000をも超える短編をつくり、どれも面白い。

それを分析すれば、面白い短編ってのをみんな書けるんじゃね?ということを発端に、星新一のショートショートを調べるnoteである。

以下ネタバレ!!!!!!


 
  




生活維持省は『ボッコちゃん』に収録されている。
文字数 約4,000字

結論:短編は、【ディストピア×ランダムな事柄が自分に返ってくる】でどんでん返すと面白くなる!

●内容

①ユートピアです。みんな幸せです。
②それには理由があります。ランダムに人を殺しているから、人口が制御されて土地も食べ物も確保されて平和です。
③ランダムに人を殺す職業は生活維持省のひとが行います。
④ランダムに選ばれた人は、嫌がる人もいますが関係なく説明のうえ、問答無用で殺します。今回はアリサさんでした。
⑤次の人を選んだ際、対象は私でした。

●登場人物
課長
あなた
となりの同僚

うば車を押す母親
孫の手をひいた老人
小走りにかけまわる犬を連れて散歩している美しい婦人
まつけまの長い美しい女性か、ほっそりした指を持った色白の少年
楽しげに語らいながら自転車を踏む若い二人
うさぎを捕まえようと息をはずませた少年
小さなレストラン兼ガソリンスタンドの店をやっている老人
健康そうに日焼けした女性
アリサ

●考察
はじめはとにかく平和、幸せに生きる人たちの描写が続く。さながらユートピア。
そのため登場人物がやたらと多い。
このままだと面白くないので、物語は進む。
ユートピアにはユートピアたるゆえんがある。
主人公たちはランダムに人を殺める職業で、人口の制御がユートピアの仕組みだった。
その執行者が、執行されるというオチ。

・ランダムに裁く人間が裁かれる対象になるという点
・ランダムに裁く社会を描写する
・平和がそこにある

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